最近目にする「CCRC」という言葉

保険毎日新聞 連載 シニア市場の気になるトレンド 10

ccrc「CCRC」という言葉を目にすることがある。CCRCとはContinuing Care Retirement Community(継続介護付きリタイアメント・コミュニティ)のことで、主にアメリカで発達した高齢者居住コミュニティのことだ。

 

最近、政府が高齢者の都会から地方への移住を支援する方針を打ち出した。地方にバリアフリーの高齢者向け住宅をつくり、健康なうちに地方に移り住んでもらい、退職後の第二の人生を楽しめるようにするというものだ。実はこのモデルにしているのがCCRCなのである。

 

政府は高齢者住宅の建設や運営費を補助するほか、移り住んだ場合の助成金の拡充を検討している。地域を絞って規制緩和する「地方創生特区」の指定も視野に入れている。半年間、お試しで移り住んでもらえるよう入居費を補助する案も浮かんでいる。地方への高齢者移住を支援することで地方の活性化を図ろうというのが狙いだ。

 

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シニアビジネスの基本「顧客ニーズをみたすサービス」

シルバー産業新聞110日号 新春座談会

silver_150110私が長年連載を務めているシルバー産業新聞の新年号にシニアビジネスの基本「顧客ニーズをみたすサービス」と題した鼎談が掲載されました。

 

鼎談のメンバーは、カーブスジャパン会長 増本岳さん、オリックスリビング社長 森川悦明さん、そして私です。シルバー産業新聞社長で編集長の安田勝紀さんも同席されました。この鼎談記事は紙面1ページに渡り、文字数も5千字を超える大きな扱いです。

 

実は今回の鼎談は、安田さんからの要請を受け、相応しいお二人にお声掛けさせていただき、実現したものです。お二人の共通点は介護保険制度にベッタリと依存したビジネスをせず、事業として成功していること、創業時に命を削るようなご苦労をされ、それを乗り越えてきたことです。

 

テレビで評論家の話を聴いても腹に響くことはほとんどありませんが、このお二人のお話には、退路を断って新規事業に取り組んできた人だけが持っている胆力が備わっています。

 

鼎談の一部を下記に掲載しますが、本当に素晴らしい内容ですので、これから介護保険に依存しないシニアビジネスに取り組まれようとする方は、シルバー産業新聞を購読されて全文をお読みいただくよう強くお勧めします。

 

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介護ロボット普及のための課題と対策、将来展望

Journal of Clinical Rehabilitation 12月号

12月号1 医歯薬出版が発行している医学系学術雑誌Journal of Clinical Rehabilitationのシリーズ連載「障害者のリハや介護に役立つテクニカルエイドと環境整備」の連載第二回が掲載されました。

 

介護ロボットへの期待は、国内はもとより海外の介護事業者が高い関心を示しており、106日に行われたAAIF in Japanでも午後のセッションの大半は介護ロボットについての話でした。

 

また、昨日(24日)来日したフランス企業視察団も日本の介護ロボットに高い関心を示しているようです。

 

寄稿の内容は次の通りです。

 

1.       利用者の立場から見た課題と対策

(1)    情報面での課題

     介護ロボットのことがよくわからない

     活用実績・事例がわからない

(2)    機能面での課題

     現場ニーズと乖離している

     使用準備などに手間がかかる

     安全性に不安がある

(3)    経済面での課題

     価格が高い

     人が介在しないと使えず、費用対効果がみえない

(4)    業務面での課題

     現場の業務フローが画一的でなく、ロボットでの作業になじまない

     業務効率の追求が必ずしも歓迎されない

(5)    意識面での課題

     経営改善のために介護ロボットを使う意識が希薄

     きめ細かな作業の介護は所詮ロボットには無理という意識が強い

 

2.      ロボット開発者における課題

(1)    介護従事者をロボットで代替しようとする

(2)    ロボットでの作業を全自動化しようとする

(3)    自社技術の誇示が自己目的化する

 

