スマートシニアの増加と市場の変化

不動産経済連載団塊・シニアビジネスの勘所 第三回

OLYMPUS DIGITAL CAMERA         10年間でこんなに変わったシニアのネット利用率

 

シニアの消費行動を知ろうとする場合、考慮しないといけない重要なことがある。それは、私たちの生きる現代は消費行動に及ぼすネットの影響が大きいことだ。

 

私は1999年に東京、名古屋、大阪で、50歳以上の方を対象にネット利用率の調査をしたことがある。その時のネット利用率はたったの3%だった。当時は50歳以上でも100人に3人しかネットを使っていなかったのだ。いまからわずか13年前のことだ。

 

それから13年経過して状況はどう変わっただろうか。図表1は、2001年12月から2010年12月までの年齢層別インターネット利用率の推移である。どの年齢層で一番利用率が増えているだろうか。明らかに50代以上である。

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シニアの就労と医療費との関係

スマートシニア・ビジネスレビュー 2012823Vol.180

りんご農家一昨日午後に3つの打ち合わせをしたのですが、なぜか、偶然3つとも同じ話題が出ました。それはシニアの就労の話です。

 

最近、団塊世代を中心に60代の方から、

私のもとに退職のご挨拶が多く届きます。

 


その際に私は「退職後もできる限り何らかの仕事をして

年金以外の収入を得る方が、いきいきと過ごせますよ」と

アドバイスをしています。

 

これについては、拙著「スマート・エイジングという生き方」

第一部第二章に詳しく述べているのですが、

そこに掲載している興味深いグラフを

アドバイスの一つの根拠にしています。

 

そのグラフとは、「高齢者の有業率」を縦軸に、

「一人当たりの老人医療費」を横軸にして

都道府県別にデータをプロットしたものです。

ここで有業率とは仕事に就いている人の割合です。

 

グラフを見ると、長野県が有業率30%を超えて全国一高く、

一人当たりの老人医療費でも全国一少ないことがわかります。

 

つまり、仕事に就いている高齢者の割合が高い県ほど、

一人当たりの高齢者医療費も少ないのです。

 

長野県の後には、山形県、静岡県、鳥取県と続きます。

これらの4つの県の共通点は何でしょうか?

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シニアにはスマホよりタブレットが本命である5つの理由

2012810日号シルバー産業新聞 連載「半歩先の団塊・シニアビジネス」第65

nexus7tabletシニアにはスマートフォンよりタブレットが有用

 

シニアをターゲットにしたスマホ「らくらくスマートフォン」がいよいよ8月から発売される。

しかし、私はシニアにはスマホよりタブレットの方が有用と考えている。その理由は、従来のIT機器が抱えていた使いにくさを次の通り解消しているからだ。

 

   携帯電話よりもスマホよりも画面が大きい。だから字が大きくて見やすく、文字も入力しやすい。

   パソコンよりも操作が簡単。指先でタップするだけで大抵のことが可能であり、キーボード入力が不要。

   電源を入れた後の起動がパソコンよりもはるかに速い。使いたい時に待たされることなく、すぐ使用できる。

   一般にノートパソコンより薄く、軽く、持ち運びが楽。

   購入価格もノートパソコンよりも一般に安い。今後はスマホよりも安くなる可能性も大きい。

 

これらのメリットから、近い将来、現状のパソコンで可能なことがタブレットでもできるようになれば、既存のパソコン利用者のかなりの割合は、タブレット利用者になっていくと予想される。

 

タブレットは女性・シニアのIT弱者に有利

 

一方、こうしたメリットのため、これまであまりパソコンに縁のなかった人やパソコン利用を躊躇していた人もタブレット利用者になる可能性が大きい。特に携帯電話は使ってもパソコンは使わない女性やIT機器の使用に無縁だったシニアがその対象となる。

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シニア向けネットスーパーの条件とは?

