アンチ・エイジング、やめました

スマートシニア・ビジネスレビュー 2017年8月28日 Vol.222

米国の女性向け美容・ファッション雑誌「Allure(アルーア)」は、最新の9月号で「Allure Magazine Will No Longer Use the Term “Anti-Aging” (「アンチ・エイジング」という言葉をもはや使わない)と宣言しました。

アルーアは2011年に発行部数が100万部を超えた米国の代表的女性誌で、女性の美容、ファッション、健康分野に強い影響力をもちます。同雑誌のミシェル・リー編集長は、このような宣言をした背景を次のように説明しています。

「加齢についての考え方を変えるための最初の一歩は、加齢についての語り方を変えることです。そのために、私たちは今月号から『アンチ・エイジング』という言葉を使わないことに決めました。私たちは、『加齢とは、闘わなければいけないもの』というメッセージを密かに助長しています。抗不安薬やアンチウイルス・ソフトウェアや、防カビスプレーのように」

さらに、リー編集長は「年齢を重ねるということは、新しい日を迎え人生を楽しむ機会が増えるチャンスが増えるということ」と言いながらも、加齢が必ずしも素晴らしいことばかりでもないとも認めています。

ただ、若くなければ美しくない、人生にはピークがあってそこを過ぎれば後は転がり落ちるだけという考え方を止めたい、だからアンチ・エイジングという言葉は使わない」と訴えています。

日本におけるアンチ・エイジングの概念は、元々米国からのものです。いわば「言い出しっぺの米国」の代表的女性誌が「アンチ・エイジングはやめた」と宣言したのは画期的と言えましょう。

一方で、私はこれを知って「米国もようやく当たり前のことに気がついたか」という感じです。周知のとおり、私は10年前の2007年から従来型の加齢観ではなく、超高齢社会に相応しい加齢観として「スマート・エイジング」という概念を提唱してきました。

9月14日、東京・大手町の日経ホールで開催の「日経スマート・エイジング・フォーラム」では、改めてこのスマート・エイジングの考え方とその実践についてお話しする予定です。

すでに多くの申込が来ているようですが、参加ご希望の方は、下記リンクからお申込ください。

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