家電量販店の高齢者住宅販売に勝機はあるか?

2012831日 ちょっと一息

ヤマダ電機今朝の日経新聞にヤマダ電機が高齢者向け住宅の開発事業を始める、という記事がありました。この記事は家電量販店の現状と今後の方向性を示すものと言えましょう。

 

家電量販店が高齢者住宅に進出する背景には、テレビ市場を中心とした家電市場の縮小、があります。一方、この記事では「高齢者向け施設・住宅の整備率(全高齢者に対する割合)は、0.9%にとどまっており、ヤマダ電機は高齢者向け住宅の潜在的な需要は大きいと判断した」とされています。

 

しかし、私はこうした高齢者住宅市場への進出による本業の家電販売への貢献度は小さいと思います。その理由は、ヤマダ電機が進出する「サービス付き高齢者向け住宅」市場は、すでに激しい価格競争にさらされており、結構厳しい競争を強いられると思われるからです。

 

サービス付き高齢者向け住宅は、国土交通省の補助金により、昨年から急速に増えています。ところが、進出企業が多いために競争が厳しく、安いものでは三食食事つきで月額家賃105,000という案件も出現しているほどです。

 

こうした破格の値段のため、入居率は高いものの、誰も儲けないビジネスと揶揄されつつあります。このような市場の流れから、初期投資もランニングコストもさらに抑える必要があり、今後は最低限の設備以外は設置するのが難しくなるでしょう。

 

また、サービス付き高齢者向け住宅を必要とする潜在入居者層は、どちらかと言えば所得の低い単身世帯が多い。このためハイテク家電で武装された住環境は、率直に言って「豚に真珠」の感があります。

 

つまり、立派な家電設備を施して建設されても、入居者にはほとんど利用されないという場面が容易に想像できます。これは、かつてバブルの時代に、全国の自治体にハコモノが乱立し、バブル崩壊後に使い道がなくなって処分に困った施設があふれたことを思いおこさせます。

 

むしろ、家電量販店の本業立て直しのためには、従来のように家電製品を店に並べて売るだけのスタイルを脱却し、たとえば、IKEAのように、ライフスタイル提案とともに家電製品の活用の仕方を提案するようスタイルがもっと必要だと思います。

 

また、サービス付き高齢者向け住宅は、国の税金を補助金として投入するわけですから、その補助金の使途については無駄遣いにならぬよう、国土交通省には厳密な監視をお願いしたいものです。


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