村田裕之の団塊・シニアビジネス・シニア市場・高齢社会の未来が学べるブログ

団塊・シニアビジネスのパイオニアで高齢社会問題の国際的オピニオンリーダー、村田裕之が注目の商品・サービス、シニア市場トレンド、海外シニアマーケット動向を独自の切り口で解説。ビジネスの視点、教訓・学び、生活のヒントをお伝えします。

「アジア」の記事一覧

国際コンファレンスでの講演で4年半ぶりに香港に行きます

4年半ぶりに香港に行きます。4月17日に香港で開催の国際コンファレンスに講演者として招待を受けたためです。 主催者は香港最大の高齢者住宅デベロッパー、Hong Kong Housing Society (HKHS)。その設立75周年を記念して開催されるものです。HKHSは8年前に地上39階建ての超高層CCRC(写真)を香港で初めて実現した組織です。建設前に何度か日本に来て、日本の高級型高齢者住宅を数多く見学したものです。
Ageing Asia Alliance Cocktail

次の世代の可能性を感じたAgeing Asiaイベント

当日は、医療法人社団悠翔会の佐々木淳理事長の呼びかけのもと、全国中から集まった50名以上の皆さんと楽しい時間を過ごすことができました。今回、今年の何人かのアワード受賞者の発表を聞き、名刺交換での対話を通じて感じたのは、「若い世代の本格的台頭と今後の活躍の可能性」への期待です。過去の受賞者の多くは、シンガポールでのイベント参加がきっかけで、その後の歩みが大きく変わっています。今後も若い世代の皆さんに、自分の事業の意義や目的を見直すきっかけとして、また自分のやっていることや日本の介護の素晴らしさを伝える伝道師として参加してもらえたらよいと思います。

オンライン審査で感じた「オンリーワン」の重要性

シンガポールで第9回Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsのセレモニーが開催され部門別の優秀企業が発表されました。私はこのアワード創設以来、審査員を務めていますが、今回は次の5部門で日本企業が受賞しました。背景には1)オンラインでの審査のため、資料をわかりやすく、効果的に作成すること、2)外国のパートナー企業と組んでノミネートすること、で言葉のハンデを減らしたことが挙げられます。他方、コロナ禍によるオンライン化により、オーストラリアをはじめとする英語圏の事業者のノミネートが増え、日本企業の優位性が出しにくい状況になりつつあります。今後の受賞のためには、これまで以上に他の事業者にはない「オンリーワン」の差異化が求められることでしょう。

どうすれば介護保険に依存しない商品開発が可能か?

日本の介護関連企業は公的介護保険のない国際市場で競争力をつけないと、他国に市場を奪われ事業機会を失うでしょう。日本では機能を沢山付けて、高価格にしても介護保険適用になれば利用者負担が少なく、購入・レンタルできます。しかし、公的介護保険のない日本以外の国では、こうした製品は競争力がありません。公的介護保険がある国でも、ドイツ企業のように製品に工夫をして国際市場でしっかり商売をしている例があります。