2023年11月13日 台湾銀髪金融論壇(Aging Finance Forum)2023
台湾・台北市で開催のAging Finance Forumの基調講演者に招かれ、4年ぶりに台湾で講演します。講演タイトルは「日本のシニア市場:高齢化をビジネスに変える方法」です。
日本のメディアで報道される台湾のニュースは、中国による台湾有事の話題が多いですが、実は日本以上に少子化が進んでおり、社会の高齢化への危機感が高まっています。
台湾の高齢化率はどの程度か?
台湾の高齢化率は2022年で17.5%となっています。この数値は、2022年8月に台湾の国家発展委員会が発表した最新の人口推計報告によります。
2022年の日本の高齢化率は29.1%で世界一となっています。2023年も同じ数値です。
台湾の高齢化率は2025年に20.0%と予測されており、国家発展委員会は2025年以降、台湾が超高齢社会に突入するとの見解を示しています。
ちなみに国連の定義では、高齢化率21%以上で超高齢社会(Super-aged society)なので、台湾の定義だと高齢化率が1%小さくなっています。
台湾の出生率はどの程度か?
台湾の合計特殊出生率は2023年(推計)で1.09となっています。この数値は、アメリカ合衆国中央情報局(CIA)が発表している「The World Factbook」によります。
同データによれば、日本の合計特殊出生率は1.39、香港1.23、シンガポール1.17、韓国1.11となっており、東アジア諸国の出生率は軒並み低いです。
台湾でのシニアビジネス動向は?
台湾の高齢化率17.5%は、日本の2000年頃と同じです。
私がアクティブシニア市場の可能性を初めて指摘したのが1999年で、これをきっかけにシニアビジネスへの関心が高まったのが2000年頃です。
コロナ禍以前に拙著「シニアシフトの衝撃」と「成功するシニアビジネスの教科書」が相次いで台湾で出版され(中国語名「無所不在的銀髪商機」「超高齢社会的消費行為学」)、の2016年、2017年頃は私も台湾のアクティブシニアビジネスのコンファレンスに頻繁に講演者として招かれました。
しかし、2020年からのコロナ禍でそうした動きが一旦静まりました。コロナ禍が収まり、再び社会の高齢化への関心が高まってきたと言えます。
ただし、前述の通り、台湾の少子化は日本以上にペースが速く、2000年頃の日本よりも社会の高齢化のペースは速くなっています。このため今後急速にシニアビジネスへの取り組みが増えるでしょう。