ついに「親が70歳を過ぎたら読む本」の5刷重版が決定しました。
4刷が決まったのが2013年8月1日でしたので、1年4か月での5刷達成となります。
これまで共著も入れて9冊の書籍を世に出していますが、5刷りというのは初めてのことです。本書を買っていただいた方、応援いただいた方に心よりお礼申し上げます。
この本は東日本大震災が起きる1か月前、2011年の2月12日に上梓しましたので、発売から3年10か月が経過しています。
多くの新刊本が発売後2カ月で店頭から姿を消し、ほとんど売れなくなります。重版まで行くのは、上位20パーセント以下と言われています。そうした現実のなかで、発売後3年10か月経過しても、まだ重版がかかることは大変ありがたく、光栄なことです。
私は拙著をテキストに、東北大学スマート・エイジング・カレッジでゼミを行っています。今年も先月第一回を行い、今週5日からはいよいよ受講生によるケース発表とディスカッションが始まります。
ゼミに先立ち、10月10日の講義で「介護・相続など高齢期のトラブルをいかに予防するか?」という話をしました。カレッジでは講義が終わると受講生から毎回レポートが提出されます。
受講生は100人いるので、一つの講義につき、100人分のレポートが提出されます。しかし、このテーマに対するレポートはほとんどの受講生が既定の枚数を超えて提出してきたため、かなりの枚数になりました。しかも、内容が深く、とても斜め読みができません。
レポートを読むのがこれほどしんどいのかと思うほど、深い内容のものが多かったです。これは、それだけ身近で切実なテーマであるということの裏返しと言えましょう。
このテーマでゼミを始めて今回で3期目となります。受講生ひとり一人のケースは一つとして同じものはありません。こんなに複雑にもつれる例が存在するのか、というほど絡み合った事例もこれまでありました。
実は、解決のために必要なことは、究極一つのことに行きあたります。つまり、答えはわかっているのです。ところが、問題は、そのわかっている答えの通りに現実にはできないことです。それが本当の問題なのです。
志を同じくして集った受講生の皆さんと、答えのない問いを問い続けるチャレンジに今年も挑んでみたいと思います。