高齢社会に明るい未来を感じる瞬間

スマートシニア・ビジネスレビュー 2011年12月28日 Vol.172

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「高齢社会」という言葉のイメージは、一般に明るくない。年金崩壊、高齢者医療費、介護地獄、孤独死など、油断すれば暗い話の“たこつぼ”に、はまってしまう。

 

だが、私には一見暗く見える高齢社会に

明るい未来を感じる瞬間がいくつかある。

 

そのひとつが女性専用フィットネス、

カーブスのイベントに参加する時だ。

今年は1211日にパシフィコ横浜で開催された。

 

前日土曜の夜にアメリカからのべ15時間のフライト。

帰国したばかりの身にとって、翌日午前9時半からの

横浜でのイベント参加は、正直言って辛いものがあった。

 

しかし、だるい身体に鞭打って会場にたどり着くと目が覚めた。

広い会場全体を埋め尽くした20代中心の

若い女性の大群に遭遇したからだ。

 

その数、今年は3,500人。

日曜日にもかかわらず、全国のカーブス店舗の

スタッフ全員が集まっていたのだ。

 

ここだけ眺めていると、

日本が世界一の超高齢社会であることを

忘れてしまいそうだ。

 

しかし、目が覚める本当の理由は別にある。

それは、店舗を運営している

若いスタッフの生々しい発表を聴く時だ。

 

curves-japan一つの店舗には多い場合、500人を超える顧客がいる。それを平均3人のスタッフで回す。

 

一方、スタッフの年齢は20代が中心。

この若いスタッフが50代、60代、70代の

おばさまたちを相手に格闘しているのだ。

 

80代、90代のおばあさまも少なくない。

祖母と孫娘のような年齢差である。

 

だが、実態は祖母と孫娘ではない。

サービス提供者と顧客の関係だ。

祖母と孫娘に許される甘い態度は通用しない。

 

あるスタッフは

「あんたなんかに指導されたくないわ」と

年長顧客に冷たく言い放たれ、

悔しい思いをしたという。

 

若者にとっては、年齢が若いというだけで、

能力を判断されたくないと思うだろう。

 

しかし、年上の人間は、常に年下の人間を、

「この若造が」と見てしまうのだ。

 

それでも、こうした悔しい思いをバネにして、

粘り強く、あの手この手と工夫していく。

 

ある日、体重が減った、健康になった、

などの成果が出た年長顧客から初めて

「ありがとう、あなたのおかげよ」

と感謝の言葉をもらう。

 

「ああ、やっと、自分も指導者として認められた」

という実感が得られ、

それまでの苦労が吹き飛んだという。

 

以前、若干27歳で三つの店舗運営を任されている

女性の話を聴いたこともある。

 

店長になる前は、事務員だったその女性が

もはや事務員ではなく、経営者としての心構えを持ち、

しっかりと語っていたことに感服したものだ。

 

私はカーブスの若いスタッフのこうした話を聴くと、

いつも心が温まる。

 

それは、目の肥えたシニア顧客の

厳しい要求に応えるべく悪戦苦闘しながら、

20代、30代の若いスタッフが、

しっかりと成長していく姿を感じるからだ。

 

20代、30代の若者が、50代以上の年配者に

厳しく文句を言われ、怒られ、

悪戦苦闘しながらサービス提供する機会が、

実は人間として成長できる機会にもなっている。

 

このことを実感できる時、

私は高齢社会に明るい未来を

感じることができるのだ。

 

日本の将来は、決して暗くないと。

 

 

●参考

世界最大の女性専用フィットネス 「カーブス」の日本への紹介

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