時間消費を勘違いするな コト消費からモノ消費への正しい方法

保険毎日新聞 連載 保険業界はシニアシフトにどう対応すべきか?第7回

コメダ珈琲失敗しやすいシニア向けの「コト消費」ビジネス

 

百貨店やスーパーなど小売業を中心に、シニアの「コト消費」に注力する企業が増えている。「モノ消費」とは、消費財などの「商品の消費」である。それに対して、「コト消費」とは、モノ消費以外の目的による「時間の消費」だ。消費者にとっては、消費する時間が自分にとって何らかの価値があるかどうかが重要である。

 

ところが、商品・サービス提供者にとって重要なのは、消費者の「コト消費」機会を「モノ消費」機会につなげることだ。これができないと、「コト消費」機会が単なるコスト要因になり、事業が長続きしない。シニア向けの「コト消費」ビジネスにはこのパターンが非常に多いので注意が必要だ。

この投稿の続きを読む »

タグ


シニアシフトと業界の取るべき方向性 (3)家電メーカー

販促会議11月号 連載 実例!シニアを捉えるプロモーション 第九回

cover2高度成長期に発展し、成功した産業・業界・業態ほど、シニアシフトへの対応が遅い。特に遅さが目につくのは、多くの食品メーカー、家電メーカーなどの製造業だ。エンドユーザーにはシニア世代も多いのだが、実は多くのメーカーはこれまで消費者のことを見ているようで、あまりよく見てはいなかった

 

なぜなら、かつては消費者の動向把握などは、その先の中間卸や量販店、小売業に任せておけばよかったからだ。だが、これからはメーカーも、エンドユーザーのことを詳しく知らなければ、売れるものを作れない時代である。

 

1.シニア顧客のニーズが直接見える仕組みを自前で持つ

 

シニア市場に進出するためには、まずは何から始めたらいいのか?そんな質問をよく受ける。それに対する一番の答えは、顧客ニーズが見える仕組みを「自前で」持つことだ。

 

一般に大企業がシニア市場への足がかりとして最初に行うのが、調査会社にアンケート調査、グループインタビューなどの市場調査を依頼することだ。しかし、私が見てきた限り、そうした調査結果の90%は役に立っていない

 

なぜなら、調査を依頼する企業が、シニア市場でどのような商品やサービスを生み出して、どういう販路で売り出していくのか、という戦略がないまま、とりあえず市場の状況を調べてみよう、という程度のものが結構多いからだ。

この投稿の続きを読む »

タグ


新しい形の大家族

読売オンライン 今を読む:文化 201396

two-generational family-housing読売新聞編集委員の河合敦さんが拙著「シニアシフトの衝撃」第12章「進む大家族への回帰」をもとにしたコラムを執筆されました。以下に全文を転載します。

 

***********************

新しい形の大家族 編集委員 河合敦

 

毎日、通勤で東京駅を利用している。勤め人で混み合う駅構内は夏休みシーズンの7~8月、帰省や観光地などに出かける旅行者も加わり混雑度が一層増した。

 

旅行者の多くは、親子連れや若者のグループ、カップルなど。だが、親、子、孫と3世代でのお出かけ姿も時折見かけた。おじいちゃんと小さな女の子、おばあちゃんとお兄ちゃんがそれぞれ手をつなぎ、後ろからお父さん、お母さんがついて行く。ほほ笑ましい光景だ。

 

「核家族」という言葉が定着して久しい。家族形態の一般的なイメージは、夫婦と子供、あるいは夫婦のみとなりつつある。代わりに「大家族」という言葉はあまり聞かれなくなった。特に、都市部の大家族は珍しい存在だろう。2010年国勢調査でも大家族を含む「核家族以外の世帯」は530万世帯と、2005年の594万世帯、2000年の634万世帯から大幅に減っている。

この投稿の続きを読む »

タグ


人は「わくわく」すると消費する

保険毎日新聞 連載 保険業界はシニアシフトにどう対応すべきか?第6回

ハーバード大学シニアのストックが消費に回りにくい理由とは

 

