村田裕之の団塊・シニアビジネス・シニア市場・高齢社会の未来が学べるブログ

団塊・シニアビジネスのパイオニアで高齢社会問題の国際的オピニオンリーダー、村田裕之が注目の商品・サービス、シニア市場トレンド、海外シニアマーケット動向を独自の切り口で解説。ビジネスの視点、教訓・学び、生活のヒントをお伝えします。

「シニアシフト」の記事一覧

Ageing Asia Alliance Cocktail

次の世代の可能性を感じたAgeing Asiaイベント

当日は、医療法人社団悠翔会の佐々木淳理事長の呼びかけのもと、全国中から集まった50名以上の皆さんと楽しい時間を過ごすことができました。今回、今年の何人かのアワード受賞者の発表を聞き、名刺交換での対話を通じて感じたのは、「若い世代の本格的台頭と今後の活躍の可能性」への期待です。過去の受賞者の多くは、シンガポールでのイベント参加がきっかけで、その後の歩みが大きく変わっています。今後も若い世代の皆さんに、自分の事業の意義や目的を見直すきっかけとして、また自分のやっていることや日本の介護の素晴らしさを伝える伝道師として参加してもらえたらよいと思います。

一人ひとりの「要介護時間の最小化」が必要に

平均寿命は今後も伸び続けると予想されている。このため、健康寿命を延ばすだけでは不十分で、必要なのは一人ひとりの「要介護時間の最小化」だ。つまり、いかに要介護状態にならないようにするか、たとえ要介護状態になっても改善することが求められている。高齢者は自然災害が起きると真っ先に犠牲になる災害弱者とみなされている。ところが、東日本大震災の時にも元気な高齢者は高台に逃げて助かっている。高齢者だから災害弱者になるのではない。超々高齢社会のこれからの20年、筆者らが提唱しているスマート・エイジングがさらに必要になるだろう。

どうすれば介護保険に依存しない商品開発が可能か?

日本の介護関連企業は公的介護保険のない国際市場で競争力をつけないと、他国に市場を奪われ事業機会を失うでしょう。日本では機能を沢山付けて、高価格にしても介護保険適用になれば利用者負担が少なく、購入・レンタルできます。しかし、公的介護保険のない日本以外の国では、こうした製品は競争力がありません。公的介護保険がある国でも、ドイツ企業のように製品に工夫をして国際市場でしっかり商売をしている例があります。

高齢化が進むアジアと日本の事業者が進むべき道

シンガポールのMarina Bay Sandsで第10回エイジング・アジア革新フォーラム(Ageing Asia Innovation Forum: AAIF)と第7回アジア太平洋高齢者ケア革新アワード(Asia Pacific Eldercare Innovation Awards)の授賞式が開催されます。この8年間で拙著「シニアシフトの衝撃」で予言した通り、シニアシフトの動きがアジアや多くの国々に広がってきたことを強く実感します。一方、あまり変わっていないのは、他国に比べて日本企業の参加が少ないことです。多くの事業者が公的介護保険に収入を依存する事業構造のため、海外進出する必要性を感じないためです。一方、明るい兆しは、若い世代が少しずつチャレンジしつつあることです。今後はさらに若い世代の人たちにも、世界を俯瞰するきっかけとして参加してもらえたらよいと思います。