シニアシフトの衝撃―超高齢社会をビジネスチャンスに変える方法

平成25年度日本共済協会セミナー 講演録

共済と保険_2014年3月号_表紙1.加速化が止まらないシニアシフトの流れ

 

今、日本中で何が起こっているでしょうか。また、なぜ企業活動のシニアシフトが注目されているのでしょうか。

 

最初に3つ、質問します。1つ目、2011年、赤ちゃん用の紙おむつ市場は1400億円ありました。2012年の大人用紙おむつ市場はどのくらいになったでしょうか。正解は1500億円です(ユニ・チャームの調査によれば1650億円)。日本では子供用の紙おむつよりも大人用の紙おむつ市場のほうが大きいのです。

 

2つ目の質問です。2012年4月、リカちゃん人形ファミリーに新しいキャラクターが登場しました。それは誰でしょうか。正解はおばあちゃんです。初代リカちゃんと遊んでいた女の子が、いまでは孫娘と一緒にリカちゃん人形で遊ぶ時代になったので、おばあちゃんの人形を加えたら、おばあちゃん達が買って売り上げも伸びました。

 

シニアに物を買って欲しかったら、シニアだけでなく、子どもや孫との関係も見なければいけないということです。

 

3つ目の質問、1989年のコンビニのお客さんの50歳以上の割合は9%ですが、2011年にはどうなったでしょうか。正解は30%、12年前の3倍以上です。今のコンビニは一昔前とは変わりました。商品が小口化し、小型でヘルシーなお弁当が増えました。

 

また、1パック130円程度の小口惣菜の品目は、さばの味噌煮、ひじきの煮付けといった年配者向けです。コンビニは一昔前までは若い男性の場所というイメージが強かったですが、すでに現実は変わっています。

 

このような動きがあちこちの産業でおきています。それを私は「シニアシフト」と呼んでいます。このようなシフトは、私たちの人口の年齢構成が変わってきたことが原因です。

 

人口の年齢構成は60数年かけて少しずつ変わってきましたが、多くの企業が高度成長期に収益が最適化するようなモデルを維持してきたので、市場の変化に対応しきれていません。それが、今シニアシフトが注目される理由です。

 

共済と保険_2014年3月号2.市場の見方を誤るな

 

  従来のマス・マーケットと同じアプローチでよいのか

 

60~70代が世帯主の世帯は9割以上の方が自家保有しています。また、正味金融資産(貯蓄から負債を引いた額)も60~70代は圧倒的に持っています。私の試算では60代以上が430兆円ぐらいの正味資産を持っています。

この結構な量の資産のためか、シニア市場にはいくつかの俗説がはびこっています。今日はこの俗説を順番に修正していきたいと思います。

<俗説その1 シニア層は他の年齢層よりお金持ちである>

 

今ほどの話では60~70代が確かに資産を持っている感じがします。しかし世帯主の年齢別の年間所得(キャッシュフロー)では、60~70代の約8割弱の世帯が年間所得400万円以下です。年間所得は、年代別にみますと、50代、40代、30代の次が、60代、70代の順になります。

 

正しい見方は、シニア層は他の年齢層よりも資産は多いが、所得は少ないということです。資産が多いことは、必ずしも消費行動に一致しません。

 

<俗説その2 資産持ちだから、日常消費も多い>

 

世帯当たりの1か月間の実際の消費支出をみてみますと、世帯主年齢別の所得と形がよく似ていて、50代が一番、次が40代、次が60代で、30代、70代となります。

正しい見方は、シニア層の日常消費は、資産ではなくて所得にほぼ比例するということです。

 

<俗説その3 シニア層は消費の仕方がみな同じ>

 

小売業や流通業は、長い間、16歳から54歳までをファミリー層、それより上の年齢層は全部シニア層だと見ていました。しかし、そのように一括りにすると間違えます。

50代、60代、70代と年代が上がるにつれ、消費支出の全体はだんだん減ってきます。しかし、内訳では増減があります。まず、子どもが学校を終えるので教育費が減り、被服履物費、教育娯楽費も減ります。食費は、食が細くなり、家族構成も変わり減りますが、割合は増え、食費の重要性は増します。

 

金額が増えるのは保健医療費です。住み替えをせずに今まで住んでいた家にずっと住み続けるというパターンが多いので住居費、光熱水道費はあまり変わりません。家具・家事用品は、リフォーム需要により60代で増え、70代で減ります。

