高齢化する日本は老後期を積極的に包み込もうとしている

Wall Street Journal 2015年11月29日

pepper_脳トレ米国ウォールストリートジャーナル(WSJ)が「Graying Japan Tries to Embrace the Golden Years」と題した大きな特集記事を掲載しました。

3,400ワードに渡る巨大記事の副題は「Entrepreneurs are exploring robotics and other innovations to unleash the potential of the elderly(起業家が高齢者の潜在能力を解放するためにロボットや技術革新を探索している)」となっています。

日本では相変わらず下流老人や老後破綻のような高齢社会のネガティブな側面だけを強調して危機を煽るだけの論調が見られます。

しかし、今回のWSJの特集は、そうした厳しい現実はファクトとして数値で示しつつ、それらの課題を技術革新やビジネスの工夫で乗り越えようとする日本の革新性について焦点を当てた記事になっています。

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15年のシニア消費はこう読め

シルバー産業新聞 連載「半歩先の団塊・シニアビジネス」第94

格安スマホ例1.14年のヒット商品から読むシニアのニーズの背景

 

実消費で100兆円以上、私の試算で正味金融資産482兆円という世帯主60歳以上のシニア市場には大きな潜在力がある。一方、シニアの財産構造はドラスティックな構造変化が起きにくい。このため、15年のシニア市場を読むには、14年のヒット商品の背景を深く理解することが有用だ。

 

格安スマホ

 

格安スマホは14年の流行語の一つに挙げられた。主たる購入者はシニアだった。口火を切ったのは、既存の大手キャリアではなく、小売業のイオン。昨年4月、端末代と通信料合わせて2980円で発売した格安スマホに多くのシニアが飛びついた。

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2015トレンド予測 50+世代 団塊、子供・孫引っ張る

日本経済新聞夕刊 20141224

nikkei141224私も参加している「トレンド&プライス面」の連載コラム「読み解き現代消費」の8人の執筆者が予測した「2015年の消費トレンド」についての特集記事が掲載されました。

 

浮かび上がったキーワードは、「消費に新たな主役」「リアルの復権」「新常識の芽生え」。私の発言が引用された箇所のみ、下記に掲載します。

 

■消費に新たな主役

 

村田裕之氏が予想するのは「世代間の資産移転」。13年4月に導入された子や孫への教育資金贈与非課税制度、16年度開始の「子どもNISA(少額投資非課税制度)」などを機に、シニア層の金融資産が次世代に移されることで、団塊ジュニア世代の家計に余裕が生まれることが期待される。

 

■リアルの復権

 

「確かなもの、普遍の真理といった不易商品が流行」(村田氏)

予測不能な自然災害の多発、インターネットを通じた広く浅い人間関係……そんな「不確かさ」に不安や疑問を抱き、「確かなもの」「リアルなもの」「手触り感」などを求める心理が高まりそうだ。

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NHK ゆうどき「あしたをさがそう」に生出演します

201461916:5518:00 NHK総合テレビ

yudoki_cover619日(木)の午後4:55からNHK総合テレビのゆうどき「あしたをさがそう」の解説で生出演します。

 

「あしたをさがそう」は、退職後どう生きるか、迷いを乗り越え、「あした」と「生きがい」を見つけた方を紹介するコーナー。今回は、「買い物代行業」に生きがいを見いだした方を取り上げ、定年退職後の“起業”のポイントを解説します。

 

東京のスタジオからVTRをもとに山本哲也アナウンサーと合原明子アナウンサーの司会のもと、私が解説するという構成になっています。

 

最近シニアの働く意欲が強まっています。総務省の労働力調査によれば、平成25年の高齢者の就業者数は636万人で過去最高となっています。

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06/17/2014 | コメント/トラックバック(0)|

カテゴリー:トーク

新規開業白書2013年版にシニア市場について寄稿しました

日本政策金融公庫総合研究所編 新規開業白書2013年版

新規開業白書_2013年版_2同文館より発行された新規開業白書2013年版(日本政策金融公庫総合研究所編)の第2部第4章「シニア市場の現状と参入にあたっての課題」を寄稿しました。

 

この白書は、日本政策金融公庫総合研究所が1992年から発行しているもので、今回で22冊目。第1部では2012年度に実施した「新規開業実態調査」をもとに、日本の新規開業の実態がまとめられています。

 

第2部では、超高齢社会の進展を鑑み、「シニアと開業」がテーマ。第3章では「新規開業実態調査」やヒアリングをもとに、シニア起業家の実態について整理されています。第4章は私の寄稿です。

 

