らくらくスマートフォンは、どこまでスマートか?

スマートシニア・ビジネスレビュー 2012年7月19日 Vol.178

imageシニア向けスマホ、「らくらくスマートフォン」の予約が720日から始まるとのことです。

 

私は昨年9月に発表した「シニア向けスマートフォンのあるべき姿とは?」という記事のなかで、シニアのスマートフォン利用者を増やすためには、①マン‐マシン・インターフェイスのさらなる改善、②低価格の実現、③絶対使いたいと思わせる用途開発、の3つが必要であると提言していました。

 

今度発売のらくらくスマートフォンでは、これらの提言をかなり取り入れていただいたようです。とりわけ①については、見やすくてシンプルなメニュー構成、ボタンのように押した感触がはっきりして押し間違えにくいタッチパネルなどにその工夫が見られます。

 

また、②については、「らくらくパケ・ホーダイ」という専用の料金体系が用意され、月額定額料2,980円で利用できることになっています。通常の定額サービスだと月額5,460円なので、2,480円も安くなっています。

 

一方、③については、らくらくスマホ利用者向けのSNS(ソーシャルネットワークサービス)が用意される、という以外に特別なものは見当たらず、今後の課題という感じです。

 

そもそもSNSが、シニアの方にとって絶対使いたいと思わせる「キラー・サービス」になるかは疑問です。それはすでに存在しているフェイスブックやツイッターなどの利用状況を見れば容易に予想がつきます。

 

これらのSNSは、使う人はしばしば使う一方で、使わない人はまったく使わないからです。むしろ、先の拙稿「シニア向けスマートフォンのあるべき姿とは?」で取り上げたような、緊急通報機能や見守り機能を付帯させた方が、健康に心配の多いシニア世代にとっての「キラー・サービス」になる可能性は大でしょう。

 

さて、その後、私もiPhoneのトラブルをきっかけに、アンドロイドOS搭載のスマートフォンも保有するようになりました。このおかげで、現状のアンドロイド・スマホの多くの課題に気が付くことができました。こうした課題は、らくらくスマホの購入を検討されている方にとっても有用と思われるので、以下にお伝えしたいと思います。

 

1.  アンドロイド・スマホはバッテリーのもちが悪いものが多い

 

私が持っているのは、富士通のF-05D Arrows X LTEという機種。ところが、この機種は取り扱っているNTTドコモの販売員が認めているほど、バッテリーの持ちが非常に悪い。当初、何も使用しないでカバンのなかに入れておいたら、4時間後にバッテリーが空になり、唖然としました。

 

液晶画面が大きく、カラーでバッテリーを消費しやすいということもありますが、根本的原因は、LTE(ドコモではクロッシーというブランド名)という高速通信規格を搭載していることにあるようです。

 

この規格だと、スマホを使わないときでも常時電波を発信し、中継基地とやりとりをする通信手順になっており、これがバッテリーを消費する原因になっているようです。

 

さらに、NTTドコモのスマホには、iコンシェルやiチャネルといった自動情報提供サービスが搭載されていますが、これらがさらにバッテリー消費に追い打ちをかける構造になっています。

 

iコンシェルやiチャネルから提供される情報の価値をどう評価するかは、人によって意見が異なるでしょう。しかし、私の場合、これらから提供される情報に高い付加価値を感じるものはほとんどありません。むしろ余計なおせっかい機能という印象です。

 

幸い「らくらくスマホ」では、LTEは搭載されていないようなので、iコンシェルやiチャネルなども使用しなければ、少なくとも半日程度はバッテリーがもつのではないかと予想します。

 

しかし、このような、バッテリーの持ちがどの位といった情報は、販売店にあるパンフレットやホームページには掲載されていません。かつ、こちらから敢えて質問しない限り、販売員も説明してくれません。購入して、使ってみないとわからない、というのが現状なのです。

 

私は、シニアの方が一大決心をして購入したのに、仮にバッテリーが半日ももたないようでは、間違いなくクレームをつけるだろうと想像がつきます。そういう状況にならないことを老婆心ながら祈りたいと思います。

 

2.  アプリ上では字が小さい

 

私はGoogle Appsという仕組みを使ってメールの管理を行っています。これを使うと、どのパソコンやケータイ、スマホなどからでも送受信が一元管理でき、大変便利です。

 

ところが、先のアンドロイド・スマホでは、メールの字が大変小さく読みづらい。アプリで管理されていない状態では文字サイズを変更できるのですが、アプリ上では文字サイズの変更ができないのです。

 

iPhoneに比べて液晶画面ははるかに大きいのに、行間が狭く、文字が詰まっていて読みづらく、がっくりきました。

 

ちなみに私はまだ老眼ではありませんが、この私ですら字が小さいと感じていますので、老眼の方であれば、おそらく判読不能でしょう。

 

らくらくスマホを使う人で、私のようにGoogle Appsのようなサービスを使う人は少数派かもしれません。しかし、文字が大きいのが売りの「らくらくスマホ」で、恐らく一番頻繁に使うメールを使うときに字が小さくて読みづらいとすれば、シャレになりません。

 

これも使ってみないとわかりませんので、できれば購入前に確認したい点です。

 

3.  マニュアルの字が小さい

 

以前、「らくらくホンプレミアム」を入手した時に、携帯電話は字が大きく、見やすく、よくできていて感心したのですが、付帯していたマニュアルが、読む気がしないほど字が小さく、分厚くてがっかりしたものでした。

 

先のアンドロイド・スマホには、分厚いマニュアルの代わりにクイックスタートガイドが付帯しており、一昔前よりは進化しています。しかし、それでも、相変わらずマニュアルの字が小さく、わかりにくい点は改善されていません。

 

iPhoneが優れているのは、マニュアルがなくても、それなりに使える製品になっていることです。あらゆる製品の理想形は、マニュアルなしでも操作ができることではないでしょうか。

 

この点もらくらくスマホの場合、どうなのかはわかりませんが、間違っても以前のらくらくホンのような分厚いマニュアルが付帯されていないことを祈っています。

 

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