2013年2月15日 Asia Today
韓国のメジャー新聞のひとつ、Asia Todayに私へのインタビュー記事が掲載されました。
記事は私への面談インタビューと最新著「シニアシフトの衝撃」をもとに執筆されているとのことです。
日本以上に少子化が進む韓国でも、いよいよシニアシフトの波が押し寄せつつあり、関心が高まっているようです。
ちなみに、インタビュー後に次のQ&Aをメールで行っています。
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–韓国では最近ベビーブーマーの定年に迎え、日本の「2007年問題」のようなことが話題になっています。2007年前後この団塊世代をターゲットにしたビジネスや戦略が続々と登場したようですが、その当時と5年後になった今はどう変わりましたか。
需要側では①高齢者が増えて、需要が増えた、②働き続けたい人の割合が増えた。一方、供給側ではより幅広い業種・業態が団塊・シニアをターゲットにするようになってきた
– 団塊の主な特徴や消費スタイルは何ですか。 最近のトレンドは何ですか。
1.人数が多いが消費スタイルは人によって多様
2.ビートルズ、VAN、などアメリカ文化の影響を強く受けている
3.上の世代に比べて活動的な人も多い、夫婦で手をつないで歩ける
– 韓国の団塊世代のスタイルもご存知でしたら日本の団塊と比較できますか。
韓国のベビーブーマーは55年から63年生まれ。一方、日本のベビーブーマーである団塊世代は47年から49(あるいは50)年生まれ。日本よりも若い年齢層を指している。韓国のベビーブーマーは、日本の団塊世代と新人類世代(60年前後生まれ)の中間的なスタイルに近い。ITリテラシーも高く、上の世代よりも自分の生活を楽しむ傾向がある。
– シニアビジネスに目を向けた理由を教えてください。(きっかけ、時期など)
日本総研在籍時代の1999年にアクティブシニア(まだ介護が不要で元気なシニア)の市場の方が、介護市場よりも大きいことに気が付き、スマートシニア・コンソーシアムと言う異業種企業連合を日米35社で立ち上げたのがきっかけ。
– 今までシニアビジネス関連分野で村田様が一番成功したと思う例があれば教えてください。(ベスト3)
① カーブス(7年半で0から1247店舗、53万人のサービスに成長)
② らくらくホン(延べ2200万台出荷)
③ クラブツーリズム(300万世帯、700万人が利用、8割が60歳以上、年商1400億円)
– 将来もっと拡大が予想される分野は?
予防関連ビジネス(介護予防、財産トラブル予防など)
– シニアビジネスを展開するとき一番大事な、注意すべきことは?
① 大雑把に取り組まない、
② すぐにやめない、忍耐強く取り組む
③ きめ細かく対応する
– 韓国社会にも通じる(ヒットする)可能性があるシニアビジネスは何ですか。
① 女性専用フィットネス
② シニア向け携帯電話
③ シニア向け旅行会社
④ シニア住宅
⑤ 食事宅配
– 以前韓国での講演で韓国市場は「需要はあるが、供給が伴っていない」と言いましたが、変わりはありませんか。
基本的には変わっていないと思います。もっと、民間企業が知恵を出して、需要を掘り起こす必要があります。
– 最近シニアシフトの衝撃という本を出版しましたが「シニアシフト」とは何ですか。
二つの意味があります。一つは、人口動態のピークが若年層からシニア層にシフトすること。もう一つは、企業活動のターゲットが若年層からシニア層にシフトすること
– シニアシフトで進んでいる業界、乗り遅れている業界はどこでしょうか。
進んでいる業界:住宅、介護、小売り(百貨店、スーパー、コンビニ)、携帯電話、旅行、アパレル、カラオケ、ゲーム
遅れている業界:家電、自動車、製造業全般
– 今後急速に進む高齢化に日本経済はどうなると思いますか。
高齢化にともなう課題を解決することで、新しい商品・サービスが生まれ、新たな輸出産業がうまれ、成長が持続する可能性大。一方で、医療・介護コストの削減が必要。そのためには、予防産業の育成が重要。
– 日本経済で高齢者の役割はどうかわると思いますか。
できるだけ健康寿命を延ばし、社会参加機会を増やし、健康で要介護にならない生活スタイルの人が増えていく。
– 韓国で本を出したり、 KARP(Korean Association of Retired Persons)のアドバイザーの活動をなさっていますが今後からの計画はなんですか。
特に具体的にはありませんが、要請があれば協力します。