3.       将来展望

 

12月号2ここまで介護ロボットの普及に必要な課題と解決策を述べた。あとはこれらを地道に実行し、実績を積み上げることが必要だ。そのうえで、さらに重要なことを述べる。

 

先述の通り、かつて建設ロボットの開発・普及に取り組み、日本発の非薬物認知症療法「学習療法」の米国への輸出に取り組んだ経験から言えることは、介護現場へのロボット導入の究極ゴールは、その導入によって介護の質が劇的に変わることである。

 

つまり、導入によって介護される人がスタッフに介護される負い目を感じることがなくなったり、認知症の症状が改善したりして、導入前よりも笑顔が多くみられるようになり、スタッフに感謝の気持ちを表現できるようになることだ。

 

そして、介護するスタッフも重労働が減り、腰痛から解放されることで元気になり、介護される人から「あなたのおかげで気持ちよく過ごせるわ。ありがとう」と感謝されることで、仕事に対するやる気が増すことである。

 

このような感謝の気持ちのキャッチボールにより、介護する人とされる人との関係性が改善し、より深まっていく。その結果、介護現場全体の雰囲気が良くなっていくことで、介護施設の経営が改善していく。

 

こうした好循環の中核に介護ロボットが位置づけられるように開発・改善していくことが、ロボット開発者が目指すべき姿である。このような思想で開発された介護ロボットは、前号で述べたシニアシフトが世界中に広がるにつれ、必ず世界各国から求められるようになるのは間違いない。

 

日本の高度な技術力と日本人の細やかで温かいマネジメントこそが介護ロボットの価値の神髄なのだ。

 

 

ご興味のある方は本誌で全文にお目どうしいただき、忌憚のない感想をお聞かせいただければ幸いです。

 

 

Journal of Clinical Rehabilitation 12月号のページ

 

 

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シニアのニーズ把握の究極は「人間を知る」こと

日経BizGate 識者コラム 成功するシニアビジネスの教科書より

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その人の「状態の変化」がわかるとシニアのニーズが見えてくる

 

連載の第2回で述べたように、シニアの消費は「年齢」では決まらず、シニア特有の「変化」で決まります。シニア市場に取り組む際に大事なことは、シニア顧客が一体、何を求めているのか、その理由は何かを、とことん知り尽くすことです。そのためには刻一刻と世の中が変わっていく状況の中で、シニア顧客が如何なる理由で、どのように変化しているのか、に想像力を働かせて、その変化を具体的に追わなければいけません。

 

連載の第4回で、65歳になっても働き続けたい人が増えているという話をしましたが、これはかつての「2007年問題」の時とは違った傾向です。翌年に起きたリーマンショックによる景気低迷で、先行き不安が強まったこともあり、元気に働けるうちは働きたいというシニア層が増えました。これは時代性の変化であり、年齢の変化ではありません。

 

売りたい商品を顧客に提示して顧客の反応を直接知れ

 

一番良いのは、その会社の社員が直接、自分たちが売りたいと思っている潜在ユーザー層とのコミュニケーションの機会を持つことです。そうすればアンケート調査などでは見えてこない相手の考えが、皮膚感覚ではっきりと分かってきます。

 

私はかつて高級老人ホームの販売のために先頭に立って営業をした経験があります。見学に訪れたシニアの方々の口からは「ここはとても素敵。ぜひ入居したいわ」との好感触の言葉があふれました。見学会では立派な食事も無料で提供しましたから、終始ご機嫌の様子で、アンケートへの回答内容もきわめて前向きでした。

 

ところが、いざ、具体的な商談の場になるや急に歯切れが悪くなるのです。後でこっそりと事情を伺うと、予算の問題や家族関係の問題などで、どうしても買えないと呟かれる。高額商品ほどそうした傾向が強く、アンケートの回答はほとんど当てになりません。実際の商品を価格とともに示すことで、初めて買い手の本音が具体的に透けて見えるのです。