 

正しい見方その3、シニア層でも年代が変われば消費の仕方が異なります。当たり前のことですが、業界慣習で55歳以上や60歳以上で区切ってマーケットを考えているところが多くあります。

 

<俗説その4、シニア層の消費は年齢で決まる>

 

シニアに限りませんが、私たちが物を買ったりするときは、何かの状態が変化したときです。

 

例えば、歳を取ると身体が変化します。50~60代の女性に最近の体調や体型の変化で気になることをと尋ねると、「体力が衰えた」と答えます。しかし、50代は「肌の衰え」が気になる、60代は「関節痛」との回答が多いのです。身体の変化は年代によって特徴があり、それが消費に影響を及ぼします。

 

さらに、本人のライフステージが変わることでも消費が変わります。典型的なものは退職です。退職して具体的に何をしたか、圧倒的に多いのが「夫婦で旅行」、次は「散歩、ジョギング、ラジオ体操」「家のリフォーム」「保険の加入見直し」「株やファンドの購入」「家族で旅行」などいろいろです。

 

退職した直後の共通点は、ラジオ体操を除くと、比較的高額商品が消費されます。退職というライフステージの変化がきっかけとなって起きる消費行動では、健康維持、老後準備、趣味自分探しの3つが主です。

 

皆さんの業界に一番関係する「共済・保険の見直し」がありますので、顧客がいつ退職するか誕生日を押さえておくことはかなり重要です。

 

さらに、家族のライフステージが変化しても消費は変わります。あるアンケートで「5年前と比べて自分の時間が増えたと思いますか」と50~60代の女性に尋ねました。ご主人がすでに退職している人では、「増えた」と回答している方が半数近くいますが、3割は減ったと答えています。

 

退職したご主人の6割は自宅引きこもり派なので、奥さんの自由時間が増えるとは限らないのです。そして「お願いだから、お昼だけは外で食べて頂戴」という約束をする夫婦も多いです。これをマーケットで見ると、例えば「中食(外食と内食の間)」のマーケットが、こういう世代に対して伸びています。

 

正しい見方その4、シニア層の消費はシニア層特有の変化で決まります。年齢ごとに区分けするのではなく、消費行動の背景にある変化で整理することが大事です。

 

<俗説その5 人数の多いシニア市場はマス・マーケット>

 

シニアは人数が多く、これからも増えます。しかし、変化の要因が若い人たちよりも多く、要因の重みづけも場合によって異なります。正しい見方は、シニアのマーケットは、人数は多いが新しい価値観で括られる多様なミクロ市場の集合体ということです。

 

特に共済や保険の業界は大変です。今までは同じ商品を売れば良かったのに、みんな条件がばらばらになってきていますから、細かく考えなければいけなくなりました。

 

<俗説その6 シニア市場は退職男性の市場だ>

 

団塊世代より上の年齢層では女性が多く、正しい見方は、シニア市場は女性主導の市場です。男性を無視しているわけではないのですが、女性が何を欲しがっているか考えると、ビジネスチャンスを見つけやすい。特に退職後の男性は、女性の行動に影響されやすい傾向もあります。

 

  シニアの消費行動に影響を及ぼすものは何か

 

世代特有の嗜好性が消費行動に影響を及ぼす、団塊シニアはそれまでのシニアと異なるといわれます。

商品提供側が命名する○○世代という区分けでは消費行動は見えません。消費行動に関わるものは世代原体験だからです。

 

世代特有の志向性が消費に結びつく例では、40代を過ぎると「ノスタルジー消費」が起きやすくなります。50代を過ぎると「時間解放型消費(自己復活消費)」が起きます。例えば、音楽バンド、社交ダンス、絵画など、若い頃にやっていたことをもう一回やりたいという自分を取り戻すための消費です。

 

また、若い頃やりたかったけれどお金や機会がなくてできなかった、今だからやりたいという「夢実現消費」があります。高級オーディオ、プラモデル、クルーズなど、経済的に余裕ができたことで生まれてくるものです。

 

ただし、世代特有の嗜好性だけで消費行動が決まるわけではありません。シニアのマーケットを考える時には世代特有の嗜好性だけにとらわれず、いろいろな変化を注意深く見るべきです。

