ちょっと一息 2011925

Golden-Retriever

高齢化しているのは人間社会だけではありません。

最近私の周辺で老犬の介護に追われる人が急増しています。

 

私のお隣の家のゴールデンレトリバーは13歳半。

人間で言えば95歳。

 

以前は私を見るとすぐ飛びついてきたのですが、

しばらく前からそうしたことがなくなりました。

白内障が進んで視力が衰え、目が見えなくなったのです。

 

犬、とりわけ大型犬は賢いせいか

身体の状態が表情にすぐ現れます。

顔つきも以前と異なり、

老いぼれた表情になってしまいました。

 

それでもまだ鼻は利くようで、

私のことを嗅ぎ付けるとまだ寄ってきてくれます。

 

ところが、最近衰えが著しく、

先日、ついに歩けなくなってしまいました。

もう、先は長くないと思ったのですが、

飼い主の付きっ切りの懸命のリハビリにより、

歩行機能が回復し、何とか歩けるようになりました。

 

こうした犬の介護を通じて、隣の夫婦に

ある変化が見られるようになりました。

 

以前はこの犬を散歩に連れて行く時、

旦那さんか奥さんかのどちらか一人で連れて行ったのですが、

最近は必ず夫婦二人で寄り添って連れて行くようになったのです。

 

私は、この様子を見て、

「きっと犬の介護がきっかけで何かと共同作業が増え、

夫婦の絆が強くなったのだろう」

と思っていました。

 

ところが、小学生並みの大きさのレトリバーは体重が重く、

散歩の途中に一人では支えきれないために、

やむを得ず二人で行く必要があり、

特に夫婦仲が良くなったわけではないとのこと。

 

隣の家の夫婦の前向きな変化は、

こちらの勝手な憶測に過ぎませんでした。

 

とはいえ、犬の介護をきっかけに、

家族全体の結びつきがより強まっていくのは
確かでしょう。

これはもしかしたら、
家族に対する犬からの
最後の贈り物なのかもしれませんね。


●参考

擬似家族化するペット