〝多様でミクロな集合体〞団塊シニアには新しい価値でくくる

20111226日 くらしHOWマガジン Vol.6 インタビュー

くらしHOW_Vol.06_1201_2「2007年を境に多くのシニアビジネスが立ち消えたのは、なぜか? シニア市場はきちんと理解しないと火傷する」と語るのは、シニアビジネスの専門家・村田裕之氏。その極意とは…。

 

人口のボリュームゾーンで、資産がある、時間がある、元気もある、ということですぐ、団塊シニア層をねらえ、となるわけですが、そんなに単純ではありません。多くのシニアの資産実態は「ストックリッチ、フロープア」。いざというときのお金は蓄えていますが、無駄なものには出費をしない倹約志向。退職して収入がなくなる年金生活、しかもその年金もか細くなっていくとなれば、ありとあらゆる出費に敏感になる。現役世代にはわからない感覚です。

 

シニアの消費を促す5つの変化に注目せよ

 

こんな市場をどう見るかですが、〝モノが売れるときは買う側に変化があるとき〞です。シニアの消費を促す要因には、上の表のような5つの変化があります。加齢による肉体の変化には個人差があるように、本人、家族のライフステージの変化も、定年後も働いているか、子供が独立しているのか、親の介護は必要かどうかなどで、消費行動は大きく変わってきます。人によってタイミングが違い、バラつきがあるわけです。このようにシニアの消費行動を決定する要因が多様なため、結果として消費行動も多様化しています。団塊シニアは〝多様なミクロ市場の集合体〞、昔のように、○歳で年収○千万円以上といった単一条件でくくれなくなってきているのです。

健康、経済、孤独 3大不安の解消が基本

この層をターゲットにうまくビジネスを展開していくためには、多様な人たちをくくる、新しい価値観、切り口が必要です。しかし、その切り口の基本は、健康不安、経済不安、孤独不安、の解消です。うまくいっているシニアビジネスは、これらを軸に多くの工夫がなされています。

健康不安は誰もが解消したい。そのためには筋力トレーニングや有酸素運動などが有効ですが、問題はいかにしてこれらを継続できるかです。人間、年をとればとるほど、面倒臭いことや、やりたくないことを避ける傾向が強まります。だから、これらには楽しく継続したくなる工夫が必要です。

孤独不安の解消は、高齢者向けには話し相手サービスなどもありますが、まだ元気な団塊シニア層には、他人の役に立つ機会の提供が、社会的孤立を防ぐ意味でも有効でしょう。わずかでもお金をもらって仕事をすることで、経済不安の改善に多少なりますし、社会と繋がっている感覚をもつこともできます。現役時代と違って、嫌でも我慢して生活のために働くのではなく、重い責任を負わず、楽しくてちょっとお小遣いが入る、そんな機会創出が事業機会になるでしょう。健康、経済、孤独の3大不安は決してバラバラではなく互いにリンクしています。これを踏まえて新しい価値の切り口を見出すことが、シニアビジネス成功のカギです。

 

参考:団塊・シニアビジネスの基本

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