Ageing Asia Innovation Forum 2015
介護現場で日々一生懸命働いている現場のスタッフ、複雑なマネジメントで苦労している介護事業の経営者に光を当てる
シンガポールをベースとするシニアケアビジネスの経営者、実務担当者から構成されるAgeing Asia Innovation Forum 2015が、アジア太平洋地域「高齢者ケア・イノベーション・アワード」へのノミネーション(自薦)を募集しています。
このアワードの正式名称は「Asia Pacific Eldercare Innovation Awards 2015」。アジア太平洋地域の高齢者ケア事業者で分野毎に優れた業績を上げているところにアワードを授与するものです。
このアワードは一昨年から始まりましたが、年々応募者も増えており、注目度が上がっています。
一般に評価が難しい複雑な高齢者ケア事業を一部の尺度のみで評価してしまうことに無理がある部分もあります。
にもかかわらず、こうした取り組みが行われる意義は、介護現場で日々一生懸命働いている現場のスタッフ、複雑なマネジメントで苦労している介護事業の経営者に光を当て、この事業の重要性を世に知らしめていくことに貢献するからです。
日本ではこの4月から実施される介護保険制度の15年改訂により、介護保険報酬が減額されることが大きな話題になっています。介護業界からはサービスの質の低下を招くなどの危惧の声が多く聞えてきます。
しかし、人口動態のシニアシフトが進み、若年層が少なく、高齢者が多い人口動態が続く日本では、今後介護保険報酬が上がっていく見通しはほとんどありません。あるとしても、政策的なものであり、別のところにしわ寄せが行きます。
そもそも介護保険制度に依存した事業は、3年ごとの制度変更に振り回される構造的課題があります。多くの介護事業者は、制度変更に振り回されながら事業を継続していくか、介護保険に依存しない事業にシフトするかの選択に迫られるでしょう。
一方、海外に目を転じれば、日本の優れた事業者の介護サービスは、海外、とりわけアジア諸国から注目されていることが分かります。
昨年のアワード表彰式では、27か国から、500人を超える業界関係者が参加しました。こういう場でのアワード獲得は、言葉の壁のある日本の介護事業者にとって、国際的な知名度を上げる格好の情報発信の場となります。
介護保険制度の変更に一喜一憂することなく、安定した市場を獲得したい事業者の皆さんには、海外市場への足がかりをつくるきっかけとして、アワードへの応募をお勧めします。
ちなみに、今回は次の分野でのアワードを募集しています。
1. FACILITY OF THE YEAR
2. BEST ACTIVE AGEING PROGRAMME
3. BEST DEMENTIA CARE PROGRAMME
4. BEST HOME CARE OPERATOR
5. BEST REHABILITATION OPERATOR
6. BEST TECHNOLOGY FOR OPERATIONAL EFFICIENCY
7. BEST PRODUCTIVITY INNOVATION IMPLEMENTATION
8. BEST PRODUCT TO SUPPORT AGEING-IN-PLACE
9. BEST SILVER ARCHITECTURE