「親が70歳を過ぎたら読む本」上梓に際して

スマートシニア・ビジネスレビュー 2011年2月10日 Vol.148

2月12日に久しぶりに新著を上梓することになりました。

タイトルは「親が70歳を過ぎたら読む本」。
「相続・認知症・老人ホーム・・・について知っておきたいこと」
というサブタイトルがついています。

今回はこの場をお借りして、なぜ、私がこの本を書こうと思ったのかをお話します。

私は縁あって、これまで中高年向けの事業開発の仕事に
携わってきたため、多くの中高年・高齢者の方と
接する機会がありました。

私は、こうした機会を通じて、人間は年を取るにつれて
若い頃には予想もしなかったさまざまな問題に遭遇し、
トラブルになっていくことを目の当たりにしてきました。
年少者には、年長者に起こりうる出来事が
想像できないのです。

一方、私は、これまで仕事上の理由で
「高齢期の親に関わる諸問題」について
比較的多くのことを知る立場にありました。

このため、こうしたトラブルは事前に手を打っておけば、
ある程度予防できることを知りました。
また、仮にトラブルが起こっても、それによるダメージを
減らす方法があることも学びました。

私の知人は、近年認知症になった母親に翻弄されています。
「医者の診断ではアルツハイマー型認知症というそうで、
一番始末におえないそうです」と言っていました。

しかし、最近の研究では、
たとえアルツハイマー型認知症が発症したとしても、
必ずしも始末におえないわけではありません。

たとえば、学習療法という対認知症療法があり、
すでにのべ14,000人の認知症の方が取り組んでおり、
アルツハイマー型認知症と診断された方でも、
その療法によって症状が大きく改善した例が
たくさんあるのです。

こういう話を知人にすると、
「そんな方法があったのですか、知りませんでした」
という言葉がよく返ってきます。

この知人のように、40代、50代の現役世代の人は、
仕事で忙しいうえ、一般にこれらの諸問題についての
知識や理解が乏しいのが現状です。

そして、自分の親に何かがあって、
初めてその対処に着手する人がほとんどと言っても
過言ではありません。

かく言う私もそうでした。

83歳の母が昨年の春に脳梗塞で倒れて入院しました。
それまで私は、仕事上、高齢者の認知症改善・予防の
普及活動に関わっていながら、
自分の親は幸い元気だったためか、
親の介護のことは、どこか他人事のように思っていました。

しかし、実際に自分の肉親が当事者になったことで、
初めて私自身も当事者となり、
老親に関わることが他人事ではなくなりました。

子供から成人への成長期には、小学校から大学まで
必要な基礎知識や学力を身につけるための教育の場が
整備されています。

ところが、成人から中高年への成熟期には、
自分の生活防衛のための知識や、
よりよい後半生を過ごすための対処法を身につけるための
教育の場は、残念ながらほとんどありません。

したがって、こうした知識や対処法は
独力で学ぶ以外に方法がありません。

一方、こうしたことを学ぼうと思って書店に行くと、
「相続」「介護」「老人ホーム」「成年後見制度」といった
個別テーマによる専門書は数多く存在します。

ところが、「高齢の親とその家族が遭遇しうる諸問題」
といった視点で、これらの個別テーマの勘所を
横串にした書物は、なかなか見つかりません。

現役世代が生活防衛のために、
よりよい人生を送るためにどんなアクションが必要なのか、
その理由は何かを包括的に整理した書物が
意外に少ないことに私は気がつきました。

先に挙げた私の知人が知りたいと思っていることは、
もしかしたら彼以外の多くの現役世代の人も
知りたがっているのではないか。

この疑問が湧いたことが、
本書を執筆するきっかけとなりました。

本書が同じ悩みをもつ方の少しでもお役に立てれば、
著者として望外の喜びです。

参考情報

親が70歳を過ぎたら読む本
相続・認知症・老人ホーム・・・について知っておきたいこと

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