増える高齢契約者と認知症への対応

不動産経済 連載シニアシフトの衝撃 第8

自工会_いきいき運転講座_2増える高齢契約者と認知症

 

シニア層は若年層に比べ、とりわけ健康不安と経済不安が強い。このため、60代になって退職をきっかけに死亡保険を解約する代わりに、医療保障や介護保障に加入する例が多い。

 

また、かつてアリコ(現メットライフアリコ)が「はいれます」という50歳以上でも加入できると保険商品を発売して以来、各社が追従した結果、シニア層の保険契約者が著しく増えた。

 

しかし、その結果、保険会社はいま新たな課題に直面している。保険契約者の高齢化が進み、多くの契約者が認知症になりつつあるのだ。本人による対応ができなくなり、トラブルが増えている。

 

たとえば、本人に代わって保険会社に連絡してくるのが親族や介護事業者のヘルパーさんだったりする。なかには、遺品回収業者から連絡が来ることもある。

 

こういう場合の問題は、連絡者が契約者になりすましてきたり、親族でも契約者自身の意志と関係なく連絡してくる場合があることだ。これに対応して現場では支払いの過程で本人確認などの作業が増えている。こうした作業負担が増えると、保険会社にとってはコストアップ要因となり、看過できない。

 

当面は、このようなコールセンターや支払過程での審査の厳密な手順などで対処することになる、しかし、今後高齢契約者のさらなる増大が見込まれるため、さらに突っ込んだ対策が必要となる。

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近未来のシニアの消費行動をどう読み解くか?

不動産経済 連載シニアシフトの衝撃 第7

ショールーミングで購入されやすいものスマートシニアの増加でモノが売りにくくなる

 

IT機器が普及すると市場の情報化がどんどん進んでいく。すると、市場がガラス張りになり、商品の売り手はごまかしが効かなくなる。ネットで見れば、ほとんどのモノが、どこで、いくらで売られているかがわかってしまう。

 

最近は「ショールーミング」と呼ばれる消費行動を取る人が増えた。これは、ネットであらかじめ欲しい商品の情報を調べたうえで、店頭で実際の商品を手に取って確認し、店員に価格を尋ねたうえで、ネットで購入するというものだ。

 

情報武装した「スマートシニア」もこのように、ネットを縦横に活用して情報収集を徹底し、商品をじっくり吟味して決して衝動買いをしない。特に高額商品はその傾向が強い。

 

こうした「スマートシニア」が増えていくと、簡単に商品が売れにくくなる。すると市場は「売り手市場」から「買い手市場」になっていく。その結果、従来の売り手の論理や常識が通用しなくなる。

 

たとえば、有料老人ホーム市場は、従来の常識が覆った市場の典型である。数年前の常識は、数年後には通用しない。そうした事例が数多く見られる市場だ。

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昔からあるが旧態依然として「不」が多い市場を狙う

不動産経済 連載シニアシフトの衝撃 第6回

image高額でも満足できない商品は狙い目

 

有望なシニア市場の例のひとつは、需要側が変化しているのに、供給側が旧態依然としていて利用者の「不」が多い市場である。この市場の代表が補聴器市場だ。

 

補聴器はドイツやデンマークなどからの輸入品が多く、今でも一台35万~50万円という高価格で売られている。にもかかわらず、「雑音が多い」「耳に閉塞感を感じる」「フィッティング感が悪い」「頭痛がする」などの理由から、使用をやめてしまう人が結構多い。

 

こうした体験を経て一度使用をやめた人は、まず二度と補聴器を買わない。一台50万円もしたのに役に立たなかったというネガティブ体験がそうさせるのだ。売る側からすれば、売れてしまえば目標達成なのだが、これではまるで焼畑農業。こうしたことを続けていくと、ブランドイメージの失墜に繋がりかねない。

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消費増税は社会保障の充実にどれだけ効果があるのか?