一般に、シニアの資産構造は「ストック・リッチ、フロー・プア」である。ストックが多いからといって日常消費も多いとは限らない。日常消費はおおむねフロー、つまり月間所得に一致している。退職者の割合の多い60代、70代の所得は、50代に比べて当然少なくなる。

 

だから、日常消費であるフロー消費をすくい上げるには、相当きめ細かい緻密なアプローチが必要となる。シニアシフトに最も注力している小売業は、まさにその最先端の活動を行なっている。

 

一方、シニアの消費をさらに促すには、フロー消費をすくい上げるだけでなく、ストック消費を促す商品やサービスの提案が必要だ。そもそもシニア世代は若年世代に比べて多くのストックがあるのに、なぜそれが消費に回りにくいのか。その最大の理由は、将来の不安である。

この投稿の続きを読む »

タグ


シニアシフトと業界の取るべき方向性 (2)百貨店

販促会議10月号 連載 実例!シニアを捉えるプロモーション 第八回 

販促会議10月号表紙百貨店はいま岐路に立っている。松坂屋銀座店88年の歴史に幕を降ろし、新業態への転換を決めた。一方、「劇場型百貨店」の阪急梅田本店や、日本最大級の売り場面積で「街のような場」を標榜するあべのハルカス(近鉄百貨店)のように百貨店の復権を図る例もある。高度成長期の業態である百貨店は、シニアシフトの進展に合わせてどのような進化の方向性が求められているのだろうか。

 

1.「何でもあり」より「この分野ならここしかない」をつくれ

 

従来、百貨店とは「百(=多くの)貨(=モノ)店」であり、多くのモノを売るところ(買うところ)だった。高度成長期の家庭にモノが不足していた時代に、そこに行けば何でも買うことができる場所が百貨店だった。しかし、低成長・モノ余りの時代には、単に「何でもある」だけでは、もはや差別化にはなり得ない。むしろ「この分野ならここしかない」という高度な専門性と差別化が必要だ。

この投稿の続きを読む »

タグ


90歳の現実 100歳の現実

週刊現代 97日号 【週現スペシャル】

mokuji週刊現代97日号【週現スペシャル】90歳の現実 100歳の現実に、私のコメントが引用されました。

 

2012年の日本人の平均寿命は女性が86.41歳で世界一、男性が79.94歳で世界5位。日本は世界でトップクラスの長寿国です。特に女性は近い将来、平均寿命90歳が現実になると予想され、100歳を超えるセントネリアンも珍しくなくなる時代がそう遠くない時期に訪れそうです。

 

週刊現代の【週現スペシャル】は、毎号、時代の一歩先を見据えたテーマを取り上げ、読者に問題提起をするコーナー。今回のテーマ「90歳の現実 100歳の現実」には、長生きはいいことばかりでも、悪いことばかりでもない———— いつか、これがあなたの現実になる、というキャッチがついています。

 

「世の中で予測可能なことは実現する」という言葉は、私自身もこれまで実際に目の当たりにしてきました。今回の「90歳の現実、100歳の現実」という予測は、近未来にどれだけ現実化するのかのシミュレーションの材料として価値があるのではないでしょうか。

 

以下、引用コメント部分です。

この投稿の続きを読む »

タグ


ダイシン百貨店~ビジネスは非合理の中に商機あり

保険毎日新聞 連載 保険業界はシニアシフトにどう対応すべきか?第5回

ダイシン百貨店漬物売り場ダイシン百貨店に200種類以上の漬物がある理由

 

ある外資系企業の研究会でお話しした時のこと。テーマは、世界規模で進む高齢化にどう対応していくかで、世界各国から担当者が集まっていた。私がお話しした前日に、東京・大森にあるダイシン百貨店を見学されたとのことだった。

 

担当者の皆さんに「漬物売り場は見ましたか?」と尋ねたところ、どなたも「見なかった」との返事。私の想像では、仮に漬物売り場を見たとしても、200種類もの漬物があることの意味は、外国人の方にはよくわからなかっただろうと思う。

 

ダイシン百貨店に200種類以上の漬物があるのは、主要顧客がシニア層だからだ。そしてシニア層には漬物好きな人が多く、しかも人によって多種多様なものを求めるからだ。

この投稿の続きを読む »