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ネット市場調査では母集団のバイアスに気を付けよ

910 シルバー産業新聞 連載「半歩先の団塊・シニアビジネス」第90

インターネットでアンケート調査する場合の留意点は三つある。第一にアナログ情報が欠落すること、第二に入力インターフェイスが障害になりやすいこと、第三に母集団にバイアスがかかりやすいことだ。

 

デジタルゆえに回答者のアナログ情報が欠落する

 

紙アンケートの場合、意外に情報価値が高いのが自由記入欄などにおける手書きのコメントだ。手書きコメントのよい点は、字の濃淡や記入の仕方、筆跡といった情報が含まれることだ。これらの情報から書き手がコメントを書いている時の心境や雰囲気が伝わってくる。だから、書いてある文字情報以上の情報が得られる。

 

これに対し、インターネットのアンケート回答には、こうしたアナログ情報は一切含まれない。私は講演やセミナーの講師に招かれた時に、受講者アンケートを見せていただくことがよくある。講師にとってこのようなアンケートで最も有用なのは、手書きコメントの部分だ。

 

実はこうした手書きコメントにこそ、受講者の本音が最も出やすく、受講者満足度が透けて見えるところなのだ。だから、手書きコメントのないアンケート調査は、その価値は3分の1以下といってもよい。

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市場調査アンケートをやる前に知っておくべきこと

810 シルバー産業新聞 連載「半歩先の団塊・シニアビジネス」第89

ロングステイ_マレーシア未経験なことへの「意向」を尋ねると回答の信憑性は低下する

 

シニア市場に参入したいという企業担当者から必ず受ける質問の一つは、「シニアが何を必要としているか、そのニーズを知りたい」というものだ。そして、その解答を得る手段として彼らが頻繁に行なうのがアンケート調査である。ところが、その実施方法や設問の設計などにしばしば問題が見られる。

 

アンケート調査という手法は、設問を回答者の「現状の事実関係の確認」に限定すれば、回答者が虚偽の回答をしない限り有用だ。たとえば、性別、住所、年齢、生年月日、資格の有無などを尋ねる場合である。

 

ところが、設問内容を未経験なことに対する「願望」や「意向」を尋ねる性質のものにすると、その回答の信憑性は著しく低下する。

 

たとえば、40歳から60歳までの母集団に「あなたは、海外に数か月滞在するロングステイをしてみたいと思いますか?」「ロングステイの場所は、カナダ、オーストラリア、タイ、マレーシアのどこがいいですか?」「ロングステイにいくらまで予算をつぎ込めますか?」などの設問の場合だ。

 

回答者は、自分が経験したことのない商品・サービスに対しては、実感が湧かないため「明確な判断基準」を持たない。このため、回答への意識が希薄になりやすく、回答内容の信憑性が低下する。

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意外に知らないアンケート調査の落とし穴

スマートシニア・ビジネスレビュー 2014728 Vol.206

アンケートの例未経験なことへの「意向」を尋ねると回答の信憑性は低下する

 

アンケート調査という手法は、設問を回答者の「現状の事実関係の確認」に限定すれば、回答者が虚偽の回答をしない限り有用です。たとえば、性別、住所、年齢、生年月日、資格の有無などを尋ねる場合です。

 

ところが、設問内容を未経験なことに対する「願望」や「意向」を尋ねる性質のものにすると、その回答の信憑性は著しく低下します。

 

たとえば、40歳から60歳までの母集団に「あなたは、海外に数か月滞在するロングステイをしてみたいと思いますか?」「ロングステイの場所は、カナダ、オーストラリア、タイ、マレーシアのどこがいいですか?」「ロングステイにいくらまで予算をつぎ込めますか?」などの設問の場合です。

 

回答者は、自分が経験したことのない商品・サービスに対しては、実感が湧かないため「明確な判断基準」を持ちません。このため、回答への意識が希薄になりやすく、回答内容の信憑性が低下します。