不動産経済 連載シニアシフトの衝撃 第5

消費税使い道10%増税も焼け石に水

 

この4月から消費税が現状の5%から8%に増税になる。増税の目的は社会保障の充実と言われるが、果たしてどれだけ効果があるのだろうか。

 

消費税率を現状の5%から10%にアップした場合、金額では年間13.5兆円の税収アップとなる。このうち、約8割にあたる10.8兆円を社会保障費に回すことになっている。

 

ところが、この分だけ毎年度の国債発行は減らせるが、新たに年金や医療介護費に回せる分はない。残る2.7兆円は、子育て支援などの社会保障の充実に回すことになっている。

 

つまり、消費税を10%に増税しても焼け石に水なのが実態なのだ。ましてや8%の増税ではそれ以下である。

 

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シニア消費はどこへ向かうのか -スマート&タフな世代の台頭

不動産経済ファンドレビュー 201425日号 Focus

不動産経済ファンドレビュー_140205_目次_(P1)世界でも例のない超高齢化社会に突入した日本。世帯主が65歳以上の世帯の1人当たりの支出水準は全世帯平均を上回り、貯蓄は全世帯平均の1.4倍に達している。消費のポテンシャルが高いシニア世代は各方面から注目の的だ。シニア世代の消費はどこへ向かうのか。高額品を中心にその動向に迫った。

 

十把一絡げでは語れない消費行動の実態

Tリテラシー高い「スマートシニア」がこだわり層

 

高齢化が進む先進国の中でも、日本は先頭を走る超高齢化社会だ。 65才以上のシニアの数は2013年9月時点で3186万人。総人口に占める割合は25%。実に4人に1人がシニア世代だ。彼ら彼女からの消費は、これからの日本の経済の行方を握る「鍵」といってもいい。

 

しかし、シニア消費を見る上では、すべてのシニアを十把一絡げにしたアプローチでは実態にそぐわない。現在6567才となった団塊世代とその上の世代とでは消費志向や求めるライフスタイルに大きな違いがあるからだ。

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シニア資産30%の消費は、国家予算1.6倍分のインパクト

不動産経済 連載シニアシフトの衝撃 4 

個人金融資産内訳2011意外に知られていない個人金融資産1400兆円の中身

 

よく新聞などで「日本の個人金融資産は1400兆円」あるいは「1500兆円」などと言われる。この数値は、日銀の資金循環勘定の数値を引用したものである。

 

ところが、この1400兆円のなかには負債残高が含まれていない。このことは新聞ではまず説明されることはないため、一般にはほとんど知られていない。

 

さらに、この数値には、①企業年金等に関する年金準備金、預け金(ゴルフ場預託金など)、未収金(預貯金の経過利子など)といった、一般に個人が必ずしも金融資産として認識しないようなものが含まれているほか、②個人事業主(資金循環勘定では家計部門に含まれる)の保有する事業性の決済資金などの資産も含まれている。

 

個人金融資産に、これらの①②が含まれるのは金融分類的には理解できるが、一般庶民の感覚からすると「個人金融資産」という言葉から受けるイメージとはかなりの乖離がある。

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「高齢者にやさしい」を誤解するな

不動産経済 連載シニアシフトの衝撃 3 

SunCity世界中に広まりつつある“エイジフレンドリー”

 

ここ数年、エイジフレンドリーという言葉が日本のみならず、多くの国で目につく。エイジフレンドリーとは、もとは英語でage-friendlyと表記する。日本では「高齢者にやさしい」と訳されることが多い。

 

エイジフレンドリーという言葉が最近目につく理由の1つとして、WHO(世界保健機関)が提唱するAge-friendly Cities(エイジフレンドリー・シティーズ)の動きが広がりはじめていることが挙げられる。この動きは「高齢者にやさしい都市」というコンセプトに基づき、定められたガイドラインに従って市民参加型で街づくりを進めるというものだ。

 

もう1つの理由としては、日本のみならず多くの国で高齢化が進み、これに対応した商品やサービス、店舗づくりやインフラ整備に対する意識が高まっていることも挙げられる。

 

