現地に行って初めてわかる、メディアでは報道されないこと

ちょっと一息 20131117

1台風被害に遭ったフィリピンのレイテ島のニュースが連日のように報道されています。通信技術の発達で、テレビやネットを通じて遠い国での様子が映像でほぼリアルタイムに伝えられるようになりました。

 

←写真1 香港を代表するような景観



しかし、そうした情報は実際の現地の何百分の1以下であり、現地に行ってみるとメディアの報道で作られるイメージと異なることが多いものです。

 

昨日FBにアップした香港のヴィクトリア・ピークの様子も同じです。香港の風景として通常頻繁に伝えられるのは写真1のようなアングルです。ところが、現地に行くと、写真2のような、まったく予想外の風景が存在していました。

 

その予想外だった風景とは・・・山の中腹から山頂近くまで林立している超高層マンション群です。
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←写真2 山間部に林立する超高層マンション群


私はこのような風景を日本では見たことがありません。日本では景観保護の観点から、山間部に超高層マンションを建築することは恐らくできないでしょう。最近では当たり前になったランドスケープ・デザインのかけらも見られません。

 

しかし、香港では事情が異なる。その最大の理由は、もともとこの山間部、つまりヴィクトリア・ピーク周辺は、英国人を中心とした西洋人のみが住むことのできる住宅地として開発されたからなのです。

 

香港市街(当時ヴィクトリア市と呼ばれた)の亜熱帯の蒸し暑さに比べると山頂は幾分涼しく過ごしやすかったという理由もありますが、真の理由は香港人に対する人種的・社会的隔離のためだったのです。

 

こうした歴史的背景のために、いまでもヴィクトリア・ピーク周辺は高級住宅地としての位置づけが変わっていません。興味深いのは、邸宅の正面玄関に向かう道(写真3)とは別に、傾斜地に勝手口が必ずもうけられていることです(写真4)。つまり、地元民は正面玄関からは入れなかった。これも英国植民地統治時代の名残です。

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←写真3 邸宅の正面玄関に向かう道

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←写真4 傾斜地に設けられている勝手口


こうした地理・地形・住宅の特徴は、歴史と重ね合わせて初めてその意味が見えてくるもので、現地に行って初めてわかることなのです。そもそも今回ヴィクトリア・ピークを訪れたのは、普段めったにしない観光のためだったのですが、思わぬところでよい勉強になりました。

 

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