 

3.消費者の変化を見誤るなネット利用率の変化-

 

消費者は、ネット利用率の変化に伴い、どんどん変化しています。過去11年間のネット利用率の年齢ごとの変化で、一番変わったのは50代よりの上の層です。20年後には、70~80代でも半分ぐらいの方がネットを使う時代になります。

 

ネットを使う人が増えて市場の情報化が進み、いろいろなマーケットが大きく変わりました。特にドラスティックに変わったのが、有料老人ホームのマーケットです。2000年の公的介護保険制度導入から件数が増え、最近はサービス付高齢者住宅が急激に増えていますが、売れないものも増えています。潜在入居者が様々な情報を入手できるようになり、簡単に買わなくなった結果、ドラスティックな価格破壊が起きました。

 

14年前に「スマートシニアがこれから増える」と私が予言したとおり、情報武装をする高齢者が増えました。その結果、市場が買い手市場になり、従来の売り手の論理は通用しない領域が増えてきています。

 

4.身近な「不」に目を向けよ:「不安・不満・不便」が有望市場の裏返し

 

      シニアの三大不安

マーケットが変わっている、変わり続けるということを念頭に置いて、どうやって事業にしたらよいかという話をこれからします。

 

身近な「不」-不安、不満、不便-に目を向けることです。シニアの三大不安は、健康不安、経済不安、孤独不安です。この3つの解消がビジネスになりやすいのですが、あまりに当たり前がゆえに、真っ向勝負では難しいのです。

 

      飽和市場の隣

健康不安の解消の場合は、楽しく、気軽に解消するというのがカギになります。私が10年ぐらい前に初めて日本に持ち込んだ「カーブス」を紹介します。当時から、フィットネス市場は飽和市場だと言われていました。「カーブス」がうけた理由は、買い物の行き帰りに30分で全部できるほど「早い」こと。

 

そして、スポーツジムの会費より安いことです。安くできた理由は、フィットネスの三種の神器であるプール・スタジオ・ジムがないため。シャワーを作らない、派閥ができないように敢えて飲食スペースも作らないといった成果に不要な要素をそぎ落とした結果、設備投資が少なく、賃料の安い空中店舗でも可能ということになり、会費を安くできたのです。

 

また、中高年女性にうけた理由として、「3 No M」(ノーメン(男性がいない)、ノーメイクアップ、ノーミラー)や自宅のそばで買い物や通勤の行き帰りに寄れ、緩やかな友達ができやすい、続けやすい環境というのもあります。

 

8年前のゼロから、2013年末には1393店舗、会員数は61万人を超えました。顧客の8割以上が40代女性、平均年齢は59歳です。この顧客層は健康維持をしたいので、ロイヤリティは高く、一度気に入るとなかなかやめません。そういう意味で、きちんと打つべき手を打てば、シニアビジネスは良いビジネスになります。

 

スポーツジムは市場が飽和して見えますが、辞めた人や行かない人にはいろいろな不満がありました。その不満をモグラ叩きのように潰していったら、中高年女性に優しいフィットネスという、全く新しい市場ができたのです。ジムに全く縁のなかった人たちが来るようになったからです。

 

スーパー、コンビニなどで使われているPOSをご存知ですね。この瞬間に何が売れて、何が売れていないのかがわかりますが、POSのデータだけ見ていても、なぜ売れないのかは教えてくれません。シニアの場合はニーズが多様なので、一つの商品で全員のニーズを満足できることはなく、実はこの売れなかった商品にこそ、次の事業機会が隠れているケースが非常に多いのです。

 

市場が飽和しているのではなく、飽和しているのは私たちの頭の中であり、ものの見方です。ある特定の業界で長く仕事をすればするほど、先入観や思い込みで思考が飽和しがちです。だからこそ、全然違う視点での発想転換が必要になります。

 

成功秘訣その1は、飽和市場があるのなら、その周辺をよく見て、新しい「不」を見つけることが大事です。ビジネスチャンスは実は私たちの中にあります。

 

  ミクロ市場の集合体とスタイル

 

次は携帯電話の話です。2006年頃まで60代以上の方はあまり携帯を使っていませんした。ほとんどの携帯は多機能で文字が小さい若者向け仕様で、シニアには操作が不便でした。

 

