2022年10月13日 南三陸町特別講演会報告
「いつもと違う」と感じた今回の参加者の皆さん
宮城県南三陸町生涯学習センターでの講演会でお話しする機会がありました。
今回は南三陸地区と気仙沼地区の更生保護女性会、婦人会の皆さんを中心に70名を超える方が参加。講演のテーマは「スマート・エイジング 人生100年時代をイキイキと元気に過ごす秘訣」でした。
このテーマはこれまで何度もお話ししていますが、今回の参加者は「いつもと違うな」と感じました。
会場全体が「打てば響く」ように私の話にびんびん反応してくださり、話す側が非常に話しやすい温かい雰囲気でした。何よりも参加者の皆さんの眼差しが真剣で、何かをつかみたい、学びたいというひたむきさを強く感じました。
皆さんの年齢層は50代から90代。70代以上の方が多かったようです。通常だと1時間の講演の途中で舟をこぐ人が出てもおかしくないのですが、そうした人は一人もおらず、最後まで熱心に聴講されていました。
このテーマでの講演では、私はまず「加齢とは成長すること」を話します。次に生涯かけて成長するためには、「健康で自立して生活できること」が必要で、そのための秘訣をお話しします。
その次に身体は健康でも心が病むと辛いため「元気でいきいきと過ごすため」の秘訣をお話しします。最後に「自分らしく生きるため」のヒントをお話しするのですが、時間の都合でこの部分をお話しできないことがよくあります。
今回嬉しかったのは参加者の方から「自分らしく生きるとは」の話に対する感想を真っ先に述べていただいたことです。講演後にいただいた感想のなかにも、これに対するコメントがいくつかあり、南三陸町や気仙沼市の方々の問題意識レベルが相当高いことを感じました。
そして、一番前にいらっしゃった方から「未来を予測する最良の方法とは?」についての質問をいただきました。
この方が新潟県の出雲崎(いずもざき)町出身とのことで、私が新潟県長岡市(旧栃尾市)の出身だと話したこともあり、新潟の方言で話しかけてきたので、私も直ぐに方言で反応したところ、会場中が大爆笑になりました(笑)。
ちなみに、出雲崎は良寛が生まれたところで、松尾芭蕉の奥の細道にも登場する夕日の美しい場所です。
後で知ったのですが、この方は気仙沼市に本社を置くオイカワデニムの前社長、及川秀子さんでした。オイカワデニムは、品質の高いジーンズの製造で知られ、キムタク、BIGIN、イチローなどの著名人に愛され、海外にも多くのファンが存在する会社です。
及川さんの経営者としての素晴らしさはTEDxTohoku 2011での講演で垣間見ることができます。
及川秀子 オイカワデニム最愛の夫の死、バブルの崩壊、そして震災。「デニムは人生に似ている。」デニムと共に幾多の困難を乗り越えてきた、気仙沼を愛してやまない起業家親子の感動のストーリー。
今回の講演会は、及川さんのように東日本大震災の修羅場を体験し、それを乗り越えようと今も必死に頑張っている皆さんとの一期一会の場でした。
主催者から「皆が元気になるような話をしてほしい」と依頼されて引き受けた講演会でしたが、逆に私が皆さんから元気をもらった気がしました。
素晴らしい機会をアレンジして下さった南三陸地区更生保護女性会会長の齋藤 左恵子さん、本当にありがとうございました。
参加者の皆様のご感想(一部)
- 自分らしいということは長年の悩みでした。誰かに聞かれても私らしいとは?といつも自問自答していましたが、先生のお言葉でそういうことだと確信しました。(70)
- 他者からの関わりで自分のことがわかる。なるほどと、あらためて実感しました。(70)
- 好きなことをしたいと思いながらも、続けられるか不安でしたが、続けていくことに意味があり、その年代にあった続け方も大事なのかと思いました(70)
- 自分がどうありたいか?どう残りの人生を過ごしていきたいのか?が明確になりました。(70)
- 成長という言葉は力になりました(90代)
- 年齢関係なくひとりひとりのエンパワーメントが大事なんだな、と先生のお話を聞きながら感じていました。先生のお話に参加者のうなずく姿が会場一体になってましたね。同時に、超超高齢社会の次にくる縮小した社会をどう豊かに生きていけばいいんだろうな、ということも感じていました。貴重なお話ありがとうございました。(50)
- 運動した方が良いと、わかっていても、どういいのか?何が効果的なのかが今ひとつわかっていなかった。脳の作用や効果などを教わり、より具体的にわかりました。それと、データーがあってとてもわかりやすがったです(50)
- データーを見せてもらえたことで、漠然とでは無く確実に訪れる未来を予測できたことでより身近なことに感じました(50)
- とてもためになりました。優しさが伝わる講演なので、心に沁みました。(60)
- 先生のビデオを見て、障害があってもあのように前向きになる姿は励みになりました(70)
- 先生のお話しを聴き逃さないように、次第と先生のプロフィールのパンフレットの裏までびっしり書きました(50)
- 確実におとずれる未来を少しでも良い日々にしたいと思いました(60)
- 運動も、リズミカルが大事(70)
- とっても良かった(60)
- 先生来て下さってありがとございました(80)
- 脳トレも難しく考えずにはじめてみたい(80)
- 脳の役割がよく理解できた(50)
- 今日、早速800字書きます!(60)
- 難しくかまえていましたが先生がわかりやすく優しく教えてくださいました(60)
- ワイドショーを見て、リラックスだけではいけないと実感しました(70)
- 歩いていましたがダラダラとではなくてリズミカルに歩くようにします(60)
- 要介護!なるべくならずに済むように今日から実践したいと思います(60)
- 字を書き声に出して読もうと思います(60)
( )数字内は年代
人生100年時代を乗り切るには、加齢(エイジング)に伴う様々な変化に対する身体と心の“適応力”が必要。本書のテーマは「いかにして ”加齢適応力”を身につけるか」です。超高齢社会での〝賢い〟歳の重ね方の指南書。
米国で50歳以上の会員3700万人を有するNPO・AARP(エイ・エイ・アール・ピー)が発行するThe Journalに「What Lessons Can We Learn from the Huge Earthquake and Tsunami?」と題した寄稿記事が掲載されました。超高齢社会・日本において東日本大震災とその後の津波が高齢者にどのような影響を及ぼしたのかは、AARPの大きな関心事の一つです。未曽有の震災から学ぶべきことは山ほどあり、震災後4カ月が経過した今でも総括できているわけではありません。しかし、25,000人を超える尊い犠牲を決して無駄にしてはならず、私たちは少しでも多くのことを学ばなければなりません。