都市部に住むシニアの食に関する「不」は何か

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大正リポート 20146月号 シニア市場をねらえ 第4回より

「近所にお店がない」が都市部に住むシニアの一番の不便

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都市部では交通網が整備され、食品スーパーも多いだろうと予想されることからシニアにとって住みやすい環境であると考えがちですが、実は様々な「不」が存在し、シニアにとって意外に住みにくい環境になっているのです。

日本政策金融公庫の「消費者動向調査」平成24年(2012年)7月によると、「食に対して一番重要だと考えるものは何ですか」という質問に対して、60代、70代では「健康に良いこと」が一番でした。これに対し、2040代では「価格が安いこと」つまり経済性についての項目がトップでした。

次にシニア世代に「どういう不便があるか」という質問に対しては、一番多かったのが「近所にお店がない」で、次に多かったのが「お米など重いものを運ぶのが大変」、3番目には「一人で買い物に行くのが困難」となりました。これらがシニアの感じている不便なのです。

いま首都圏では、小売店のシニア対応が大変な勢いで進んでいます。このことは4月22日付の日本経済新聞一面トップでも「スーパー、4割小型店に 今年度出店 高齢者取り込み」の見出しで大きく報じられています。

大手総合スーパーが運営する店舗では、店の大きさはコンビニと同規模ですが、販売しているのはスーパーのような生鮮食品が中心です。スーパーの機能をコンビニサイズで実現しているのです。

一方、大手コンビニエンスストアが運営する店舗では、コンビニをスーパーのように展開しています。コンビニなのに、野菜や肉類などの生鮮食品を扱っているのです。また、サンドイッチは通常のコンビニで購入すると250円前後しますが、ここで購入すればサンドイッチの量を通常の半分にしているので100円で購入できます。

都市部に住んでいるシニアが食に求めることは何でしょうか?第1に、生鮮品は価格よりも鮮度が良いこと。第2に、少量でも買えること。最近ではこのニーズに応えるために、卵の4個パックやお米の2合パックのような従来見られなかった容量パックが登場しています。

第3に、家の近くにあること。第4に、重いものを運んでくれること。第5に、買い物の付き添いサービスがあること。第6に、食事の準備が簡単にできる商品があることです。年をとった一人暮らしの男性にとって面倒なことのひとつは食事の準備なのです。

 これらは食品を扱うスーパーだけの話と考えるのではなく、薬局・ドラッグストアでも参考になる点が多くあります。生鮮品を取り扱うことを視野にいれることや、それが難しいのであれば、日用雑貨や医薬品の小包装などの取り扱いを増やすべきです。

その他「重いものを運んでくれること」「購入したものの配達サービス」も充実させるとシニアからの支持を得られるでしょう。

参考:成功するシニアビジネスの教科書

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