二作目の魅力

スマートシニア・ビジネスレビュー 200384 Vol. 32

ブラームスCD_2演奏家や歌手、作家などでは、通常最も売れた作品が、その人の代表作とされる。しかし、その人の魅力が最も自然な形で表現されているのは、意外に第二作目であることが多いように思う。

 

たとえば、日本のフォーク・ポップス(?)歌手の大家である井上陽水の出世作は、ミリオンセラーになった「氷の世界」である。この作品でトップスターの座を不動にしたと共に、彼のファン層は一部のフォーク好きから一般の人へと広がった。

 

しかし、彼の魅力が最も結晶化されているのは、実はこの前にリリースした「センチメンタル」だ。このレコードは、古くからの陽水ファン以外にはあまりなじみがないかもしれない。「東へ西へ」という曲が有名になった以外、他は一般にはあまり知られていないからだ。

 

そんな幻の名盤の中の最高傑作は「能古島の片想い」という曲だ。これは陽水の故郷の島での初恋の思い出を曲にしたもの。歌詞とメロディーとの「調和」とはこういうことだというお手本のような出来栄え。そして、その歌声は透明感があり、高い音程まで伸び渡っている。これに比べると後年の歌声は、まるで「おじさん技」での歌い回しに聴こえる。

 

陽水以外でも、例えば、松任谷由実なら荒井由実時代の「ミスリム」、因幡晃なら「暮色」が出色の出来だ。あまり好きではないオフコースですら「Song is Love」という作品は、その後に比べて気張った作り物らしさがなく、好感が持てた。

 

これらの共通点は、全て第二作目だということだ。なぜ、第二作目には魅力的な作品が多いのか。その理由は二つあると思う。

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シニアマーケットの新しい言葉

スマートシニア・ビジネスレビュー 200371 Vol. 31

CCRC_image私は615日から29日までアメリカにいた。今回の訪米の主な目的は、ニューヨークで行われた シニアマーケット分野の専門家会議への出席であった。

 

この会議にはアメリカのこの分野の錚々たる人達が集まった。広告大手JWトンプソンのマチュア・マーケット・グループのメンバーや ヤング&ルビコムのマーケティング担当などが興味深い発表をしていた。会議ではさまざまな話題が飛びかった。

 

しかし、その中で参加者全員が異口同音に感じたことがある。それは、この分野を語るための「新しい言葉」を必要としていることだ。

 

例えば「シニア」という言葉は、日本では最近多くのメディアでも従来の「シルバー」や「高齢者」「熟年」などに代わる言葉として 使われることが多い。私自身「スマートシニア」という言葉を提唱し、 「アクティブシニア」という言葉も使ってきた。

 

しかし、旧知のとおり、アメリカでは「Senior」という言葉には、 日本でいう「高齢者」のニュアンスが非常に強い。 このため、50代後半にさしかかったベビーブーマー世代の近未来を語るときにはもはや適切な言葉ではない。 また、「elder」「elderly」という言葉も、シニアとは若干ニュアンスが異なるが、 やはり年長者を表す旧世代の言葉として使われる傾向が強い。 参考までに、「シルバー」は和製英語であり、アメリカでは使われない。

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変貌するAARPは何を目指しているのか

スマートシニア・ビジネスレビュー 2003413 Vol. 28

AARP_2AARPとは、アメリカの50歳以上の会員3千6百万人を有する世界でも他に例のない巨大NPOです。AARPは「社会福祉と商業主義とが混在した稀有な団体」といわれます。各種保険や旅行商品に関する全米最大の販売者としての顔もあれば、ワシントンで最も恐れているロビー団体としての顔もあります。

 

その規模の巨大さ、社会的影響力の大きさから日本の企業、NPOからも注目されており、AARPを訪問する外国人のうち最も多いのが日本人とのことです。しかし、そのわかりにくさから、多くの日本人が訪問しているにもかかわらず、活動の全貌を把握している人はきわめて少ないようです。

 

そのAARPが、この春から大きな方針変更を行いました。

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営利企業的「ソシアル・マーケティング」の時代

スマートシニア・ビジネスレビュー 2003324 Vol. 27

2コトラー_先日シカゴで開催されたNational Council on the Aging (NCOA) American Society on Aging (ASA)のジョイント・コンフェランスでは、多くの新しい出会いとともに、新しい動きに触れることができました。

 

なかでも頻繁に聞かれたキー・ワードの一つが、「ソシアル・マーケティング(Social Marketing)」。

 

この言葉自体は、70年代に有名なコトラーが使って以来存在するもので、政府、教会、学校、病院などの非営利組織によるマーケティングのことをいいます。

 

しかし、今回のコンフェランスで驚いたのは、エイジング分野の先進的なNPOが、営利企業向けのマーケティングの専門家を使って、テレビコマーシャルを製作したり、全米キャンペーンを行ったりする例が増えていることです。日本でいえば、たとえば長寿社会文化協会が、電通にテレビコマーシャルの製作を依頼して、全国キャンペーンを行うようなものです。

 

さらに興味深かったのは、コンフェランスの中で、NPOの人たちが、どのようにして効果的なソシアル・マーケティングを行うべきか、その手法を伝えるセミナーがいくつか開催されていたことです。私もその場に参加したのですが、どの参加者もセミナー講師に熱心に質問をしていました。

 

なぜ、いま、アメリカのNPOの人たちは、営利企業が行っているのと同様のマーケティング活動を行うようになってきたのでしょうか。

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新市場の見つけ方

スマートシニア・ビジネスレビュー 200327 Vol. 25

images_カーブス_アメリカ2肥満大国アメリカは、その裏返しとしてフィットネス大国でもあります。フィットネスクラブの市場規模は約15千億円で、日本の5倍。会員数は33百万人で、日本のほぼ10倍。多くのクラブがひしめき、市場は飽和状態に見えていました。

