「不」の解消 ビジネスに: 加速するシニアシフト

201348日 下野新聞 特集 銀の靴を探して

shimotsuke_shimbun介護保険制度が始まる半年前の1999年秋、「アクティブシニア」という言葉をつくった。介護を必要とせず、自立して元気に活動できる高齢者が8割おり、今後伸びそうな市場だと気付いた。

 

2000年代のシニア向けビジネスで目立ったのは旅行や化粧品、有料老人ホームなど。団塊の世代が60歳となった2007年にも注目を集めたが、急激な変化は起こらなかった。

 

企業活動のシニアシフトが起きたのは11年ごろ。だれもが日本は高齢社会であることを実感したからだ。スーパーやコンビニなど小売業界が動き、宅配サービスや店舗の小型化を始めた。カラオケやゲームセンターでもシニアの利用が増えている。

 

60歳以上の消費は100兆円とされるが、実際は77兆円と試算している。シニア市場は多様なミクロ市場の集合体。家族構成もライフスタイルも違うので、従来の大量生産大量消費のマス・マーケティングは通用しない。

 

シニア市場のへそは、不安や不満、不便など「不」の解消だ。シニアには健康、経済、孤独の三つの不安がある。例えば、健康不安はスポーツクラブ、経済不安は株、孤独不安は喫茶店やカラオケなどの「場所」で解消できる。身近な「不」を発見し、新しい商品・サービスを投入すれば、ビジネスになりやすい。

 

しかし、高齢者向け、団塊向けとラベリングすると売れない。「モノ」を売る場合、効能を強調すべきだ。老眼鏡はシニアグラスと呼ばれ、つえや車いす、サポーターもおしゃれになっており、身体の衰えを上品にかっこよく隠すのも鍵となる。

 

モノではない「コト消費」では、時間を消費しながら、モノを消費してもらうのが重要。カフェやラウンジは長時間滞在するだけで、お金を落とさない。スーパー銭湯のように、一つの消費が次の消費を促すような 「連結連鎖型」にすべきだ。

 

世界中が高齢化しているいま、日本が切磋琢磨すれば、海外でもシニアビジネスを展開できる。

 

シニアシフトの衝撃


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