高齢になっても具体的な目標を持つと道が拓ける

解脱5月号 連載 スマート・エイジングのすすめ 第5回

解脱会_0430アメリカのカンザス州ヘイズにあるフォート・ヘイズ州立大学の2008年度の卒業式は、大学創立以来の特別な日でした。なぜなら、卒業式に学位を授与された女性、ノーラ・オークスさんが、世界最高齢の95歳で四年制大学の学位を取得したからです。

卒業後、大学院に進学したノーラさんは、第一次世界大戦の原因と結果をテーマに研究を続け、2010年5月に98歳で修士号を取得しました。これもその時点で世界最高齢での修士号取得で、ギネスブックにも載りました。

恐らく多くの方が、「確かに素晴らしい話だけど、この人は特別だ。やっぱり普通の人より相当頭がいいんだろう?自分には絶対できっこない」と思うでしょう。しかし、指導教官が次のように語っていることに注目です。

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親世代と子世代で考える老後のトラブル予防

シルバー産業新聞 連載「半歩先の団塊・シニアビジネス」第95

oya70sai親世代と子世代で考える老後のトラブル予防

 

私は東北大学スマート・エイジング・カレッジで「親世代と子世代とで一緒に考える老後のトラブル予防」と題したゼミを開いている。このゼミは、拙著「親が70歳を過ぎたら読む本」(ダイヤモンド社)をテキストに、高齢期の親にかかわるトラブル予防のために親世代、子世代でどのようなことを考え、行動すべきかについて議論するものである。

 

スマート・エイジング・カレッジでは、医学系のテーマを中心に病気の予防、健康維持・増進のための最新知識を得る機会がたくさんある。これらを踏まえ、家庭における高齢期の親にかかわるトラブルや家族間トラブルを予防するための実践的な方法について包括的に議論する機会をつくっている。

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シニアシフトは企業存続の鍵

朝日新聞大阪本社 シニア層のメディア接触と生活意識調査

朝日新聞SENIOR表紙朝日新聞大阪本社が発行する企業向け冊子「シニア層のメディア接触と生活意識調査」に、私へのインタビューに基づく記事が掲載されました。

 

余談ですが、この表紙のタイトルは、私が付けたものではありません。「シニアを動かす」ではなく、「シニアは動く」が正しい認識だと思います。その人が「これはいい商品だ」「こんなサービスを待っていたんだよ」と思えば、顧客は自ずと動くものです。

 

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加速するシニアシフトが消費市場を変える

 

団塊の世代が65歳を迎え、超高齢社会に突入した日本の社会では、2つのシニアシフトが注目されています。ひとつは、人口のピークが若者中心から高齢者中心にシフトする「人口動態のシニアシフト」。

 

そしてもうひとつは企業がターゲットの顧客を若者中心から高齢者中心にシフトする「企業活動のシニアシフト」。シニアシフトはこの先も、長期に渡って継続していきます。

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介護ロボット普及のための課題と対策

保険毎日新聞 連載 シニア市場の気になるトレンド 第9回

本連載第8回ではアジアで台頭するシニア市場について述べた。そのアジアから日本のシニア住宅や介護施設の見学が相次いでいる。最近は、日本で開発が進んでいる介護ロボットについての見学依頼も増えている。

 

一方、世界で先んじている日本ですら本格的な普及のためにはまだ多くの課題がある。以下に利用者の立場での課題と対策について整理する。

 

     1.    利用者の立場から見た課題と対策

 

実際に介護ロボットの利用者となる高齢者施設や老人ホームの現場の声を聴くと、次の課題が浮かび上がってくる。

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「軽薄短小」に未来なし 日本の製造業 もう一つの危機

日経ビジネス126日号 スペシャルリポート シリーズ大胆提言

special_cover日経ビジネスは1982年、「産業構造軽・薄・短・小化の衝撃」という特集を企画し、軽薄短小こそが日本の生きる道だと提言しました。しかし、今回の126日号で『その主張を今、撤回する。「軽薄短小」だけでは日本に未来はない』というリポートを掲載しました。

 

その背景は、世界的に、小ささを売り物にした商品の競争力が低下し、儲からなくなってきているという分析です。

 

理由の一つは新興国。住環境や国民性の違いを背景に、冷蔵庫から乗用車まで強く支持されるのはもっぱら大型サイズの商品で、核家族化が進んでいる国内市場にあっても、大型商品の人気がにわかに回復してきたというのです。

 