 

しかし、ここ数年爆発的に店舗を増やし、現在、アントレプレナー誌の最速成長フランチャイズの第一位となっているフィットネスクラブがあります。その名前は「カーブス」。最近世界最大のフィットネス・フランチャイズとしてギネスブックにも登録されました。

 

アメリカには約1万8千店のフィットネスクラブが存在します。しかし、何とその28%にあたる5千店がカーブスなのです。さらに、今年の6月までにさらに千店のフランチャイズが開店するとのこと。つまり、4時間に1店の割合で新規フランチャイズが増えていく計算です。

 

しかも、驚くべきことに、顧客の平均年齢は50歳。なかには、100歳の人が通っている店もあります。従来型クラブの平均年齢が25歳なのと対照的に中高年が多いのです。

 

今年の1月に社名変更するまでの旧社名は「カーブズ・フォー・ウーマン」。

実は、カーブスは、女性専用フィットネスクラブなのです。

 

いったい、カーブスは、どのようにして中高年女性の心をつかんだのでしょうか?

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団塊世代は引退するか?

スマートシニア・ビジネスレビュー 20021118 Vol. 22

imagesCAS51N8E_soho_2_1先週の某週刊誌で「団塊世代が引退する日」いうタイトルの特集がありました。

 

「定年後」「第二の人生をいかに過すか」の類の書物、記事は以前からいろいろありましたが、最近とりわけ団塊サラリーマンの「引退後」を扱うものが目立つ気がします。団塊世代が人口のボリュームゾーンであり、市場における影響力が大きいと思われているからでしょう。

 

一方、アメリカには日本の団塊世代にあたる「ベビーブーマー世代」が存在します。ただし、団塊世代が47年生まれから49年生まれの人たちを呼ぶのに対して、ベビーブーマー世代は47年生まれから64年生まれの人たちのことを呼びます。

 

この世代の人数は7千6百万人と巨大で、彼らの市場動向は、日本での団塊世代に対する扱い以上に多くの市場関係者が注目しています。

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リフレピット エネに見る百貨店の新たな試み

スマートシニア・ビジネスレビュー 200295 Vol. 20

images_メイク大阪梅田の阪急百貨店に710日に開店した「リフレピット エネ」という店舗が話題になっています。

 

これは「リラクシング&ビューティー」をテーマにした5つのエステ、美容サロン、メークスタジオとカフェを集めたものです。

 

ここが話題になっている最大の理由は「女性専用」であることです。

 

男性は入り口前の渡り廊下で入店を断られます。近年女性専用列車が走ったり、アメリカやイギリスで女性専用のフィットネスクラブが大流行したりしていることもあり、「女性専用店舗」ということだけでも頻繁にテレビや雑誌に取り上げられています。

 

しかし、この店舗を開設した真の狙いは「女性専門」であることをPRすることではなく、むしろ別のところにあるようです。

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リタイア後に住む「最適な場所」

スマートシニア・ビジネスレビュー 2002716 Vol. 18

boulderjpg-thumb_コロラド州ボルダー_2地理学者のウォーレン・ブランドの「Retire in Style」という本が昨年発売後、爆発的に売れました。内容は米国中でリタイア後に住むのに適する50の場所を12の評価基準をもとにランク付けし、その理由を整理したものです。

 

それによると、最も点数の高い場所は、コロラド州ボルダーでした。

 

ボルダーは、日本では最近では有森裕子や高橋尚子などの女子マラソン選手がキャンプをする所として有名になりましたが、まだ日本人にはなじみの薄い所のようです。

 

このボルダーが実は全米で2番目にヒッピーが多いことはあまり知られていません。コロラド大学ボルダー校を中心に大変学生の多い街で、若者が多いことがその大きな理由となっているようです。

 

ちなみにコロラド大学ボルダー校のレベルは結構高く、2001年度のノーベル物理学賞受賞者も輩出しているほどです。

 

それにしても、普通はリタイア後に住む街としてフロリダ、アリゾナ、南カリフォルニアなどが真っ先に挙げられるのですが、なぜ、この学園都市のような街がリタイア後に住むのに適する第一位に挙げられたのでしょうか?

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日本におけるシニアのホームエクスチェンジの可能性

スマートシニア・ビジネスレビュー 200272 Vol. 17

imagesCAAKFCXZ_シニアホーム_2米国や欧州には、50歳以上の人で希望の休暇期間と行き先が一致した家族どうしが家を交換するという「シニアズ・ホーム・エクスチェンジ」というサービスがあります。利用者の多くが、年に3回から4回この仕組みを利用して旅行をしています。

 

シニアズ・ホーム・エクスチェンジのサービスには、「家の交換」と「オプション付きの家の交換」があります。

 

前者は、同じ時期に滞在を希望する場所・家がマッチした場合、当事者どうしで交換が行われます。車、ボート、ゴルフカートなど家以外の設備の交換もあり得ます。実際、エクスチェンジ先の車のレンタルを利用する人は会員の57%に上ります。

 

後者は、居住者が食事の世話や地域の案内を行う、いわば、ホームステイのようなものです。

 

自分が他の会員の家に興味を持った場合、その逆に他の会員が自分の家に興味を持った場合のみ、シニアズ・ホーム・エクスチェンジは電子メール、ファクス、電話番号を伝え、それから後のコンタクトは当事者同士のやりとりとなります。

 

利用者側のメリットは大きく二つあります。

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