スマートシニア・ビジネスレビュー 2012731Vol.179

シルバー向けiPad教室_出所:japan.internet.comネットスーパーの動きが活発になっています。

 

特にシニアをターゲットとした

利用促進競争が目につきます。

 


しかし、現状のネットスーパーは、シニア顧客、

とりわけパソコンなどのIT機器を利用しない人にとっては、

まだ敷居が高いようです。

 

シニア顧客がネットスーパーを利用したい理由としては、

 

   足腰に不具合があり、長い距離を歩くのが難しいため、

   水や米など重いものを運ぶのがおっくうなため、

   配偶者など家族の介護で、外出機会が限られるため、

 

などが想定されます。

 

しかし、こうした潜在顧客がネットスーパーの利用者にならないのは、

次のいずれかの「壁」のためです。

 

壁1:ネットスーパーの存在を知らない

壁2:パソコンなどのIT機器を利用していない

壁3:利用に興味があるが、自分一人では利用できないと思っている

壁4:パソコン、ルーターなどの費用、回線接続料などが高いと思っている

 

これらは、ネットスーパー利用の前段階での「壁」ですが、

パソコンなどのIT機器をすでに利用している人にとっては、

むしろ次が利用を妨げる「壁」となります。

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らくらくスマートフォンは、どこまでスマートか?

スマートシニア・ビジネスレビュー 2012年7月19日 Vol.178

imageシニア向けスマホ、「らくらくスマートフォン」の予約が720日から始まるとのことです。

 

私は昨年9月に発表した「シニア向けスマートフォンのあるべき姿とは?」という記事のなかで、シニアのスマートフォン利用者を増やすためには、①マン‐マシン・インターフェイスのさらなる改善、②低価格の実現、③絶対使いたいと思わせる用途開発、の3つが必要であると提言していました。

 

今度発売のらくらくスマートフォンでは、これらの提言をかなり取り入れていただいたようです。とりわけ①については、見やすくてシンプルなメニュー構成、ボタンのように押した感触がはっきりして押し間違えにくいタッチパネルなどにその工夫が見られます。

 

また、②については、「らくらくパケ・ホーダイ」という専用の料金体系が用意され、月額定額料2,980円で利用できることになっています。通常の定額サービスだと月額5,460円なので、2,480円も安くなっています。

 

一方、③については、らくらくスマホ利用者向けのSNS(ソーシャルネットワークサービス)が用意される、という以外に特別なものは見当たらず、今後の課題という感じです。

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「テレビで学べるスマート・エイジング教室」がスタートします

201277日 仙台放送

テレビで学べるスマート・エ私たち東北大学加齢医学研究所では、超高齢社会における新たな学び舎として4月より「スマート・エイジング・カレッジ」事業をスタートしました。

 

公募350名のなかから選抜された100名の老若男女が、隔週でスマート・エイジング国際共同研究センターに集い、スマート・エイジングを実践するためのさまざまなテーマについて学びあっています。

 

毎回、東北大学の豪華講師陣から各分野の最先端の話が聴けるだけでも大変勉強になるのですが、それに加えて受講者からの質問が活発かつレベルが高く、年代を超えた笑いありの楽しく、かつ真摯な学びの場になりつつあります。

 

私は、新著「スマート・エイジンという生き方」のエピローグに、「さらに、スケジュールの都合などでどうしても最寄りの教室に参加できない人のために、インターネットによる「スマート・エイジング・Eセミナー」やテレビによる「テレビ・スマート・エイジング・カレッジ」などのサービスも考えています」と予告的に書きました。

 

この予告のうち、ちょっと名前は変わりましたが「テレビで学べるスマート・エイジング教室」がいち早く来る77日から仙台放送により放映開始の運びになりました。

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これから有望なシニア市場とはどんな市場か?

村田裕之Eレター 2012年6月11日 Vol.39

こんにちは、村田裕之です。

 

これから有望なシニア市場の一つは、ずばり

『ユーザー側の何かが変化しているにもかかわらず、

旧態依然とした「不(不安・不満・不便)が多い市場」です。

 

例えば「補聴器」は、その一例です。

補聴器は最近いろいろな形態が増えてきましたが、

利用が目立たないよう耳の奥に挿入する形式のものは、

依然値段が高いのが現状です。

 

そして、しばしば、余計なノイズを拾ってしまい、

聞き取りにくく、長時間利用していると

耳鳴りや頭痛がすると言われます。

 

繊細な人間の身体のなかで機器を使おうとすると

不具合が出やすいのです。

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超高齢時代到来、シニア市場はこれからどうなる?

