「女性専用」で広がる市場

スマートシニア・ビジネスレビュー 2003924 Vol. 35

カーブス世の中には「女性専用」で広がる市場というのがある。

男女平等とは言いながら、

社会にはまだまだ女性に不利なものが多い。

逆にここを上手にすくうと

新たなビジネスチャンスとなる可能性が大きい。

 

その典型が、アメリカで大流行の

女性専用フィットネスクラブ「カーブス」だ。

 

カーブスについては、

私が手がけている雑誌の連載で紹介して以来、

講演でも何度も話をしており、

ご存知の方もいらっしゃると思う。

 

従来のフィットネスとは全く異なるコンセプトで、

今月現在で全米に5400店舗を超え、

総売上も500億円を超えた急成長企業だ。

(ビジネスモデルの詳細は、

雑誌「月刊ビジネスデータ3月号」、

「月刊レジャー産業資料3月号」を参照)

 

「女性専用」の最大の効用は、

男性の視線が気になり、躊躇してしまう

商品・サービスへの敷居を下げることだ。

 

カーブスが見事なのは「女性専用」を前面に謳い、

中高年女性が使いやすいように

徹底的に工夫することで

それまでの男性中心の既存フィットネスクラブに

背を向けていた中高年女性の気持ちを見事につかみ、

新たな市場を開拓したことだ。

 

この「女性専用」を考慮し、工夫することで

売り上げや来客が増えると思われるものが

世の中にはまだたくさんあるように思う。

 

たとえば、ドラッグストアがその一つ。

 

私のオフィスのある銀座五丁目の晴海通り沿いに、

マツモトキヨシがある。

 

最近、このマツキヨの店頭で、

栄養ドリンクを一気飲みしている女性が

時々目に付く。

 

男性でも栄養ドリンクを飲むこと

イコール「オヤジ」と思われるため、

人目につかないところで飲む人も多い。

 

しかし、銀座のマツキヨで目にするのは、

そんなことに構っていられないという様子の

「オヤジ化」した女性だ。

 

栄養ドリンクを一気飲みし終わった女性の

束の間の休息の表情を見る度に、

店舗の奥に、しきいのある休憩室があればよいのにと思う。

 

店舗の中あるいはそばに

ほんの一瞬休息できる空間があるだけで、

栄養ドリンクの売上だけでもかなり増えるのではないか。

店の前を通るたびにいつもそんな気持ちがする。

 

女性専用のコーナーを設けて

売上が伸びると思われる他の例は、

赤提灯スタンドバー形式の焼鳥屋だ。

 

最近は焼鳥屋もおしゃれな店が増えたが、

本当にうまいのは、目の前で、炭火で焼いたのを

すぐ食べられるスタンドバーだ。

 

しかし、この手の店の常連には、

いわゆる「のん兵衛」のおじさんが多いため、

女性には近寄りがたいのが普通だ。

 

だから、女性専用カウンターを設けて、

女性一人でも気兼ねなく

楽しんでもらえる場にすることで、

本物感を求める新しい客層をつかむことができると思う。

 

似た例ではラーメン屋というのもある。

ラーメン屋のカウンターで

女性一人でラーメンをすするのはかなりの勇気がいる。

 

最近は、カウンターでも隣の人との敷居をつけ、

一人でも気兼ねなく食べられる店も登場している。

しかし、店への出入り自体が恥ずかしく、

躊躇する人も依然多いようだ。

 

これも、やはり、女性専用カウンターを設け、

出入り口も異なるようにして

女性一人でも気軽に入れるようにすれば、

おいしいラーメンが食べたいと思っている

女性の客層が広がると思う。

 

他にもいろいろな応用例が考えられると思う。

 

ただ、このような話をしたら、

 

「男性の目の前で

栄養ドリンクを平気で飲むような

恥じらいのない女性自体が

そもそもおかしい」

 

というコメントをある女性から受けた。

 

これを聞いて埼京線に

「女性専用車両」ができてから車両内で、

所構わず化粧や身だしなみ整理をする女性が

急増したのを思い出した。

 

「女性専用」というのは、

男性優位なアンバランスな領域に対する「配慮」であり、

女性だけであることの

「特権」乱用の場であっては欲しくないものだ。

 

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