もう一つの理由は、コモディティー化の進展などを受け、分野を問わず、小型商品の利益率が大型商品より下がる傾向にもなりつつあること。レポートでは、製品1kgあたりの価格を比較し、腕時計、カメラ、電卓などの「軽薄短小」製品の価格が大きく下がっている一方、乗用車、ロボット、複写機などの「重厚長大」製品の価格は上昇しているとしています。

 

「重厚長大」製品の一例として、核家族化が進む中、大人数での利用を前提とするキャンピングカー市場の拡大が取り上げられています。けん引役が60代だということで、私へのインタビューが引用されています。

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シニアビジネスの基本「顧客ニーズをみたすサービス」

シルバー産業新聞110日号 新春座談会

silver_150110私が長年連載を務めているシルバー産業新聞の新年号にシニアビジネスの基本「顧客ニーズをみたすサービス」と題した鼎談が掲載されました。

 

鼎談のメンバーは、カーブスジャパン会長 増本岳さん、オリックスリビング社長 森川悦明さん、そして私です。シルバー産業新聞社長で編集長の安田勝紀さんも同席されました。この鼎談記事は紙面1ページに渡り、文字数も5千字を超える大きな扱いです。

 

実は今回の鼎談は、安田さんからの要請を受け、相応しいお二人にお声掛けさせていただき、実現したものです。お二人の共通点は介護保険制度にベッタリと依存したビジネスをせず、事業として成功していること、創業時に命を削るようなご苦労をされ、それを乗り越えてきたことです。

 

テレビで評論家の話を聴いても腹に響くことはほとんどありませんが、このお二人のお話には、退路を断って新規事業に取り組んできた人だけが持っている胆力が備わっています。

 

鼎談の一部を下記に掲載しますが、本当に素晴らしい内容ですので、これから介護保険に依存しないシニアビジネスに取り組まれようとする方は、シルバー産業新聞を購読されて全文をお読みいただくよう強くお勧めします。

 

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増える高齢契約者と認知症への対応

不動産経済 連載シニアシフトの衝撃 第8

自工会_いきいき運転講座_2増える高齢契約者と認知症

 

シニア層は若年層に比べ、とりわけ健康不安と経済不安が強い。このため、60代になって退職をきっかけに死亡保険を解約する代わりに、医療保障や介護保障に加入する例が多い。

 

また、かつてアリコ(現メットライフアリコ)が「はいれます」という50歳以上でも加入できると保険商品を発売して以来、各社が追従した結果、シニア層の保険契約者が著しく増えた。

 

しかし、その結果、保険会社はいま新たな課題に直面している。保険契約者の高齢化が進み、多くの契約者が認知症になりつつあるのだ。本人による対応ができなくなり、トラブルが増えている。

 

たとえば、本人に代わって保険会社に連絡してくるのが親族や介護事業者のヘルパーさんだったりする。なかには、遺品回収業者から連絡が来ることもある。

 

こういう場合の問題は、連絡者が契約者になりすましてきたり、親族でも契約者自身の意志と関係なく連絡してくる場合があることだ。これに対応して現場では支払いの過程で本人確認などの作業が増えている。こうした作業負担が増えると、保険会社にとってはコストアップ要因となり、看過できない。

 

当面は、このようなコールセンターや支払過程での審査の厳密な手順などで対処することになる、しかし、今後高齢契約者のさらなる増大が見込まれるため、さらに突っ込んだ対策が必要となる。

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要旨:超高齢・人口減少社会に必要なスマート・エイジング

「情報化シンポジウム・イン・京都」開催報告       

m244.murata1日本生産性本部情報化推進国民会議は去る122日、京都テルサにて、関西生産性本部、地域情報化推進機構などとの共催で「情報化シンポジウム・イン・京都」を開催した。

 

このシンポジウムは、情報化推進国民会議が毎年全国各地で開催しているシンポジウムの1つで、「いま考える人口減少社会への対応と地方創生~地域における課題とICTの有効活用~]をテーマに、関西圏の各地から約130名が参加した。

 

はじめに各主催者を代表して関西生産性本部の小宅(おおや)専務理事から開催挨拶があり、引き続き記念講演として、村田アソシエイツ株式会社代表・東北大学特任教授の村田裕之氏より「超高齢・人口減少社会に必要なスマート・エイジング」と題した講演があった。

 

その中で村田氏は、エイジングとは歳を重ね続けることであり、アンチ・エイジングとは単なる老化防止や老化予防でなく、生きることを否定する、すなわち死を意味すること、スマート・エイジングとは人間が成長していく生き方や成熟している社会を意味すると説いた。

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12/17/2014 | コメント/トラックバック(0)|

