知縁型商品が退職者に受ける

高齢者住宅新聞連載 村田裕之の「シニアビジネス相談室」第16回

退職後の生活では「知縁」が重要

「知縁(ちえん)」という言葉は「知的好奇心が結ぶ縁」という意味で、2002年に私が日本経済新聞への寄稿で提唱したものです。

縁には順番があります。1番目の縁は「血縁」、家族・親族の縁です。2番目は「地縁」、住んだことのある場所の縁です。3番目は「社縁」もしくは「職縁」で、会社・仕事関係の縁です。

私は、退職後の人生では4番目の縁である「知縁」がとても大切になると考えています。

現代は核家族が多いので、親族のつながり(血縁)が弱くなっています。男性サラリーマンの多くは、現役時代は会社と家の往復で過ごします。その結果、地域とのつながり(地縁)は薄く、会社とのつながり(社縁)が一番濃くなりますが、退職後は次第に薄れてきます。

そこで、「知縁」という知的好奇心で結ばれた関係がますます重要になってくるのです。それを商品販売やサービス提供に応用できます。

テーマ型旅行は知縁型商品の代表

クラブツーリズムのテーマ型旅行知縁型商品の代表です。同社のスタートは、旅行会社のユーザーを対象に「クラブ1000構想」、つまり、様々なテーマごとのクラブを1000つくり、顧客を囲い込むという考え方から生まれた会社です。

初期には実際のクラブを多く誕生させましたが、現在は約300種類のテーマ型旅行の販売という形に変わっています。

この旅行商品のポイントは、あるテーマを打ち出すと、それに対して興味を持った人たちが集まってくることです。興味を同じくする人たちが集まるので、共通の話題が多く、話もしやすい雰囲気になります。

食事を一緒にすれば、当然盛り上がりやすい。親しさが湧くことで、「また一緒に行きたいね」となるわけです。そのような流れで、リピーターが増えていきます。

さらに、顧客が「こんな旅がしてみたい」という希望を取り入れると商品化しやすい面もあります。知縁型商品はサービスの使い手と担い手との共同作業の側面もあります。

成功するシニアビジネスの教科書
第8章 いかにしてシニア「個客」をあなたの「顧客」にするか?
――重要なのは「お金の報酬」より「心の報酬」

高齢者住宅新聞

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