ダイヤモンド 経 2011年3月10日 コラム:親が70歳を過ぎたら読む本
子供から成人への成長期には、小学校から大学まで必要な基礎知識や学力を身につけるための教育の場が整備されています。
ところが、成人から中高年への成熟期には、自分の生活防衛のための知識や、よりよい後半生を過ごすための対処法を身につけるための教育の場は、残念ながらほとんどありません。したがって、こうした知識や対処法は独力で学ぶ以外に方法がありません。
一方、こうしたことを学ぼうと思って書店に行くと、「相続」「介護」「老人ホーム」「成年後見制度」といった個別テーマによる専門書は数多く存在します。ところが、これらのテーマは相互に深く関係があるにも関わらず「高齢の親とその家族が遭遇しうる諸問題」といった視点で、これらの個別テーマの勘所を横串にした書物は、なかなか見つかりません。
現役世代が生活防衛のために、よりよい人生を送るために、どんなアクションが必要なのか、その理由は何かを包括的に整理した書物が意外に少ないことに私は気がつきました。もしかしたら、先に挙げた私の知人が知りたいと思っていることは、彼以外の多くの現役世代の人も知りたがっているのではないか――そのことをお伝えしたくて本書を執筆しました。
(本文より抜粋)
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