今年で4回目 京都大学で「社会起業と公衆衛生」をテーマに講義します

11月1日 京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻

今年もまた京都大学大学院医学研究科で講義することになりました。

京都大学医学研究科社会疫学分野では、「公衆衛生と社会起業(Social entrepreneurship and public health)」と題する、世界でも希な講座が開設されています。

この講義の目的は、コミュニティ、国家、世界など様々なレベルの、公衆衛生に関連する社会的課題を、これまでの常識を打ち破る発想で解決しようとする精神を醸成することです。

受講者は、世界の動向や科学的エビデンス、社会起業に必要な問題分析のスキルやビジネス原理に基づく持続可能な問題解決を導くスキルを学ぶとされています。こうしたスキルは、これまでの疫学を中心とする公衆衛生学では扱われてきませんでした。

過去3回の講義では多くの留学生が参加していました。そのほとんどが発展途上国からの学生です。彼らは資金に乏しい発展途上国こそ、国費投入ではなく、ビジネス原理で解決するソーシャルビジネスで社会の課題を解決する手法が必要だといいます。

私はかつてそれまで勤めていた会社を退職し、自費でフランスのビジネススクールに留学した経験があります。その経験から改めて理解したことは「ビジネスのスクールは、ビジネススクールにはなく、ビジネスの現場にある」ということです。

大学院やいわゆるビジネススクールで社会起業論や分析スキルを学んだからと言って、それで社会の問題を解決できるわけではありません。いくら経営学を学んでも、自分で起業して会社の経営ができるかどうかは別のことです。

同様にいくら老年学(ジェロントロジー)を学んだからと言って、シニアビジネスで社会の課題解決ができるわけではありません。

これまで同様学生には、このコースが終わったら何でもよいので自分で起業しろ、と檄を飛ばそうと思っています。

余談ですが、京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻のオープンキャンパスは、私の事務所のある日本橋ライフサイエンスビルで毎年開催されています。これも何かの縁かもしれません。

 

京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻
成功するシニアビジネスの教科書