65歳以降週何日働きたいか

高齢者住宅新聞連載 村田裕之の「シニアビジネス相談室」第51回

シニア市場で過去10年の最も大きな変化は何か

先日行ったシニアビジネスセミナーで「シニア市場で過去10年の最も大きな変化は何か」という質問を受けました。

風潮や流行など「時代性の変化」によってシニアの消費行動は大きく変わります。これには短期(数か月から数年スパン)のものから長期(10年スパン)に渡るものがあります。前者で最もインパクトがあったのはコロナ禍でしょう。

一方、後者では次の変化が目立ちます。①ネット利用率の変化、②定年後に働く割合の増加、③二世帯同居または近居の増加、④介護の自分事化の増加、⑤葬儀の小型化・簡素化。①については前回触れたので、今回は②について説明します。

2000年代中頃まで「退職後はのんびり派」が多数

2000年代中頃までは、退職後は仕事をやめてのんびり過ごす生活スタイルが「ハッピーリタイア」の理想形でした。

首都圏に住んでいる人なら、長野県や栃木県などにセカンドハウスを購入し、退職後は晴耕雨読を目指す人が多かったのです。

また、多くのデベロッパーが米国型のリタイアメント・コミュニティを模倣し、退職後の夢の生活をうたうゴージャスな自立型有料老人ホームを争って建設しました。

2008年以降増えた「半働半遊派」

しかし、2008年のリーマンショック以降、こうした市場は事実上消滅しました。さらに、2011年の東日本大震災以降に起こったユーロ危機、アメリカの景気低迷、消費税増税などで先行き不透明感が増大しました。

また、国内の産業空洞化が進み、雇用調整のため、65歳以前に退職を余儀なくされた団塊世代も増加しました。

こうした背景から、定年退職直後は多少遊ぶものの、退職後も週3日程度は仕事を続けたいという「半働半遊派」が増加したのです。

退職後に仕事を続ける人は、稼いだ分を消費に回す

シニア資産の特徴は「ストック・リッチ、フロー・プア」で、それなりの貯蓄を持っていますが、先行き不透明感から退職後に貯蓄が減るのを嫌います。

このため退職後に稼いだお金は貯めずに日々の生活費に充てる傾向があります。つまり、退職後に仕事を続ける人は、稼いだ分を消費に回すのです。

成功するシニアビジネスの教科書

高齢者住宅新聞

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