高額商品でもシニアが繰り返し買う理由とは?

高齢者住宅新聞連載 村田裕之の「シニアビジネス相談室」第19回

以前、本紙連載で「シニアの高額商品購入動機」の例としてJR九州のクルーズトレイン「ななつ星in九州」を取り上げました。

料金は、例えば2019年3月19日出発分「ななつ星in九州3泊4日春~夏コース」の場合、2名一室で1人当たり72.5万~95万円、1名一室で122.5万~155万円とかなり高価ですが、約半年前の発売でも毎回即完売。主な購入者は60歳代が中心です。

これだけの高額ツアーをこの年齢層が買う理由として「解放段階」と呼ぶ心理発達段階に達していることを挙げました。つまり、この段階には脳の潜在能力が発達し、新たな活動や役割に挑戦するエネルギーが湧きやすくなっていること。もう一つは退職や子育て終了、親の介護の終了などライフステージが変わりやすいことです。

これらがきっかけで心理面の変化が起きやすくなり「もう人生長くないのだから自分のやりたいことをやろう」という気持ちが新たな行動を後押します。その結果、富裕層でなくても、列車が大好きで「これを逃したら二度と乗れない」と思えば、へそくりをはたいてでも参加するのです。

脳の「報酬系」の活性化がカギ

実は、このように「半年後に念願の『ななつ星in九州』に行くと決めて、既にチケットも予約してあり、その日が来るのを待っている時」、つまり「嬉しい出来事が確実に起きると予想された時」には、脳内の「報酬系」と呼ばれる神経系が活性化することがわかっています。

こういう時には脳内に「ドーパミン」と呼ばれる神経伝達物質が放出され、「わくわく感」を感じてモチベーションが上がります。そして、旅行に行って嬉しい出来事を満喫すると、その達成感でさらにドーパミンが放出されます。

こうした感覚を一度体験すると、さらにこの「わくわく感」を求めて次の嬉しい出来事を設定したくなります。「ななつ星in九州」や豪華クルーズのような高額商品にリピーターが多いのはこれが理由です。

もちろん、高額に見合う満足感が得られることが前提ですが、参加者が「報酬系」をいかに活性化するか、その支援をできるかがカギです。

成功するシニアビジネスの教科書
高齢者住宅新聞

あわせて読みたい関連記事

タグ


このページの先頭へ

イメージ画像