親の介護―認知症のチェック

解脱12月号 連載 スマート・エイジングのすすめ 第12回

gedatsu1512親の認知症に早く気がつくためのチェックポイント

認知症になると治療法がなく、あきらめるしかない、と思われている人もまだ多いようですが、最近の状況は変わっています。「慢性硬膜下血種」や「特発性正常圧水頭症」のように治療が可能なものもいくつかあります。

一方、薬を使わずに、徘徊、暴力、幻覚など認知症特有の「周辺症状」を緩やかにする「非薬物療法」にもいろいろなものが登場しています。なかでも、音読・手書き・簡単な計算とスタッフとのコミュニケーションによる「学習療法」は、全国1600以上の介護施設や自治体の健康教室に導入され、認知症の改善や脳機能の維持・向上に大きな効果を上げています。

このように、認知症は、「治療法がなく、あきらめるしかない」病気ではありません。ただし、他の病気と同じで、症状を悪化させないためには早期発見が重要です。認知症の「出現率」は、70歳を過ぎたあたりから年齢とともに上がっていきますので、あなたの親が70歳を過ぎたら、認知症の兆候がないか、定期的に確認することが重要です。

gedatsu_honbun_1512次のチェック項目で、あなたの親の状態を確認してください。一つでも思い当たることがあれば、認知症の専門医の診断を受けてもらいましょう。

(1)もの忘れ、置き忘れの頻度が増える
(2)小さな買い物でも、小銭ではなく、お札で払う
(3)予定を頻繁に忘れる
(4)知っているはずの道で迷う
(5)五分前に訊いたことを、また訊く
(6)鍋をよく焦がすようになった
(7)今日の日付が言えない
(8)自分の年齢が言えない
(9)時計の絵や立方体の絵がうまく描けない
(10)旅先でお風呂に入れなくなる

認知症の専門医をどうやって探すか?

認知症の専門医は、病院の精神科、神経内科、老年科、あるいは「もの忘れ外来」などにいます。とはいえ、すべての精神科や神経内科の医師が認知症に詳しいわけではありません。

また高齢者は、こうしたところにいきなり連れていこうとすると抵抗感が強いので、まずは、近所の診療所に相談できれば、その方がいいでしょう。適切な診療所を探すには、最寄りの地域包括支援センター、保健所、保険センター、市区町村の社会福祉事務所などに問い合わせるのがいいでしょう。

親に受診を促すコツは何か?

認知症の診断を受けるために病院に親を連れていくときに、最も苦労するのは、本人が受診を嫌がり、どうやって受診させたらよいかがわからないことです。

この対策は、本人の性格や家族の状況などでさまざまですが、一つの方法は、「健康診断を受けておきましょう。何でもなければ安心なので」と言って、連れていくやり方です。この場合、連れていく病院に「受診を嫌がっているので、健康診断だと言って連れていきます」と事前に連絡して、対応してもらうようにすれば、スムーズにいきます。

また、病院での待ち時間が長いと、待つのが嫌で帰りたがる可能性が高いので、必ず予約を入れるようにしましょう。さらに、受診する日は、本人には直前に告げるのがよいでしょう。あまり早くから受診することを伝えると、当日になって「やっぱり行かない」と言い出すことが多いからです。

本人がどうしても嫌がるときは、忙しいあなたには辛いことですが、無理強いをせず、次の機会を待ちましょう。決して、叱ったり、責めたりしないことです。認知症になると、叱られたり、落ち度をなじられたりする機会がどうしても増えがちなのですが、これが一番逆効果です。

親が70歳を過ぎたら読む本

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