2012年613 福岡日経懇話会4月例会レポート

日経懇話会会報表紙●誤解が多いシニア市場

 

「2007年問題」というのがありました。皆さん、覚えていらっしゃいますか。ちょうど5年前、団塊世代の一番年長の方が60歳になると、一斉に定年退職されて世の中がひっくり返る、それが「2007年問題」と言われました。ところが、あまり変化がなかった。なぜかというと多くの方がリタイしなかったから退職せずにそのままずっと仕事を続けて今に至っています。ところが5年たって今度は65歳。今度こそ退職だということで、また注目されています。

とはいえ最近の傾向は、皆さんそれでもまだリタイしないで、何らかの形で仕事を続けたいという方が増えています。年配者があまり長く会社に居続けると、若い者の雇用はどうなるんだという話もあるのですが、私はむしろ逆だと思います。力のある方はどんどん仕事を続けて、新しいビジネスを作っていただいて、そして、若い人たちの雇用の受け皿も作ってもらう。そうすれば双方のメリットになます。

シニア市場単に「団塊世代」だけの市場ではありません。もう日本全体の高齢化が進んできて、いろいろなところで目に見えるようになってきた。また日本だけの市場ありません。先週、私はシンガポールにおりました。中国、シンガポール、香港、台湾、タイ、マレーシア、インドあらゆる国・地域からビジネスマンが集まって、高齢化に伴う投資機会、ビジネスはどうなるのか議論して来ました。世の中全体高齢化を何とかビジネスチャンスにしたいという機運が高まってきたのが、今年かと思います。

まずシニア市場がどのような特徴をもつ市場かを整理したうえで、本題の話をしたいと思います。

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シニア市場の正しい見方と企業の顧客対応のあり方

2012628消費者関連専門家会議 東京例会

acap628日に消費者関連専門家会議の東京例会(会場:トヨタ自動車株式会社 東京本社)において講演します。

 

タイトルは「高齢化の進展でシニア市場はどうなるか?~シニア市場の正しい見方と企業の顧客対応のあり方」です。

 

消費者関連専門家会議は、民間企業575社と事業者団体の消費者関連部門で、日々消費者の声に接している責任者・担当者が業種を超えて集う組織です。

 

私は13年前に、これからのシニアは「スマートシニア」になっていくと予言しました。スマートシニアとは、情報武装した賢い消費者としてのシニアです。

 

その後の13年間で、スマートシニアの増加によって、実際に多くの市場が変化し、従来のやり方が通用しなくなった市場を目の当たりにしてきました。

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06/10/2012 | コメント/トラックバック(0)|

カテゴリー:講演

新著「スマート・エイジング」という生き方の読みどころ

ちょっと一息 201261

smart_ageing_way2東北大学・川島隆太教授との共著

「スマート・エイジングという生き方」(扶桑社)が

6月1日、全国の書店で発売になりました。

 

新書版ですが、読みどころの多い書籍になっています。

 


たとえば、私が担当している第一部第二章

「自分らしく元気にいきいきと過ごす」ための7つの秘訣では、

従来時間の制約で講演でお話しできなかった
多くのエピソードについて詳細に触れています。

 

また、第三章ほかに例のない先進的な「三つのI」の取り組みでは、

「スマート・エイジング・スクエア」「スマート・エイジング・カレッジ」の

新事業が、大学における市民参加型の産学連携に

どのような新風を吹きこんでいるかについて触れています。

 

さらに、第四章アメリカから始まった学習療法の国際展開では、

日本で開発された対認知症療法である学習療法が、

アメリカで導入されるに至った悪戦苦闘の物語が

詳細に綴られています。

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