カテゴリー:講演

認知症・寝たきりを防ぐ 親のヘルスケア&チェック

からだにいいこと 20152月号 どうする?40代からの「親とのつきあい方」 

cover祥伝社発行の30代、40代女性向け雑誌「からだにいいこと」2月号の特集、どうする?40代からの「親とのつきあい方」に私へのインタビューを基にした特集記事が掲載されました。

 本特集のもとになっている拙著「親が70歳を過ぎたら読む本」の冒頭部分を下記にご紹介します。

 

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厚労省の調査によれば、入院や外来で治療を受ける「受療率」や「要介護認定者数」は70歳を過ぎると急増しています。また、認知症の「出現率」も70歳から5歳年齢が上がるごとに倍増していきます。

 

このように70歳を過ぎると、病気による入院、認知症の発症、介護の必要性が増え、死亡の確率も大きくなります。その結果、老人ホームや介護施設の探索・入居、死去による遺産相続などに伴う問題が起きやすくなります。

 

しかし、こうした高齢期の親に関わる諸問題はすでにお気づきのように、実は親だけの問題ではありません。むしろ多くの場合、子供である「現役世代とその家族の問題」になります。

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介護ロボット普及のための課題と対策、将来展望

Journal of Clinical Rehabilitation 12月号

12月号1 医歯薬出版が発行している医学系学術雑誌Journal of Clinical Rehabilitationのシリーズ連載「障害者のリハや介護に役立つテクニカルエイドと環境整備」の連載第二回が掲載されました。

 

介護ロボットへの期待は、国内はもとより海外の介護事業者が高い関心を示しており、106日に行われたAAIF in Japanでも午後のセッションの大半は介護ロボットについての話でした。

 

また、昨日(24日)来日したフランス企業視察団も日本の介護ロボットに高い関心を示しているようです。

 

寄稿の内容は次の通りです。

 

1.       利用者の立場から見た課題と対策

(1)    情報面での課題

     介護ロボットのことがよくわからない

     活用実績・事例がわからない

(2)    機能面での課題

     現場ニーズと乖離している

     使用準備などに手間がかかる

     安全性に不安がある

(3)    経済面での課題

     価格が高い

     人が介在しないと使えず、費用対効果がみえない

(4)    業務面での課題

     現場の業務フローが画一的でなく、ロボットでの作業になじまない

     業務効率の追求が必ずしも歓迎されない

(5)    意識面での課題

     経営改善のために介護ロボットを使う意識が希薄

     きめ細かな作業の介護は所詮ロボットには無理という意識が強い

 

2.      ロボット開発者における課題

(1)    介護従事者をロボットで代替しようとする

(2)    ロボットでの作業を全自動化しようとする

(3)    自社技術の誇示が自己目的化する

 

3.       将来展望

 

12月号2ここまで介護ロボットの普及に必要な課題と解決策を述べた。あとはこれらを地道に実行し、実績を積み上げることが必要だ。そのうえで、さらに重要なことを述べる。

 

先述の通り、かつて建設ロボットの開発・普及に取り組み、日本発の非薬物認知症療法「学習療法」の米国への輸出に取り組んだ経験から言えることは、介護現場へのロボット導入の究極ゴールは、その導入によって介護の質が劇的に変わることである。

 

つまり、導入によって介護される人がスタッフに介護される負い目を感じることがなくなったり、認知症の症状が改善したりして、導入前よりも笑顔が多くみられるようになり、スタッフに感謝の気持ちを表現できるようになることだ。

 

そして、介護するスタッフも重労働が減り、腰痛から解放されることで元気になり、介護される人から「あなたのおかげで気持ちよく過ごせるわ。ありがとう」と感謝されることで、仕事に対するやる気が増すことである。

 

このような感謝の気持ちのキャッチボールにより、介護する人とされる人との関係性が改善し、より深まっていく。その結果、介護現場全体の雰囲気が良くなっていくことで、介護施設の経営が改善していく。

 

こうした好循環の中核に介護ロボットが位置づけられるように開発・改善していくことが、ロボット開発者が目指すべき姿である。このような思想で開発された介護ロボットは、前号で述べたシニアシフトが世界中に広がるにつれ、必ず世界各国から求められるようになるのは間違いない。

 

日本の高度な技術力と日本人の細やかで温かいマネジメントこそが介護ロボットの価値の神髄なのだ。

 

 

ご興味のある方は本誌で全文にお目どうしいただき、忌憚のない感想をお聞かせいただければ幸いです。

 

 

Journal of Clinical Rehabilitation 12月号のページ

 

 

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