村田裕之の活動 その5
前述の「知縁」による新しいタイプの居住コミュニティが米国でいくつか登場していました。その一つが、「カレッジリンク型シニア住宅」でした。これは、大学のキャンパス内あるいはキャンパスからそれほど離れていないところに立地し、大学と連携して運営する高齢者の住宅をいいます。
アメリカでは大学と連携して運営するシニア住宅の呼び方が統一されていないため、私がが「カレッジリンク型シニア住宅」を日本における統一名称として日本経済新聞04年5月19日号で紹介したのが最初です。この寄稿は大変な反響を呼び、「カレッジリンク型シニア住宅」のコンセプトは、その後全国に広まりました。
このカレッジリンク型シニア住宅の日本での実現を図るべく、私自らが事業会社の役員にもなり、関西大学との協定締結を経て実現したのが、神戸市御影(みかげ)に完成した「クラブ・アンクラージュ御影」です。
また、カレッジリンクのコンセプトを拡大し、市民と大学との知識の結合「ナレッジリンク」を促すものとして形にしたのが千葉県柏市で推進している「千葉大学 柏の葉カレッジリンクプログラム」です。
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第10章 カレッジリンクという「知縁型」ライフスタイル