村田裕之の団塊・シニアビジネス・シニア市場・高齢社会の未来が学べるブログ

団塊・シニアビジネスのパイオニアで高齢社会問題の国際的オピニオンリーダー、村田裕之が注目の商品・サービス、シニア市場トレンド、海外シニアマーケット動向を独自の切り口で解説。ビジネスの視点、教訓・学び、生活のヒントをお伝えします。

「生活のヒント」の記事一覧

千葉市生涯現役応援センターでの村田裕之講演

講演報告:スマート・エイジング 人生100年時代を生き抜く10の秘訣

気温37度を超える炎天下にも関わらず、定員を超える216名の方が参加され、会場はほぼ満席状態でした。参加者の年齢層は70代が中心で、次いで65歳から69歳までと80歳以上が多かったです。この年齢構成だと通常は講演の途中で舟をこぐ人が出てもおかしくないですが、そうした人は一人もおらず、約2時間、最後まで熱心に耳を傾け、質疑にも積極的に参加されていました。
作動記憶を拡大する脳トレアプリ

いくつになっても新たなことに挑戦できる秘訣とは?

一般に高齢になるにつれ新しいことに取り組むのがおっくうになります。原因は、私たちの認知機能の一つ、「作動記憶(ワーキングメモリー)」の容量が加齢と共に減ることにあります。作動記憶量は、「スパン課題」や「Nバック課題」といった脳の作動記憶トレーニングによって拡大できることが東北大学の研究で明らかになっています。
要介護原因男女別

要介護になった最も多い原因:男性は脳卒中、女性は認知症

国民生活基礎調査(2019年)を見ると、要介護になった原因の構成割合は、実は男女で異なることがわかります。男性は脳血管疾患(脳卒中)が非常に多く、次いで認知症が多い。これに対して女性は認知症と骨折・転倒、関節疾患が非常に多いのが特徴です。認知症の約3割は脳卒中が原因なので、これを考慮すると女性も脳卒中はそれなりの割合になります。

「スマート・エイジング」の観点でのスマートウォッチの活用法

今回の内容は平たく言えば「要介護状態にならないためのスマートウォッチの活用法」でした。要介護状態にならないためには脳卒中の予防が最重要です。脳卒中は動脈硬化の結果、起こります。動脈硬化を進行させる要因は、高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満などの生活習慣病です。したがって、脳卒中の予防のためには生活習慣病の改善が必要です。生活習慣病の改善に最も有効なのか有酸素運動です。有酸素運動による脂肪燃焼に適した心拍数は最大心拍数の65%と言われています。この心拍数を運動しながら目で確認できるのがスマートウォッチの便利な点です。

ウィズコロナ時代の旅と人生の楽しみ方

ウィズコロナ時代とは、文字通り、コロナウイルスと共に生活せざるを得ない時代です。この時代には、新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の感染拡大→政府による行動制限の強化→感染縮小→行動制限の緩和が周期的に繰り返されます。重要なのは、こうした行動制限が発令されたとしても、健康に元気でいきいきと過ごすことができる生活スタイルを実践することです。本連載でお話ししてきた「スマート・エイジング」の考えに基づく生活スタイルが、まさにそれです。

コロナ禍で「外出がおっくうになった」を変えるには?

シニア向け旅行最大手のクラブツーリズムによる今年3月の会員向けアンケートで気になったのは「外出がおっくうになった」「出かけるのが面倒に感じる」「何をやるにも面倒くさいが先に立つようになった」といったコメントが非常に多く見られた点です。これらは「意欲」や「やる気」の低下を表しています。原因として考えられるのは第一に「認知機能の低下」、第二に外出しないことが「習慣行動化」したことです。こうした「外出がおっくう・面倒」を切り替える方策を整理しました。

健康指標の見える化で安心して旅に出かける

市販の体組成計と血圧計はブルートゥースという無線規格でスマートフォンに記録できるものを使うべきです。この方法がよい理由は次の通りです。1) 計測値を紙等に記録する手間が省け、データが長期に保存できる。2)記録したデータの時系列トレンドをグラフで見ることができる。3)異なる健康指標データのトレンドを見ることで相互の連関がわかる:自分の体の健康指標を「見える化」して日常的に把握しておくと「ある日突然、高血圧になった」などの急激な変化が起きにくくなります。
減塩食の例

「高血圧には減塩食」が有効とは限らない

高血圧で悩む高齢者を対象にした「減塩食」が花盛りだ。だが、実際食べてみると高額な割に「まずい」ものがほとんどだ。さらに食塩非感受性の人は減塩してもほとんど血圧は下がらない。食塩感受性は特定の遺伝子で規定され、日本人全体の二割程度と言われている。つまり減塩食を食べても高血圧症の改善が期待できない人がかなり多いのです。にもかかわらず「高血圧には減塩食」を強制的に食べさせられているのが現状だ。
酸化ストレスから体を守る食材の例

身近な食材が酸化ストレスから体を守る

生体内の活性酸素の産生が抗酸化防御機構の能力を上回る状態を「酸化ストレス」という。がんや糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞、アルツハイマー病などの疾患は酸化ストレスが関係すると考えられている。実はブロッコリースプラウト、わさび、貝割れ大根、ウコンやローズマリーなどに酸化ストレスから体を守る物質が多く含まれている。

ウィズコロナの時代こそ、スマート・エイジングという生き方

2021年9月の日本の高齢化率は29.1%を超え、世界一の高齢社会となっています。その中でも認知症高齢者の数は2025年には730万人と予想されており、その社会的コストは日本では14兆円と言われています。この超高齢社会ではいかに健康に過ごすかが重要です。村田は2006年より加齢に対しネガティブなイメージをもつ老化、アンチエイジングとは違い、発達・成長といった思想をもとに「スマート・エイジング」を提唱してきました。第12回目を迎えたチャームカレッジではこれまでの講義で解説してきたスマート・エイジングの考え方を振り返りました。

自分らしく生きる秘訣とは

「自分らしく生きる」というのは一見簡単そうで、実は非常に難しいテーマです。そもそも「自分らしさ」とは何でしょうか?『新約聖書』に登場する有名な女性サロメは「人間は7枚のベールをかぶっている。6枚目のベールまでは脱ぐが、7枚目のベールは自分ですら脱がない」と言っています。つまり、本当の自分は自分ですらわからない、という意味です。ところが、あなたの友人や知人から「あ〜、そういうところが○○さんらしいわね」などと言われることがあります。どうも自分らしさというのは、自分自身は気がつかないけれども、他人は気がつくという性質があるようです。

チャーム・カレッジ:老人ホームでの認知症改善プログラムの取り組み

老人ホームはコロナ禍で最も厳しい行動制限を受けています。しかし、現場で実施されている感染予防策のいくつかは、最近の研究に基づくと優先順位の低いものもあり、限られた人員とコスト、エネルギーが必ずしも最適に配分されていません。新型コロナウイルスに関する情報は動きが早く、1年前には当たり前のように言われていたことが現時点では適切ではないことも多々あります。常にアンテナを張り巡らし、情報感度を高くして、信頼できる情報源を持つことが重要ですね。