香港アクティブ・エイジング国際シンポジウムで基調講演します

7月3日 International Symposium on Active Ageing

IAASympo私がアドバイザーを務める香港理工大学アクティブ・エイジング研究所の設立5周年を記念して開催される国際シンポジウムで基調講演者にお招きをいただきました。このシンポジウムは、3日・4日に開催のSenior Expo Asiaのイベントの一つです。

講演のタイトルは、Smart Ageing: A Strategy for the Super-Aged Society(スマート・エイジング:超高齢社会における戦略)です。

昨年は民主化運動でゆらいだ香港ですが、もう一つのゆらぎは少子高齢化です。アジアで日本に次いで高齢化率が高いのが、実は香港です。

とは言っても、日本の25%に対して、香港は14%。日本に比べるとまだまだ若い国に見えます。ところが、今後10年で急速に高齢化が進むことが予想されています。その理由は日本以上に深刻な少子化です。出生率は日本よりも低い1.02程度で、結婚しない若者が大勢います。

香港では男性が結婚するためには家(多くの人がマンション)を自己保有しているのが条件という風習があります。土地面積が限られ、人口密度が高い香港では家の価格も高く、独身男性が家を自己保有するのは、年々敷居が高くなっています。このために、家を自己保有できない→結婚できないという男性が増えています

一方、女性も結婚して苦労するより、独り身でいた方が気楽で済むと思う人の割合が増えています。こうした傾向は、都市型地域では共通に見られ、シンガポール、ソウル、台北などでも似たような状況です。

このような背景から、社会の高齢化に対応した解決策に対する関心が年々高まっており、特に日本に対しては都市部との共通点が多いため関心が高くなっています

香港理工大学は、香港の繁華街に近い都市型大学で、香港の大学の中でも新しい方です。そのために、既存の枠組みにとらわれない学問体系が多く、学生の人気も年々高まっています。

アクティブ・エイジング研究所は、学際的な活動が盛んで、一般市民が参加する講座も運営するなど私のいる東北大学スマート・エイジング国際共同研究センターとの共通点が多いところです。

明るくて陽気な香港の人たちと会うとこちらも元気になるので、香港行はいつも本当に楽しみです。

香港理工大学主催国際シンポジウムのサイト
基調講演者の紹介