地域発のシニアビジネス

スマートシニア・ビジネスレビュー 2005年7月25日 Vol. 72

choshoku最近、講演等で地方のいろいろな所に行き、
地元企業の経営者との意見交換を通じて
新たなビジネスを知る機会が多くなっています。

先日、松山でお会いした(株)三和食品の
今村社長からご紹介いただいた
「朝食宅配」は、その一つです。

サービス内容は、松山市とその周辺地域の
子育て世帯と高齢者世帯とをターゲットとし、
早朝5:00~6:30に担当宅配員が各家庭に、
できたて朝食を宅配。
管理栄養士の栄養計算をベースにした
副菜3品のみ日替わりメニューで提供するもの。

高齢者世帯向けの宅配弁当サービスは、
かなり増えていますが、
朝食の副菜だけに絞ったサービスというのは、
初めて聞いたものでした。

女性の社会進出や夜型生活の人が増え、
朝食を作る時間が取れないのを理由に、
朝食を食べない人が増えています。

また、高齢者世帯でも朝食の宅配希望が
意外に多かったとのことから、
この事業化に踏み切ったとのことです。

管理栄養士が栄養バランスを考え、
毎日のメニューは日替わりで、
毎日飽きのこないおいしさがセールスポイント。
これを一食わずか350円で提供しながら、
事業として成立させているのが素晴らしい。

このビジネス成功の秘訣として、
① 本業の惣菜業でのノウハウを核にしている
② 地元の新鮮で安価な素材をフルに活用している
③ 宅配員として主婦を活用している
④ 受発注業務へITをフルに活用している
ことが挙げられます。

特に②については、
松山周辺の契約農家・自家菜園での
減農薬・有機肥料栽培の野菜を使用し、
高い安全性を確保しながら、
価格も低く抑えることが可能となっています。

また、③では利用者層とは逆の、
子育てが終了した主婦層を中心に
組織化してうまく運営しています。

私の興味を惹いたのは、
「自社の強み」と「地域の強み」を組み合わせて
事業化していることと、
このモデルは他の地域でも適用できそうなことです。

拙著「シニアビジネス」で取り上げた事例に
ミスターハンディマンというのがあります。
これはもともと地域の零細企業が開発したモデルを、
システム商品化のプロがてこ入れをして、
全米のチェーン店に仕上げたものでした。

今回の「朝食宅配」も、これを参考に
システム商品化を進めれば、
全国規模での事業展開の可能性があると思います。

シニアビジネスのシーズには
地域密着のものが多いのです。
これに地域の零細企業では不十分なシステム化、
資本、流通チャネル、PR・マーケティングなどの資源を
提供できる仕組みがあれば、
発展できる余地は大いにあります。

地域企業でビジネスシーズを生み、
全国ネットで商業化する、という
「地域と全国との協働スキーム」が
今後重要になっていくでしょう。

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