どこに100兆円もの市場があるんだい?

村田裕之Eレター 2012年1月30日 Vol.25

こんにちは、村田裕之です。

 

冬らしい寒さが続いておりますが、お元気でお過ごしでしょうか?

今回は先日の日経新聞の記事にまつわる話題です。

 

■シニア消費100兆円の正しい見方

スマートシニア・ビジネスレビュー 2012130Vol.174

 

 

121日の日経新聞夕刊に「シニア消費100兆円」

という記事が一面トップで掲載されていました。

皆さんはこの記事を見てどのようなことを感じたでしょうか?

 

私の周りの人たちからは、

100兆円もあるの?やっぱりシニア市場は大きいね」

という反応があった一方で、

 

「高齢者を見ていると生活がつましくてピンとこない。

どこに100兆円もの市場があるんだい?」

という反応もありました。

 

そこで今回のレビューでは、

この「シニア消費100兆円」の詳細を解説しました。

 

シニア消費を理解するカギとなる役立つ数値も多く掲載しており、

シニア消費に関心のある企業担当者の方は必読です。

 

先の日経新聞で引用している

第一生命経済研究所の推計によれば、

2011年の 60歳以上の消費(シニア消費と定義)は、

1012000億円とのことです。

 

一方、国連の World Population Prospects:

The 2010 Revisionによれば、

2011年度の日本の 60歳以上の人口は

3901万人 となっています。

 

これらの数値を元にすると、2011年度の

60歳以上一人当たりの年間消費推計額は

1012000億円/3901万人=2575千円

214,600円/月となります。

 

何だ、100兆円と言っても、一人当たり月215千円弱か、

大したことないなあ、と思われるかもしれません。

果たしてこの数値は妥当なのでしょうか?

 

総務省統計局「家計調査報告」平成22年によれば、

世帯主が60歳以上の世帯の消費支出は

次の通りとなっています。

 

1.  勤労者世帯(60歳以上の世帯の15.2%

315,212円/月(消費性向92.9%、黒字率7.1%

ここで勤労者世帯とは、世帯主が会社・官公庁・

学校・工場・商店などに勤めている世帯のことをいいます。

 

2.  無職世帯(60歳以上の世帯の67.8%

207,302円/月(消費性向129.4%)

1)うち単身無職世帯(26.1%): 145,963円/月(消費性向124.8%)

2)うち高齢夫婦無職世帯(23%): 234,555円/月(消費性向121.3%)

 

これらから、第一生命経済研究所の推計と

国連の人口推計から算出される

60歳以上の人一人当たりの消費214,600円/月は、

最新の家計調査報告の数値

(勤労者世帯315,212円/月と無職世帯207,302円/月)

の間にあることがわかります。

 

60歳以上の世帯のうち、無職世帯が全体の67.8%

勤労者世帯が全体の15.2%であることを考慮すれば、

214,600円/月という数値は妥当であると言えましょう。

 

だとすると、一方で

60歳以上の世帯の消費は

月に214,600円しかないのか?」

という疑問が湧く方も多いでしょう。

 

答えはNOです。

 

先に挙げた通り、同じ60歳以上の世帯でも、

勤労者世帯315,212円/月と

無職世帯207,302円/月では、

実に107,910円/月もの差があるのです。

 

要するに世帯主が働いていて、

それなりの収入がある場合とそうでない場合とでは

消費支出に大きな差が出るということです。

 

しかも、注意したいのは、勤労者世帯は消費性向92.9%、

つまり月の収入が支出を上回って収支が黒字なこと。

 

これに対し、無職世帯は消費性向129.4%、

つまり月の支出が収入を上回って収支は赤字。

不足分は預貯金の取り崩しで賄っているのです。

 

さらに、次のページhttp://muratainc.com/basics/02.html

の図表2-3をご覧ください。

 

この図表は厚労省国民生活基礎調査による

高齢者世帯と全世帯の年間所得の分布を示しています。

(ここでは高齢者世帯は世帯主が65歳以上の世帯)

 

グラフの数値は2004年調査のものですが、

最新の調査である2010年のものと比較しても

傾向はそれほど変わっていません。

 

この図表から言えることは、

高齢世帯の所得は世帯によって異なることです。

 

私がかねてから著書や講演で申し上げている通り、

高齢世帯の消費形態は多種多様であり、

十把一絡げでは語れないのです。

 

シニア消費は確かに100兆円を超えています。

しかし、だからといって、すぐにシニア消費が

貴社商品の消費になるわけではありません。

 

自分の会社の商品・サービスは、

誰をターゲットにするのか、

誰にリーチできるのかを

周到に考えなければいけないのです。

 

 

全文と写真を見る

http://bb.hiroyukimurata.jp/perspective/1658/

 

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mailto:eletter@hiroyukimurata.jp

 

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◆お知らせ

 

Ageing Asia Investment Forum (AAIF)2012 特別優待のご案内

Age-Friendly Communities: Housing, Health & Senior’s Care

 

近年成長著しいアジア市場ですが、そのアジア市場にも

高齢化の波は確実に訪れてきています。

 

現在の市場はもちろんのこと、今後の急速な高齢化に伴う

新たな市場と潜在的なビジネスチャンスは計り知れないものがあります。

 

先般116日(月)、東京・大手町の日経ビルで開催した

日経消費経済セミナー「アジアの高齢者市場どう攻略~

日本の商品開発の経験を生かす」でも、多くの企業担当者が参加し、

皆さんの関心の高さをひしひしと感じました。

 

今回ご案内するのは、来る410日から13日まで

シンガポールのグランドハイアットホテルで開催される

3Ageing Asia Investment Forum (AAIF)2012です。

 

私は昨年このAAIFの第2回に初めて参加しました。

2AAIFでは、アジアの12か国から40人以上の経営者、

政府関係者、NPOリーダーが一同に会し、

2日間さまざまなテーマで発表・討議を行いました。

また、延べ800人を超える人が参加しました。

 

私はアジア以外の米国や欧州でも類似の会議に

しばしば参加する機会があります。

 

その経験から確実に言えることは、

こうしたハイレベルなビジネスパーソンが

一同に会するフォーラムこそが、

情報収集と人脈構築のうえで、

最も効率的な方法だということです。

 

アジアと言っても地理的にも広大で、

高齢化の進展度合いや所得水準など国によって多種多様であり、

十把一からげに捉えられません。

 

しかし、わずか3日のAAIFに参加することで、

さまざまな国の経営者、政府関係者、NPOリーダーとの

人的ネットワークが構築でき、多くの意見交換機会や食事会、

ツアーを通じて、マスメディアやネットでは決してわからない

現地の生情報を手に入れることができました。

 

そこで、今回の第3AAIFに、できるだけ多くの日本企業の方にも

容易に参加できるように、主催者と交渉の結果、

特別に優待割引を設定していただきました。

 

優待割引の詳しい内容にご興味のある方は、次のページをご覧いただき、

ぜひ、お申込みいただければ幸いです。

 

http://bb.hiroyukimurata.jp/talk/speech/1669/

 

では、また次回まで、お元気でお過ごしください。

 

村田裕之

 

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ほぼ毎日更新?シニアビジネスと高齢化問題のナレッジベース。

 

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ブログでは伝えきれない日々の活動をお伝えしています。

 

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