村田裕之の団塊・シニアビジネス・シニア市場・高齢社会の未来が学べるブログ

団塊・シニアビジネスのパイオニアで高齢社会問題の国際的オピニオンリーダー、村田裕之が注目の商品・サービス、シニア市場トレンド、海外シニアマーケット動向を独自の切り口で解説。ビジネスの視点、教訓・学び、生活のヒントをお伝えします。

「尾畠春夫」の記事一覧

なぜ、後半生に他人の役に立ちたくなるのか?

高齢期になると多くの人は、誰かの役に立つことをしたくなる。その理由は金銭的報酬より、人から感謝されることで自分が幸福を感じるといった心理的報酬が好ましくなってくるからだ。ボランティア活動等の利他的活動をしている人は、していない人よりも健康状態が良く、幸福感が高いという研究結果もある。心理学者のフライによれば、幸福と感じている人は不幸と感じている人よりも約14%長生きすると推定されている。

なぜ、高齢になると他人の役に立ちたくなるのか?

ボランティア活動を継続する人の共通点は、他人から感謝されるとき、幸福を感じることです。これは他人からの感謝という「心理的報酬」によって「報酬系」と呼ばれる脳の神経システムが活性化し、やる気や元気を促す神経伝達物質ドーパミンの分泌を促すことに関係があります。一方、ボランティア活動を義務的に行うと長続きしません。この理由は逆に報酬系が活性化しないため、ドーパミンの分泌も促されず、やる気が出ないためです。ボランティア(volunteering)の本質は、自発的に行うことです。義務的で無理に参加する活動は、実はボランティアではありません。