市場調査では「市場」は見えない 

高齢者住宅新聞 介護保険に頼らないシニアビジネス成功の12のヒント 第3回

koureisha_1508売れ方や評判を知る仕組みを

多くの企業が保険外シニア市場への足がかりとして最初に行うのが、調査会社へアンケートやグループインタビューなどの市場調査を依頼することだ。しかし、私が見てきた限り、そうした調査結果の大半は事業の役に立っていない

その理由は、調査を依頼する側がシニア市場でどのような商品やサービスを生み出して、どういう販路で売り出していくか、といった戦略仮説がないことだ。とりあえず市場の状況を調べてみよう、という程度のものが結構多い。

その程度のことに割ける予算があるのなら、自社で製造した商品が末端のエンドユーザーの間でどのような売れ方をしているのか、どういう評判になっているのかということを、量販店や中間卸経由ではなく、直接、自分たちが知ることのできる仕組みづくりにお金をかけるべきである。

たとえば、商品メーカーなら、自らが直接通販会社を持つのが有効だ。この際、コールセンターも自前で持つことが肝心だ。

通販会社の運営自体は外注でも構わないが、コールセンターなどの顧客接点のある部分は絶対に外注してはいけない。実際に顧客と接し、会話のやり取りが行われる業務は、自社の社員が直接行うことだ。ここがとても重要である。実際、業績の伸びている通販会社はすべて、この手法でやっている。

顧客の生の声 社員が拾って

コールセンターには大きく2種類の役割があり、一つは商品の支払いに関する手続きなど事務的な処理で対応可能なもの。もう一つは、顧客からの問い合わせやクレームへの受け答え。この領域は外注してはいけない。むしろ、なるべく製造部門の現場に近い立場の人が対応するべきだ。

そこで交わされる顧客からのクレームや要望の生の声は、小売業者のところで滞留していた貴重な消費者の生の声でもあり、調査会社への市場調査丸投げではなかなか入手できない情報だからだ。

シニアビジネスの基本は「不」の解消である。しかし、そうした「不」は顧客と日々接していないと聞こえてこないものだ。


成功するシニアビジネスの教科書
高齢者住宅新聞

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