こうした「高齢者にやさしい」モノ・サービス・インフラづくりの動きは、今後ますます進展する社会の高齢化への対応策として歓迎すべきものである。その一方で「高齢者にやさしい」ことを1つの側面だけに偏りすぎると陥ってしまう落とし穴がある。

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シニア市場へのアプローチ「5つの誤解」

不動産経済 連載 シニアシフトの衝撃 第2回

年齢別所得シニア市場の重要性に気がつき、「シニアシフト」に取り組んでいるものの、苦戦している企業が多く見受けられる。今回はこうしたシニア市場に対する「誤った見方」と「正しい見方」を対比し、シニア市場への効果的なアプローチのための認識を共有したい。

 



誤った見方1:シニア層は、他の年齢層よりお金持ちである

正しい見方1:シニア層は、他の年齢層より資産は多いが、所得は少ない

 

総務省統計局による「家計調査報告」平成22年(2010年)によれば、1世帯当たり正味金融資産(貯蓄から負債を引いたもの)の平均値は、70歳以上で2,145万円と最も多い。2番目が6069歳で2,093万円、3番目が5059歳で1,150万円、4番目が4049歳で225万円と一桁下がる。39歳以下はマイナス、つまり貯蓄より負債の方が多い。

 

また、年代別の持家率で見ると、60歳代、70歳代ともに92%超の持家率となっている。このようにシニア層は、他の年齢層に比べて平均的には資産持ちである。

 

一方、厚生労働省「国民生活基礎調査」平成22年(2010年)によれば、世帯主の年齢階級別の「年間所得」(図表1)は、5059歳で731.9万円と最も多い。2番目が4049歳で678.5万円、3番目が3039歳で551.3万円、4番目が6069歳で539.5万円、5番目が70歳以上で406.5万円となっている。

 

資産持ちの60代・70代は、所得では4番目と5番目なのである。この主な理由は、多くの世帯主が退職し、主たる収入源が年金だからである。

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本格的なシニアシフト時代の幕開け

不動産経済 連載 シニアシフトの衝撃 第1回

シニアシフトの衝撃_表紙大人用紙おむつ市場が、赤ちゃん用市場を逆転

 

私たちの生活の中で、これまで長い間当たり前だと思われていた多くの「常識」が覆りつつある。たとえば、皆さんは「紙おむつは赤ちゃん用」だと思っていないだろうか?赤ちゃん用の紙おむつ市場は、2011年でほぼ1400億円。ところが、2012年中に大人用の紙おむつ市場が1500億円に達し、ついに赤ちゃん用を逆転した。

 

大人用はここ数年、市場全体が年率5%程度で成長を続けている。国内紙おむつ最大手のユニ・チャームでは、大人用の売上げは2ケタ増が続いており、2013年3月期には大人用紙おむつも売上げ600億円台を突破する見通しだ。

 

リカちゃん人形に「おばあちゃん」が登場

 

「リカちゃん人形」といえば、子供向けの着せ替え人形の代名詞としてご存じの方も多いだろう。2012年4月、このリカちゃんファミリーに「おばあちゃん」が登場した。おばあちゃん、香山洋子はカフェ併設の花屋さんのオーナーで年齢は56歳。

 

「おばあちゃん」の年齢を56歳に設定したのは、リカちゃんを発売した1967年当時、メインターゲットだった11歳の女の子が2012年に56歳になるためだ。

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時間消費を勘違いするな

不動産経済 連載  団塊・シニアビジネスの勘所 第四回

roujinhome失敗しやすいシニア向けの「コト消費」ビジネス

 

「モノ消費」とは、消費財などの「商品の消費」である。それに対して、「コト消費」とは、モノ以外の目的による「時間の消費」だ。消費者にとっては、消費する時間が自分にとって何らかの価値があるかどうかが重要である。

 

ところが、商品・サービス提供者にとって重要なのは、消費者の時間消費機会をモノ消費機会につなげることだ。これができないと「コト消費」機会が単なるコスト要因になり、事業が長続きしない。シニア向けの「コト消費」ビジネスにはこのパターンが非常に多いので注意が必要だ。

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