スマートシニア・ビジネスレビュー 2009年9月4日 Vol.133
「パーソナライズド・サービス」と呼ばれるものが増えた。
例えば自分の好きな写真や文字を絵柄にして注文できるハガキや切手、フォトブックなどがその典型だ。これらの共通点は印刷対象が紙である点だ。
ところが、先日アメリカの友人から届いた贈り物は、
これらとは異なリ、紙ではなかった。
それは日本でもおなじみの
m&m’sというチョコレートだった。
「My m&m’s」という名の、このサービスは、
チョコレートのm&m’sの一粒一粒に
自分の好きな文字が印刷されたものを
自分で選択したパッケージに詰めて
届けてくれるサービスである。
大量生産商品であるチョコレートを使った
個人向けパーソナライズド・サービスである点が意外だった。
m&m’sの表面に、どんな文字を印刷するかは、
ネットの専用画面で指定できるようになっている。
私がもらったものは、鮮明な赤、青、黄色の粒の表面に
「Our Hero」と書かれたm&m’sが200個ほど詰められた
パッケージだ。
なぜ、文字が「Our Hero」かといえば、
私の英語のニックネームが「Hiro」であることから、
私の友人が「Our Hiro」と入力したのだが、
m&m’s側がスペルミスだと勝手に判断して
「Our Hero」に変えてしまったとのことだ。
友人からすれば許し難いミスだったらしいが、
贈られた方は、何て粋な贈り物だろうと嬉しくなった。
「人形焼き」を思い出した。
人形焼きは、文楽人形や七福神の形をしたカステラに、
こしあん、小倉あんなどを入れて焼いた和菓子である。
近年はサザエさんの形をした人形焼きもある。
このように焼型をパーソナライズできそうな感じが、
先のm&m’sのサービスと似ていると思ったのだ。
これを応用して、一時期流行った「十円まんじゅう」の表面に
おばあちゃんの名前を入れて20個詰めのパッケージにして贈ったら喜ばれるのではないか。
十円まんじゅう以外にも、えびせんべいや切り餅でもいいかもしれない。かりんとうだと印刷が難しそうだし、柿の種だと印刷できる面積が小さすぎるかもしれない・・・
こんな想像を掻き立てられた。
「マス・プロダクション」が当たり前だと思われている製品に
自分だけの「パーソナライズド」な味付けをされると、
人は意外に思うのだ。
改めてこのことに気がついた。
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