面白いのは、「事例編」。若手起業家からシニアのナノコーポまで様々な起業家の起業のストーリーがインタビューとして多数掲載されていることです。白書と名のつく資料で取材記事が多数掲載されているのはユニークですが、起業家の生きた物語は、これから起業しようと考えている読者には有用でしょう。

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シニアの活躍の場を創る起業家たち

スマートシニア・ビジネスレビュー 2003119 Vol.38

いろどりシニアビジネスというと大半の企業は、

経済的にも時間的にも余裕のある年長者に

何かを売ることを考える。

もちろん、そのための工夫を重ねることも大切だが、それだけでは不十分だ。

 

年長者の人たちを、単なるサービスの「使い手」として見なすのではなく、付加価値の高いサービスの「担い手」として見なす。

そのような発想と具体的な活躍の場づくりが求められている。

 

徳島県上勝町という人口2,229人の小さな町に

「株式会社いろどり」という第三セクターがある。

この会社は、地元産の柿の葉やもみじなどを

都市部の料理店向けに販売している。

 

これだけなら、地方によくありがちな

赤字の第三セクターの話に聞こえる。

 

だが、この話の要は、事業に取り組む

生産農家のほとんどが「高齢者」だということだ。

つまり、高齢者がサービスの「担い手」として

活躍している事業なのである。

 

といっても、自治体主導の高齢者福祉ではない。

ちゃんとした収益事業だ。

収益が上がるのには理由がある。

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営利企業的「ソシアル・マーケティング」の時代

スマートシニア・ビジネスレビュー 2003324 Vol. 27

2コトラー_先日シカゴで開催されたNational Council on the Aging (NCOA) American Society on Aging (ASA)のジョイント・コンフェランスでは、多くの新しい出会いとともに、新しい動きに触れることができました。

 

なかでも頻繁に聞かれたキー・ワードの一つが、「ソシアル・マーケティング(Social Marketing)」。

 

この言葉自体は、70年代に有名なコトラーが使って以来存在するもので、政府、教会、学校、病院などの非営利組織によるマーケティングのことをいいます。

 

しかし、今回のコンフェランスで驚いたのは、エイジング分野の先進的なNPOが、営利企業向けのマーケティングの専門家を使って、テレビコマーシャルを製作したり、全米キャンペーンを行ったりする例が増えていることです。日本でいえば、たとえば長寿社会文化協会が、電通にテレビコマーシャルの製作を依頼して、全国キャンペーンを行うようなものです。

 

さらに興味深かったのは、コンフェランスの中で、NPOの人たちが、どのようにして効果的なソシアル・マーケティングを行うべきか、その手法を伝えるセミナーがいくつか開催されていたことです。私もその場に参加したのですが、どの参加者もセミナー講師に熱心に質問をしていました。

 

なぜ、いま、アメリカのNPOの人たちは、営利企業が行っているのと同様のマーケティング活動を行うようになってきたのでしょうか。

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シニアエンジェルの"浄財"が起業家を育む

スマートシニア・ビジネスレビュー 2002129 Vol. 23

images_出光佐三一般にベンチャーキャピタル(VC)は創業を目指す起業家への最初の資金提供者とみなされています。しかし、相応の売上高がある、あるいは社会的注目度が高いなど「ある程度の実績・期待値」がない企業には通常VCは投資しません。

 

したがって、創業1年以内程度のスタートアップ企業に対するVCからの投資は極めて少ないのです。会社立ち上げ期で最も資金的支援を必要とする時期に投資されにくいというのが日本のベンチャービジネス立ち上げ期の皮肉な現実です。

 

このようなスタートアップ企業に対して、個人投資家(エンジェル)とのお見合いの場を通じて出資機会を作る動きが盛り上がっています。東京青山に本部を置く任意団体の日本エンジェルズ・フォーラム(NAF)がその中心。NAFは日銀出身でIMFや国際決済銀行に勤務経験をもつ井浦幸雄さん個人のパソコンネットワークから始まった草の根グループです。

 

エンジェル投資家には60代、50代のシニア層が多く、増加しているのが特徴です。最近のNAFによる調査では、エンジェル100人による過去5年間の投資総額は14億円。つまり一人あたり1400万円投資したことになります。

 

総務省「平成12年貯蓄動向調査」によると、日本人の年齢別金融資産残高は65歳以上で平均2500万円。一方、投資家の金融資産高は3000万円未満の層が44%と最大となっています。意外なことにエンジェル=スーパーリッチというわけではないのです。

 

そのような「ほぼ普通の人たち」が保有する個人金融資産の約半分をスタートアップ企業に投資していることになります。

 

なぜ、スーパーリッチでないシニアがエンジェル投資をするのでしょうか?

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