アクティブ・エイジングのためのアクション-全ての人の都市デザイン

6月22日 HKIUD Urban Design Conference 2018

香港のシンクタンク、The Hong Kong Institute of Urban Design (HKIUD)主催で、都市デザインに関する国際会議が開催され、私は日本人唯一の基調講演者・パネリストとして登壇することになりました。

香港の高齢化率は2016年現在、15.6%でアジアでは日本に次ぐ第2位。これが2036年には31%になると予想されており、限られた土地に超高層住宅が密集する香港でどのような都市づくりをするのかが大きな課題となっています。

今回私の講演タイトルは「Smart Aging: concept and implementation – Pitfall of age-friendly design based on Japanese Experience」、日本語では「スマート・エイジング:コンセプトと実現-日本の経験に基づくエイジフレンドリーデザインの落とし穴」です。

ここ数年、エイジフレンドリーという言葉が日本だけでなく、多くの国で目につきます。エイジフレンドリー(age-friendly)は、日本では「高齢者にやさしい」と訳されることが多いです。

エイジフレンドリーという言葉が目につく理由の1つとして、WHO(世界保健機関)が提唱するAge-friendly Cities(エイジフレンドリー・シティーズ)の動きが挙げられます。

この動きは「高齢者にやさしい都市」というコンセプトに基づき、定められたガイドラインに従って市民参加型で街づくりを進めるというものです。日本では唯一、秋田市のみがこの動きに参画しています。

しかし、「高齢者にやさしい」ことだけに偏ると陥ってしまう落とし穴があります。講演ではこの点を具体例と共に、日本の経験も踏まえてお話しする予定です。

香港の関係者は日本の経験から学びたいという意欲が強く、これまでも多くの人が来日し、私も何度も香港を訪れており、現地の高齢化対応事情はよく分かっています。

海外での仕事は、日本の優れた点、改善すべき点を見直すよいきっかけをくれます。昨年12月以来の香港で、また新しい気付きを得ようと思います。

HKIUD Urban Design Conference 2018