タグ


シニアシフトと業界の取るべき方向性 (1)ファミリーレストラン

販促会議9月号 連載 実例!シニアを捉えるプロモーション 第七回

販促会議9月号表紙高度成長期に業績を拡大してきた企業には、いまだに若者やファミリー層を主要ターゲットにしているところも多い。年々売上げ減にさらされているにもかかわらず従来のビジネスモデルからなかなか脱却できていない業態の一つがファミリーレストランだ。こうした業態では、シニアシフトの進展に合わせて新たな方向性が求められている。本稿ではその勘所を述べる。

 

1.退職シニア層には「第三の場所」の機能を提供する

 

ファミリーレストラン最大手のすかいらーくが、約1300店ある「ガスト」を2014年から4年間で130億円を投じて全店改装する。改装の柱はシニア層への対応だ。4人がけのボックス席は背もたれを高くし、個室感覚で使えるようにし、内装も落ち着いた木目調などにするとのことだ。

 

しかし、せっかく多額の投資をするのであれば、退職シニア層のニーズをとらえた本質的な改装に踏み込むべきだ。そのカギとなるのは「退職者のための第三の場所」の機能である。

この投稿の続きを読む »

タグ


増える「おひとりさま」と支援サービスの可能性

保険毎日新聞 連載 保険業界はシニアシフトにどう対応すべきか?第4回

クラブツーリズムのツアー風景 「一人で時間を過ごす人」の割合が増える

 

多くのサラリーマンにとって退職後の大きな変化は、生活リズムが「職場中心」から「個人中心」になることだ。サラリーマン時代は常に上司、同僚、部下、取引先が周辺にいて、昼は一緒にランチを食べ、夜は居酒屋で一杯やり、休日は接待ゴルフに出かけていた。

 

ところが退職すると、こうした機会がなくなる。毎日一緒だったのが嘘のように、職場の人たちと会う機会がなくなる。この変化に対して退職後しばらくの間、気持ちがついていかない。生活リズムが激変するからだ。

この投稿の続きを読む »

タグ


シニア世代の課題に向き合えば「究極は人間を知ること」に行き着く

月刊人事マネジメント ザ・ロング・インタビュー この人と1時間

月刊人事マネジメント_2013年7月号_表紙_2シニアビジネスの第一人者である村田裕之さんの近著『シニアシフトの衝撃 超高齢社会をビジネスチャンスに変える方法』(ダイヤモンド社)が、企業の新規事業に関わる人たちの間で、関心を集めている。超高齢社会をビジネスチャンスと捉え、多くの産業で今、「シニアシフト」が加速している中、村田さんは、その知恵袋としてメディアや各産業界からも引っ張りだこ。少子高齢化や人口減少社会の課題は、人事関係者にとっても大きなテーマ。超高齢社会を「強い会社組織作り」へのビッグチャンス変えるための秘訣とは何か?村田さんからのアドバイスとヒントに今、耳を傾けてみたい。

 

 

「継続して仕事がしたい」シニアが増加

 

--「2007年問題」、そして昨年の「2012年問題」の危機を乗り越え、国内のシニアブームは一旦、シュリンクしたのか?それともこれからが本番なのか?まずはそのあたりの感想から、村田さんに聞いてみたい。

 

「静かなブーム。現在のシニアビジネスの現状を一言で表現すれば、そんな感じがします。一過性ではない、継続的なニーズを確実に感じる、という部分では、今から5年前の『2007年問題』で話題を集めたシニアビジネスブームとは明らかに違います。

 

2007年当時は、ボリュームゾーンの団塊の世代の最年長が60歳の定年を迎え、国内の労働力不足、あるいはノウハウの継承が途切れるとの不安、そして同時に新しいリタイア市場が誕生するのではないか、との期待もなされました。しかし、結果的にはそうした不安や期待に反しては何も起こらず、翌年にはもう、ブームはシュリンクしました。

 

その理由はほとんどの団塊の世代がつい最近まで現役で働き続けたからです。それに比べれば2012年問題と言われた、団塊の世代の最年長が65歳を迎えた昨年前後からは、職場を退職した人たちの割合が確実に増えています。

この投稿の続きを読む »

タグ


このページの先頭へ

イメージ画像