2013325日 仙台放送

私の名前わかりますか東北大学スマート・エイジング国際共同研究センターが深く関わっている活動をもとにした映画が、アメリカの二つの国際映画祭にノミネートされ、4月に上映されることになりました。

 

映画のタイトルは『Do You Know What My Name Is?』(ドゥー・ユー・ノー・ホワット・マイ・ネーム・イズ、私の名前をわかりますか?)。

 

来る43日から開催のクリーブランド国際映画祭(アメリカ・オハイオ州)と、44日から開催のアメリカンドキュメンタリー映画祭(アメリカ・カリフォルニア州)において主要な賞を競うコンペティション部門の候補作に選ばれ、正式上映されることになりました。

 

この映画は、スマート・エイジング国際共同研究センター長の川島隆太教授の研究結果をもとに日本で生まれた「読み・書き・計算」と「対面コミュニケーション」等によって認知症の改善を目指す取り組みを、仙台放送が約1年間、アメリカを舞台に取材したものです。

 

doyouknowwhatmynameisそもそも、この映画が製作されるきっかけとなったのは、震災直後の20115月からアメリカオハイオ州クリーブランドではじまった認知症改善のトライアルです。

 

海外でほとんど知られていない日本の商品・サービスを海外市場で売り込むことは決して容易ではありません。私はこのトライアル実現のために、トライアル開始の2年以上前から粉骨砕身、アメリカで悪戦苦闘しました。

 

私は、この時、自らがその苦難を体験しながら、かつて高度成長期に日本の企業戦士が日本製品の売り込みのために世界中で奮闘努力したであろう時のことを想像しました。こうした先人たちの努力があってこそ、今日の日本の繁栄があることを忘れてはいけないと思いました。

 

doyouknowwhatmynameis2いかなる物語にも始まりがあります。苦難の連続から始まったアメリカでの物語が、こうして素晴らしいドキュメンタリー映画になったことは、当事者の一員として感無量です。

 

そして、震災直後で大混乱の地元仙台や宮城県、東北地方の取材だけで手一杯のところを、社内での反対を押し切ってドキュメンタリーの取材を敢行し続けた仙台放送の経営幹部の先見性とスタッフの皆さんの勇気とフットワークに心より敬服いたします。

 

私の名前わかりますか2二つの映画祭をきっかけに、この映画が多くのアメリカ人の目に留まり、日本発の対認知症療法の素晴らしさ、それを生み出して育んだ日本人の独創性ときめ細かな心配りの文化を感じていただけたら、こんなに素晴らしいことはないと思います。

 

なお、アメリカでのトライアル導入までの経緯は、川島教授と私との共著「スマート・エイジングという生き方」第四章 アメリカから始まった学習療法の国際展開に詳細に述べていますので、ご興味のある方はご一読いただければ幸いです。

 

また、映画の予告編は、次からもご覧いただけます。ご覧いただいた方は、ぜひ、感想をお聞かせいただけると嬉しいです。

 

 

映画の予告編

仙台放送プレスリリース 

アメリカンドキュメンタリー映画祭

スマート・エイジングという生き方