個人のライフステージの変化と消費行動

販促会議5月号 連載 実例!シニアを捉えるプロモーション 第三回 

hansoku_cover_5第一回で述べたように、シニアの消費は「本人のライフステージの変化」に大きく影響を受ける。この変化には退職、転職、転勤、住宅ローンの終了、子育て終了、入院、要介護状態などがある。今回はボリュームゾーンの団塊世代の多くが直面している「退職」に焦点を当てる。

 

1.退職をきっかけとする消費には3つのパターンがある。

 

退職をきっかけとする実際の消費行動には、ある程度共通の傾向が見られ、おおむね①健康維持型、②老後準備型、③趣味・自分探し型の3種類になる。

 

図表1は電通が、退職者が退職をきっかけに実際に行った行動を調査したものである、一番多いのが「夫婦での旅行」である。これは退職後の定番商品で、退職した人の多くが必ず行うもので、③趣味・自分探し型と言える。

 

二番目の「散歩・ジョギング、ラジオ体操など」は、①健康維持型である。三番目の「家のリフォーム」は、老朽化した屋根や壁などの修繕、子供部屋の趣味部屋への転換などで、②老後準備型と③の中間と言える。四番目の「株やファンドの購入」「保険の見直し」は、経済面での②老後準備型である。

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書籍紹介:シニアシフトの衝撃

月刊アイ・エム・プレス 20134月号

I.M.press_2013年4月号_表紙_2本誌3月号の特集のインタビューにもご登場いただいた、村田アソシエイツ代表村田裕之氏の近著。15年前からシニアビジネスの全画・立ち上げ・支援を実践してきた経験をベースに、数多くの事例と最新データを交えながら、シニア・マーケットの現状と未来について解説する。

 

シニアシフトとは、人口動態、そして企業の顧客ターゲットが、若者中心から高齢者中心へとシフトすることだが、この流れは加速化する一方。これをまだビジネスに生かしていないとすれば、みすみすビジネスチャンスを逃していることであり、今すぐアクションをとるべきだと促す。

 

シニアビジネスに参入したものの苦戦している企業の多くが見逃しているのが、シニア市場の多様性。シニア層の場合、消費行動の引き金になる変化の種類が多く、なおかつ、その変化が訪れるタイミングが人によって異なっているため、マスマーケティング手法が通用しにくいのだという。

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加齢による身体の変化への対応の勘所

販促会議4月号 連載 実例!シニアを捉えるプロモーション 第二回 

販促会議2013年4月号_表紙_2NTTドコモの「らくらくホン」は、シニア向け携帯電話のパイオニアである。最初のモデルから累計2200万台以上売れたベストセラー商品だ。いかにして、らくらくホンはベストセラー商品になったのか。

 

1.加齢による身体の変化と気持との「ギャップ」をさりげなく埋める

 

第一の理由は、加齢による身体の変化をエレガントにカバーする便利な機能が満載されているためだ。

 

たとえば、年齢が高くなるにつれて高音が聞き取りにくくなることから、利用者の年齢に合わせて通話音声の主に高音部分を自動で強調する「あわせるボイス」、騒音環境でも聞きやすい「スーパーはっきりボイス」、相手の声がゆっくり聞こえる「ゆっくりボイス」、雑音を除去し、クリアな音声を相手に伝える「スーパーダブルマイク」などは、耳の機能の衰えをさりげなくカバーしてくれる。

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スマートシニアが市場を変える 退職団塊世代の消費動向を読み解く

りそなーれ 20133月号 特集 シニアマーケットの真実

りそな総合研究所_りそなーれ2013年3月号_表紙_2スマートシニアとは何か

 

「スマートシニア」とは、筆者が1999年9月15日の『朝日新聞 論壇』および当時在籍していた日本総合研究所の月報「Japan Research Review」9月号に寄稿した「スマートシニアがけん引する21世紀のシニア市場」と題した論文で提唱したコンセプトである。

 

スマート(Smart)とは「賢い」という意味だ。だから、スマートシニアとは「賢いシニア」のことである。当時の私の定義では「ネットを縦横に活用して情報収集し、積極的な消費行動を取る先進的な高齢者」のことだ。

 

図表1は、2001年12月から2010年12月までの年齢階層別インターネット利用率の推移である。最も利用率が増えている年齢階層は、明らかに50代以上である。2001年から2005年では、50代で増えた。2005年から2010年では、60代でも増えた。おそらく、あと10年経つと、70代以上の利用率がもっと上がるだろう。

 

これでおわかりのように、シニアにおけるネット利用率の上昇は時間の関数である。したがって、これと連動して、スマートシニアの割合も徐々に増えていく。

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この10年でネット通販は急拡大 ますます増大するコールセンターの役割

IMプレス3月号 特集 好機あり!シニア・マーケット攻略法

I.M.press_2013年3月号_表紙_2シニアビジネスに参入する企業は増えているが、苦戦事例も少なくない。その理由はどこにあるのだろうか。シニア世代の特徴やニーズ、求められているコミュニケーション・スキルなどについて、『シニアシフトの衝撃』を著した村田 裕之氏にお話をうかがった。

 

■中長期的な視点でじっくり取り組むことが重要

 

――まず、村田さまとシニアビジネスとのかかわりについてお聞かせください。

 

村田:私は15年前からシニアビジネスに着目し、これにかかわる新規事業の企画・立ち上げ・支援を実践してきました。アクティブシニア、スマートシニアという言葉を作ったのも私です。

 

――お仕事をなさる中で、高齢社会の現状をどのようにご覧になっていらっしゃいますか。

 

村田:2010年の日本の人口構成を見ると、6065歳に山があり、1664歳の生産年齢人口よりも高齢者人口が増加する傾向にあります。

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なぜ「シニア市場」へのアプローチが課題となっているのか?

