来るべき死を見つめ、今を生きる。それがスマート・エイジングの考え方

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人生100年の歩き方 川島教授×村田教授対談

人生100年を豊かに生きる秘訣東北大学の川島隆太教授と村田裕之特任教授に聞きました

アクサ生命が主催するサイト「人生100年の歩き方」川島隆太教授と私との対談「来るべき死を見つめ、今を生きる。それがスマート・エイジングの考え方」が掲載されました。

川島教授とは2006年からのお付き合いですが、実はこのような公式の対談は初めてのこと。

テーマも普段よくお話するスマート・エイジングの4条件の話だけでなく、死生学の話にも触れた深い話にありそうでなかった二人の珍しい対談です(笑)以下、冒頭からの抜粋を転載します。

織田信長が好んだといわれる舞の一節「人間50年」。その時代から数百年が経過した現在、人間の寿命は当時の2倍近くになりました。

ただ一方で、肝心の人生の“中身”は、本当に2倍も充実したものになっているでしょうか。現在における幸せな生き方のカギを握るのが、「脳」と「体」の健康です。これを実現し、人生100年を豊かに生きる秘訣について東北大学の川島隆太教授と村田裕之特任教授に聞きました。

いくつになっても、脳の機能は改善できる

20歳をピークに低下するといわれる、「脳」の機能。機能が極端に低下した状態が「認知症」であり、手を打たなければ、多くの人がこの認知症に近い状態になってしまうそうです。そうした中、脳の働きを「健康な社会生活が送れるレベル」に保つには、どんなことを行なえばよいのでしょうか。

川島教授:私たちの研究により、科学的な方法で脳のトレーニングを行なえば、脳機能が改善することが分かってきました。トレーニングによって脳の神経細胞同士のつながりが強化され、体積が増えるほか、脳をかたちづくる電気的な回路の働きも活発になります。うれしいことに、これは何歳になっても、きちんとやれば効果が出ます。つまり、脳はよい状態を維持できるということが、最新の脳科学研究によって見えてきたのです。

では、具体的にどんなトレーニングを行なえば認知症の予防につなぐことができるのか。現段階で明らかにいえるのは「有酸素運動」です。ウォーキングや軽めのランニング、器械体操など、有酸素運動には認知症の予防効果があるということが研究のデータから分かっています

脳のトレーニングで認知機能が改善した実例は多く、少なくとも無意味ではない

村田教授:ほかにも、介助者とコミュニケーションをしながら文章の音読や計算などを行なう「学習療法」は、短期的には認知機能改善効果が得られたトレーニングの1つといえるでしょう。学習療法は、川島先生が公文教育研究会と共同で2001年に開発し、2004年に商業化したもの。今では全国で約2万5,000人、アメリカでも10州27施設で取り組みが行なわれるなど、幅広く知られているトレーニング方法です。

川島教授:ただ、ここで知っておいてほしいのは、有酸素運動以外のトレーニングについては、まだその効果を確かなものだと断言することはできないということです。

そもそも私たちの研究では、「疫学」の考え方に基づいて効果などを見定めています。疫学とは、様々な人間の集団を追跡調査することで、生活習慣と身体の異変との因果関係などを調べる学問のこと。追跡調査には長い期間が必要なので、ほとんどのトレーニング手法は、まだ疫学的に十分なデータが揃っていないのです。

そのため、我々研究者としては、認知機能改善の効果が「ありそうだ」ということしかいえません。ですが、トレーニングで認知機能が改善した実例はあるので、少なくとも無意味ではないと考えています。

対談全文は次から読めます

来るべき死を見つめ、今を生きる。それがスマート・エイジングの考え方 川島教授×村田教授対談
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