2012年9月10日 経済産業省
このたび経済産業省主催の「中長期的視点に立った日本版イノベーションシステム構築に向けた調査」検討委員会の委員に就任しました。この委員会の目的は、日本版イノベーションシステム構築の方法論を確立するという大きなものです。
委員会設置の背景には、平成23年度産業技術調査(イノベーション創出に資する我が国企業の中長期的な研究開発に関する実態調査)と平成22年度「我が国企業の研究開発投資効率に係るオープン・イノベーションの定量的評価等に関する調査」の結果があります。
前者の調査で次の結果が得られています。
1.我が国企業の多くが目指しているイノベーションが既存事業の延長線上に位置づけられている。
2.不確実性の高い新市場への挑戦に大きなハードルがあることが示唆されている。
3.将来ビジョンを基に研究開発テーマを立ち上げている企業の割合が少ない。
4.将来ビジョンを描いている方がより良好な収益を得る傾向にある。
また、後者の調査で次の結果が得られています。
1.多くの企業でオープン・イノベーションを通じた新市場の開拓について必要性を感じている。
2.にもかかわらず、実態として既存事業の域を超えた新しい試みが積極的に行われているとは必ずしも言えない。
これらの結果を踏まえ、国レベルの社会課題の解決に向けて中長期的に取り組むために、日本版イノベーションシステム構築の方法論を検討するのがこの委員会の目的です。
その検討のテーマとして高齢化社会対応の一環として「いつまでも楽しく働ける社会」が挙げられています。これが私がこの委員会への参加を要請された理由と思われます。
本委員会での活動の様子を、適宜このブログでお伝えしたいと思います。