そこで誕生したのが、ボタンが大きく見やすい、世界初のシニア向け携帯、らくらくホンです。これは使いやすいというので、そこそこ売れましたが、初期のデザインでは嫌だという人もたくさんいました。

 

よく調べると、60歳以上の携帯電話に対するニーズは実に細かく分かれていることがわかりました。こうした分析に基づき、ポイントを絞った次の世代のらくらくホンを商品化しました。機能はそのまま、デザインをスタイリッシュにし、コマーシャルも変えた結果、爆発的に売れました。

 

秘訣の二つ目、シニア市場はミクロ市場の集合体ですから、皆さんが売っている商品のミクロ市場をきちんと定義しましょうということです。

 

皆さんの場合は、保険商品、共済です。すでに相当細かくされていると思いますが、新しい軸でもう一度切り直してください。そうするとこれまで見落としていた意外なセグメントがあったりすることに気がつくと思います。

 

そして、秘訣3つ目、歳をとってもファッションセンスは変わりません。髪の毛がなくなっても青春なのです。だから、商品は機能だけではだめで、スタイルにこだわらないといけない。例えば、福祉用具の杖や車いすなどももっとそういうことが求められると思います。

 

  カスタマイズ

 

さらにもう1つの「不」に、認知症不安があります。私の所属している東北大学加齢医学研究所では脳の研究をしています。脳の中の前頭前野はコミュニケーションをしたり意思決定をしたりするときに重要な機能を果たすのですが、認知症になるとほとんど働いていません。認知症になった方の前頭前野を働かせるためにはどうすればよいのかを研究しました。

 

その結果、音読、手書き、簡単な計算をすると、前頭前野を中心に脳のいろいろなところが活性化することがわかりました。

 

これをいろいろ応用したのが、ニンテンドー「大人のDSトレーニング」で、「脳トレ」ブームを巻き起こし、世界的な大ヒットになりました。それまでゲームは子どものものだと思われていたのが、大人でも楽しめると年配の方が買いました。

 

脳の認知能力は同じ年齢でも1人ひとり違います。そこで、ゲームをしながら、その人にとってちょうどよい問題を、ソフトウェアがセットするようにしているのが特徴です。たった1つのマシンとソフトですが、いろいろな人のニーズに対応できるのがカギなのです。

 

秘訣その4、同じ年齢層でも1人ひとり能力や生活背景が違います。1人ひとりにあわせた商品を作るのは難しいですが、レベルに応じたカスタマイズをソフトの力で省力化することが大事です。ある程度ロジックは決まっていますが、最近のネットで申し込む保険商品などもこういう傾向があります。

 

  今後有望なシニア市場

 

ユーザー側が変化しているにもかかわらず、旧態依然とした「不」が多い市場です。例えば、補聴器。高額で、かつ性能のよいものは余計なノイズを拾ってしまうので頭が痛くなるというのです。ここはまだ「不」が多いマーケットです。テレビなどのリモコンは、字が小さく設定が面倒で、マニュアルが読みにくいです。携帯電話のマニュアルも同じです。また枚数が増えるだけのポイントカードなど身近にはまだ「不」がたくさんあり、これらに最初に対応すればビジネスになる可能性はあります。

 

日本の製造業の場合の強みは、物づくりのきめの細かく、品質管理が行き届いていることです。しかし、弱みは、技術を過信し、良いものをつくれば売れると、買い手の目線が欠如している場合が多いことです。買い手の目線をよく理解している異業種企業、あるいは自社においては女性参加型の商品開発は有望です。女性の視点で見直したら、いくらでもチャンスが出てきます。

 

5.「3つのE」を商品に組み込め:もっとシニアの消費を促す別のアプローチ

-中高年特有の心理変化-

 

高齢者層は若年層に比べて正味金融資産が多いのに、日常消費は倹約気味といいましたが、時にタンス預金使うことがあります。

 

アメリカの心理学者のコーエン氏が、概ね45歳を過ぎると心理的な発達は4つぐらいの段階に分かれ、そのうちの2番目を「解放段階」と言っています。この段階になると、いろいろな行動上の特徴がでて、例えば一種の変身願望が出てきます。

 

60歳前後になると身体の変化で、脳の潜在能力は高まって、内的なエネルギーが出てきます。そして、退職、子育て終了などの区切りと相まって、何か新しいことをやりたい、今やるしかないという気持ちになる人が増えきます。これが消費に向かうことがあり、先ほど話した「解放型消費」になります。