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日本でリタイアメント・コミュニティがうまくいかない理由

610 シルバー産業新聞 連載「半歩先の団塊・シニアビジネス」第87

高級老人ホームの談話室海外で売れているものが日本でも売れないかを考える

 

シニアビジネスを発想する場合、海外で売れているものが日本でも売れないかを考えるのも一つの方法だ。これは、外食産業やアパレル産業、小売業など、さまざまな業界でいくつもなされてきた手法である。

 

シニア向けでいえば、私が2003年に日本で初めて紹介した女性専用フィットネスのカーブスもこれにあたる。2014年4月現在で、日本国内で1411店舗、会員数60万人にまで成長した。

 

20057月に直営1号店をオープンしてから、わずか8年9か月という短期間での急成長は、世界各国のカーブスからも驚きの目で見られている。

 

リタイアメント・コミュニティは日本でうまくいかない典型

 

一方、外国発のシニア向け商品が日本でうまくいかない典型は「リタイアメント・コミュニティ」だ。リタイアメント・コミュニティとは、アメリカ、カナダ、オーストラリアなどに特有の大規模な老人ホームの形態だ。なかには一か所に3000人も居住している例もある。

 

リタイアメント・コミュニティには大きくCCRC(Continuing Care Retirement Community、継続介護付きリタイアメント・コミュニティ)とAARC(Active Adults Retirement Community、元気高齢者向けリタイアメント・コミュニティ)がありる。アメリカに圧倒的に多いのはCCRCだ。アリゾナ州にある有名なサンシティ(Sun City)は、AARCである。

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シニアビジネスの未来は?超高齢社会・日本の10年前の失敗から学ぶ

週刊朝鮮(韓国) 2013114日号 

週刊朝鮮131104対談韓国のメジャー週刊誌、週刊朝鮮に韓国有識者との対談記事が掲載されました。この対談は、昨年1028日にソウルで開催された国際シニアビジネスコンファレンスに招待講演者として参加した際、宿泊先のホテルで行ったものです。

 

対談相手は、漢陽大学高齢社会研究所のキム・ユンシン所長で、キム所長の質問に対して私が答える形で行われました。キム所長は流暢な日本語を話しましたが、週刊誌の記者は日本語が話せないため、時々英語を交えての対談となりました。

 

「日本の10年前の失敗から学ぶ」というタイトルは、韓国の読者に対してアピールするものなのでしょう。私の印象では、今の韓国のシニアビジネスへの取り組み状況は、ちょうど2000年頃の日本の状況に似ています。

 

「シニアビジネスがこれから重要になる」「巨大なシルバー市場が出現する」といった期待先行で、コンファレンスや展示会、イベントが増えていますが、具体的な商品・サービスがまだ少ないといった状況です。

 

以下、韓国語のサイトに掲載の内容を翻訳したものを掲載します。読んでみると、結構きちんと整理されていることがわかります。

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シニアのネット利用の解説でフジテレビ「ノンストップ」に生出演します

20141169:5011:20 フジテレビ系

nonstop3明日116日のフジテレビの朝の情報番組「ノンストップ」にゲスト出演することになりました。

 

この番組では曜日ごとに特集コーナーがあり、今回は木曜日「あなたの知らないセケン」というコーナーで、シニアのネット利用動向の最新事情について解説します。

 

1169:5011:20 フジテレビ系ですので、よろしければご覧ください。会社勤めのある方は、録画でどうぞ。

 

nonstop2私はいまから約14年前の1999年9月15日の朝日新聞で、ネットの時代の新たな高齢者像である「スマートシニア」というコンセプトを提唱しました。その意味は「ネットを縦横に活用して情報収集し、積極的な消費行動を取る先進的な高齢者」のことです。

 

最近は「ショールーミング」と呼ばれる消費行動を取る人が増えました。これは、ネットであらかじめ欲しい商品の情報を調べたうえで、店頭で実際の商品を手に取って確認し、店員に価格を尋ねたうえで、ネットで購入するというものです。

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