高齢化対策に関する日本とスイスの専門家シンポジウム

2012523日-25World Demographic & Ageing Forum

523日から25日までスイス・チューリッヒで開催されるWDA Forum Expert Symposium ”Demographic Ageing in Japan and Switzerland: Action through Exchange and Dialogue” に参加します。

このシンポジウムを主催するWorld Demographic & Ageing (WDA) Forum は、スイス東部のオーストリア国境に近いザンクトガレンにあるザンクトガレン大学に事務局を置く高齢化研究団体です。

私は2006年からWDAのアドバイザリー・ボードメンバーを務め、2006年、2007年に現地で講演する機会を頂きました。

今回のシンポジウムの特色は3つあります。第一に、高齢化対策を議論するために日本とスイス2か国の専門家が一同に会する初の試みであること。第二に、WDAからの呼びかけにより、日本側から高齢化問題の専門家が17人も参加すること。第三に、ザンクトガレン大学の修士課程の学生が発表するなど、若い世代も参加して高齢化対策について議論することです。

そもそも、なぜ、日本とスイスなのか?両国は地理的には互いに10000キロも離れていますが、実は驚くほど共通点があります。

どちらも国土における山岳地帯の割合が多く、高い技術力を背景にサービス分野でも発達した経済先進国であり、生活レベルは高く、健康保険などの社会システムは世界有数の水準にあります。そして、両国とも出生率が低下し、人口の都市部集中が進み、高齢者人口が増え続けています。

一方、WDAによれば、両国の異なる点は、日本が海外からの移民を受け入れていないのに対して、スイスは移民を受け入れ続けていること。このために、日本は経済が衰退傾向にあるのに対して、スイスはバランスのとれた経済成長が続いているとのことです。

私は、WDAによる「日本の移民受け入れ政策の認識」と「移民を受け入れないために経済が衰退しているという見方」に対しては大いに異議があり、シンポジウムでも議論したいと思っています。

日本からの参加者には東京大学高齢社会総合研究機構の秋山弘子特任教授はじめ著名な研究者の方々に加え、高齢者の雇用創出で有名な株式会社高齢社の有賀昌時社長はじめ民間企業の経営者も数多く参加されます。

どのような議論が行われるにせよ、共通点の多い両国関係者が、顔をつき合して対話し議論する機会と言うのは大変貴重で意義のあることだと思います。