販促会議 連載 実例!シニアを捉えるプロモーション 第一回

表紙いま、産業界では「シニアシフト」が加速している。人数の多い団塊世代が、2012年から毎年順番に退職年齢である65歳に達する。団塊世代が今度こそ大量退職して、新たな事業機会が生まれるとの期待があるからだ。

 

一方、シニア市場の重要性に気がつき、「シニアシフト」に取り組んでいるものの、苦戦している企業も多く見受けられる。従来の大量生産・大量流通によるマス・マーケティングに慣れきっている多くの企業は、この市場に対する正しい知識や理解が乏しく、効果的なアプローチができていないためだ。

 

連載第一回では、こうしたシニア市場に対する「誤った見方」と「正しい見方」を対比し、シニア市場への効果的なアプローチのための認識を共有したい。

 

誤った見方1:シニア層は、他の年齢層よりお金持ちである

正しい見方1:シニア層は、他の年齢層より資産は多いが、所得は少ない

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「不安」「不満」「不便」解消を

中日新聞 201311日 特集 成長する高齢者市場 国内外の企業 商機を探る

 

中日新聞130101_2中高年向け事業企画を手掛ける村田アソシエイツ代表 (東京都港区)で東北大特任教授の村田裕之さんの話(50

 

団塊の世代の多くが2012年に65歳を迎え、企業は高齢者向けビジネスヘのシフトを急いでいる。高齢者市場は、若年層に比べて多種多様なニーズがある小さな市場の集合体といった特有の特徴がある。従来の大量生産・大量流通のやり方では通用しない場合が多い。新規に高齢者ビジネスを立ち上げたものの、ここで戦略を誤って失敗したケースは多い。

 

重要な視点は、高齢者が抱える健康や経済にかかわる三つの「不」に目を向けることだ。これは「不安」「不満」「不便」を指す。これらを当事者の立場に立って解消することだ。

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「不」に目を向けて

201313日 東京新聞 特集 長寿で経済ひらく

東京新聞130103日本で拡大する高齢者市場で成功するための秘訣は何か。高齢者を対象としたビジネスの現状に詳しい村田アソシエイツ(東京都港区)代表で、東北大特任教授の村田裕之さん(50)に今後の展望と課題を聞いた。

 

団塊世代の多くが二〇一二年に六十五歳を迎え、企業は高齢者向けビジネスヘのシフトを急いでいる。高齢者市場は、若年層に比べて多種多様なニーズがある小さな市場の集合体といった特徴がある。従来の大量生産・大量流通のやり方では通用しない場合が多い。新規に高齢者ビジネスを立ち上げたものの、ここで戦略を誤って失敗したケースは多い。

 

高齢者ビジネスで重要な視点は、高齢者が抱える健康や経済にかかわる三つの「不」に目を向けることだ。これは「不安」「不満」「不便」を指す。これらを当事者の立場に立って解消することが重要となる。

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まだまだ開拓の余地あり!「団塊・シニア市場」はこうして攻める

ニュートップリーダー 20131月号

ニュートップリーダー2013年1月号_表紙_2  少子高齢化が進むなか、有望視されるシニアマーケット。だが、「お年寄り向け」の商品やサービスを投入すればよいと画一的に捉えてしまい、失敗する企業も少なくない。今後、本格的に団塊世代が消費の主役となるこの市場をどう攻略すべきか、シニアビジネスの第一人者が解説する。

 

ご存じのように「団塊世代」とは、第一次ベビーブーム世代である一九四七(昭和二二)年〜一九四九(昭和二四)年生まれの約八〇〇万人のことを指します。そのトップランナーが六〇歳を迎えた五年前、二〇〇七年問題として一斉退職による労働力不足が懸念される一方で、退職金を受け取った彼らがどのような消費行動をとるのか、大いに期待されました。

 

実際には、企業に対する六五歳までの雇用継続義務もあり、全員が一斉に退職したわけではなく徐々にリタイアが進んだのですが、彼らが六五歳に達したことを受けて、改めて「団塊・シニア市場」に注目が集まっています。この五年の間に経済の不透明感は強まり、シニア世代にとっても年金、介護などへの不安が増し、いまでは七〇歳過ぎまで働き続けたいと考えるシニアが七割を超えています。

 

このような状況を踏まえながら、本稿では、これからのシニアビジネスの着眼点と攻略法について、事例を挙げつつ考えていきます。

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生活圏を狙う「徒歩15分」に潜む商機

20121212日 日本経済新聞 シニアが拓く 消費の実像

日経121212日経新聞1面の「シニアが拓く 消費の実像」のコーナーの冒頭で、次の通り私のコメントが掲載されました。

 

「元気な高齢者にとって、心理的に歩くことが苦にならないのは15分。距離にすると1キロメートル。足に衰えを感じると、700メートル程度に縮まる」。シニアの消費行動に詳しい東北大学の村田裕之特任教授(50)は指摘する。

 

この記事では、スーパー「エコス奈良橋店」、女性専用フィットネスクラブ「カーブス戸越」、コンビニエンスストア「ローソン」などの事例を挙げ、店舗の立地、売り場のデザイン、商品の小口化、商品の形態が高齢者仕様となってきていることを指摘しています。

 

これを私の言い方では「企業活動のシニアシフト」。企業がターゲット顧客の年齢構成を若者中心から高齢者中心へシフトすることです。いま、こうした「企業活動のシニアシフト」が日本中で加速しているのです。

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