高齢化先進国・日本で商品・サービスに磨きをかければ市場は世界に広がる

経済界10月30日号 特集「アクティブシニア」市場を攻略せよ

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経営者向けの経済誌「経済界」1030日号特集「アクティブシニア」市場を攻略せよ、の総論に私へのインタビュー記事が掲載されました。

 

インタビューでも述べていますが、10年前に比べると本当にいろいろな企業によるシニアビジネスの取り組みが増えたことを感じます。以下はインタビュー記事の内容です。


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日本は人口の3分の1が60歳以上という超高齢化時代を迎えており、日本人の平均寿命は女性8590歳、男性7944歳で世界のトップグループにいる。

 

だが一般的に高齢者といわれる65歳以上でも、これまでと今後では様相を異にすると見られている。終戦直後の1947年~49年に生まれた全国700万人の「団塊世代」が定年を迎え始め、ビジネスシーンにも様々な影響を与えようとしているからだ。

 

ご存知の通り団塊世代は、高度成長期の大量消費を経験し、様々なブームやヒット商品を生み出してきた。60年代のアイビールックや70年代のアンノン族、80年代のニューファミリーを形成してきたのもこの世代だ。

 

こうした世代がリタイアするのに伴い、従来の高齢者のイメージとは異なる高齢者社会が到来するとみられている。アクティブシニアと呼ばれるこうした世代の好みをつかめるかが、今後のビジネスの成否を左右していくだろう。

 

我が国シニアビジネス分野のパイオニア、村田アソシエイツ代表の村田裕之氏に現状と今後を語っていただいた。

 

  ※ ※

 

シニアビジネスに取り組む企業は、10年前に比べると増えてきています。2007年問題(※)で騒いでいた5年前に比べると、皆さん本腰が入って来た。特に去年、今年は百貨店、スーパー、コンビニなどの小売業がシニア市場に本気で力を入れてきています。

 

以前からシニアビジネスで成果を上げているところの例としては、先ごろ近畿日本ツーリストと経営統合することになったクラブツーリズムがその代表。顧客数約700万人、300万世帯で、主要顧客は60代です。中高年女性を対象にしたスポーツクラブのカーブスも会員数50万人、店舗数も1200になろうとしています。

 

シニア市場はきめ細かさが必要で、多少手がかかります。このため直ぐに成果が上げられないと諦めてしまうケースも多いでしょう。しかし、累計2200万台を販売したNTTドコモの「らくらくホン」も99年の事業開始後2年間はほとんど売れなかった。すぐに諦めないことが成功のための必要条件です。

 

一方で、5年前にも団塊世代が60歳になってたくさん退職金を手にし、いわゆる退職者市場が出来ると言われたことがありますが、実際はそうならなかった。かなりの方々が働き続けたからです。

 

しかし、その団塊世代もいよいよ65歳を迎え、今度こそ退職だと。だがこれも正しくありません。先行き不透明感が強まり、働けるうちは働き続けたい人が増えているからです。ただし、主たる収入は年金ですから、サイフのヒモは堅くなる。とはいえ、ここ一番のときには消費します。

 

シニアビジネスの動向を見ていて、10年ほど前までの米国は、手本となるようなビジネスモデルがいろいろありました。ところが昨今は日本のほうが面白いものが多い。日本の方が高齢化が進み、企業の取り組みが本気になってきたから。米国は移民も多く、高齢化率が12・5%ほどとまだ日本の半分くらいだからです。

 

私が籍を置く東北大学スマート・エイジング国際共同研究センターが開発した「学習療法」は認知症の改善に有効で、今や米国でも効果が認められ、注目を集めています。脳科学での発見をもとに、子供向け教育の「公文」の運営ノウハウを高齢者にも応用したものです。

 

また幼児用、大人用おむつで国内トップのユニ・チャームの展開も参考になるでしょう。日本で培ったノウハウは、新興国でもしっかり活かせるからです。

 

日本はお金を持っているのもシニア、人口のボリュームが多いのもシニア。この高齢化先進国・日本で商品・サービスに磨きを掛ければ、今後高齢化が進む新興国に打って出ることも可能です。高齢化は時差があるからです。

 

※:07年における団塊の世代の一斉退職に伴い、発生が予想された問題。

  

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