 

そして、そのきっかけになるのが「3つのE」、「Excited、わくわくする」「Engaged、当事者になる、関与する」「Encouraged、元気になる、勇気づけられる」です。

 

  わくわくする

「何かを始めたい」「リセットしたい」「変わりたい」「今だから学びたい」といったニーズを満たした50~60代の女性向けの滞在型旅行や、クルーズトレインの「ななつ星」の旅などは高額ですが、わくわくする気持ちを満たす消費です。これらにお金持ちでない普通の主婦が参加しています。主婦はたまごを買う時はどこの店が10円安いと言って買いますが、こういう消費の形態もあります。

 

  当事者になる

クラブツーリズムという会社にエコースタッフという制度があります。顧客だった人が近隣にクラブツーリズムの無料の冊子を配り、少額のお小遣いが支払われるというしくみですが、結果として、仲間が広がり、たまったお小遣いで、エコースタッフ同士でクラブツーリズムを使ってまた旅行に行くことに繋がっています。会社としてはメリットがありますが、このお陰で、この人たちも大喜びで生き生きとしています。

 

少しだけ関与して、少し責任を持って当事者のような立場になると、一生懸命やり、楽しめます。そしておもしろいのは、旅行に行くと貯まったお金以上に使う傾向があります。

 

  元気になる

先ほどカーブスの話をしました。カーブスで、筋トレと有酸素運動を3か月も続けるとほとんどの方は痩せてきます。女性の方は痩せたら洋服を買い、旅行に行きたくなります。さらに服だけではなく、靴もカバンもとあれやこれや買います。

 

つまり、身体が元気になると新たな消費が生まれるということです。健康になっていくということは、医療費、介護費は減っていきます。不健康になって、要介護でお世話になるときもありますが、できれば元気でいて、旅行に行って、好きな服を買って、美味しいものを食べているほうが楽しいのではないでしょうか。

 

3つのE、わくわくする、当事者になる、元気になる。ぜひ、これをキーワードにして新しい共済サービスを考えてみてください。

 

6.2025年、シニアの消費行動はどうなるか?

 

2025年になると、団塊世代の一番若い人が75歳を過ぎ、後期高齢者になります。後期高齢者になると、受療率も要介護認定率も上昇し、認知症出現率も倍々で増えていきます。

 

その頃83歳の人は4割以上の方が寝たきりになる可能性がありますが、今まで話したように半分以上がネットを使えます。ということは、通販の役割が飛躍的に高まるということです。そして、自分は要介護状態になりたくないという人も増え、予防市場が飛躍的に拡大します。

 

では、保険や共済における予防市場とは、どういうものがあるでしょうか。

 

一つは、シニアはキャッシュプアですからキャッシュフローを増やす、高齢者住宅建設のための資金融資やリバース・モーゲージのようなものはどうでしょうか。

 

二つ目は、要介護度が改善したら保険料が安くなる介護保障です。ぜひ検討していただきたい。ご存知のように、いまの介護保険制度は、要介護度が上がれば保険報酬が上がるため、事業者には要介護度を下げるインセンティブが働きにくい。行政特区を作って実験しているところがありますが、これを民間ベースで先にやってみたらどうかという提案です。

7.これから世界中で起こるシニアシフト

 

ここまでお話しした内容は、日本だけではなく今後世界中で起きます。日本は高齢化率25%で、世界一です。アジアでは日本以外では、香港、韓国、シンガポール、タイと続きます。中長期的には中国、インドが高齢化していきます。

 

高齢化というのは地理的に横に広がって、全世界でみると、2030年までにアフリカの大半を除いたところが高齢化率8%以上の「高齢化社会」になります。

 

私はシニアビジネスの分野で、日本が世界のリーダーになれると思っています。この市場は多様性が強いので、きめ細かい対応力が必要ですから、日本人に合っているのです。新興国が高齢化したら、日本で練り上げたものを提供していく。これを私は「タイムマシン経営」と呼んでいます。こう考えると、シニアビジネスは100年ぐらいはやっていけそうだという感じがしています。

 

ご静聴ありがとうございました。

 

 

参考文献:シニアシフトの衝撃

 

あわせて読みたい関連記事

タグ


このページの先頭へ

イメージ画像