「技術」を使った「革新」のあるべき姿

スマートシニア・ビジネスレビュー 2011年6月6日 Vol. 153

kaigorobot「技術(technology)」は、しばしば商品やサービスの
「革新(innovation)」のカギとなります。

しかし、高度な「技術」を用いただけで商品やサービスの
「革新」が必ずしも起こるわけではありません。

例えば、介護ロボットの分野にその典型が見られます。

この分野では、すでに多くのロボットが開発され、
商品化されているものもあります。

(介護ロボットの例)

百合菜

リーマン

ところが、私が知る限り、その多くには、
使える場所が少ない、ほこりに弱く故障しやすい、
メンテナンスが面倒、価格が高い、
といった共通の課題が見られます。

そして、これら以上に致命的なのは、
介護という生身の人間を扱う作業の担い手としては
あまりに「機械的」で、気味が悪いことです。

これらの課題を乗り越えられない理由は、
商品開発者と利用者とのギャップです。

利用者は「問題の解決策を求めている」のに、
開発者は「技術を売りにしたがる」ためです。

一方、産業技術総合研究所が開発した
PAROというロボットは、こうした介護ロボットと
異なるアプローチを取った例です。

見かけはアザラシの子供のようで、
実際アザラシのような鳴き声を発します。

パロ

 

このPAROをペットの代わりに購入する人が
少なからず存在します。

購入の理由は、動物でないために、
旅行やレストランに連れていける、死なない、
えさがいらない、といった利点のためです。

しかし、もっと大きな理由は、
「動物のように可愛い」「家族のように感じる」
からだそうです。

動物ではないロボットを、
「技術」の力で動物らしくする。

「技術」が「技術」として見えるのは
本当の技術革新ではない。

本当の技術革新とは、
技術の存在を意識させないことと知る。

参考情報

エイジング・スタイリスト 多様性市場で成功する10の鉄則

シニアビジネス(ダイヤモンド社)
エイジング・スタイリスト
- 商品の重点は「機能」から「スタイル」へ移る

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