村田裕之の団塊・シニアビジネス・シニア市場・高齢社会の未来が学べるブログ

団塊・シニアビジネスのパイオニアで高齢社会問題の国際的オピニオンリーダー、村田裕之が注目の商品・サービス、シニア市場トレンド、海外シニアマーケット動向を独自の切り口で解説。ビジネスの視点、教訓・学び、生活のヒントをお伝えします。

「ビジネス視点」の記事一覧

オンライン対話で疲れにくくする秘訣は?

現時点でWeb会議を快適にする秘訣は2つ。第一に対話する人どうしの画像情報量を増やすこと。具体的にはディスプレイサイズを大きくする、4K・8Kなどの高画質なカメラを使う、ネット速度環境を高速にすることだ。第二に大型ディスプレイを使って適度な距離を置くこと。ディスプレイサイズが大きければ互いに常に正視しなくて対話感はある程度維持できるし、ブルーライトの浴び方も弱くなる。
年齢別SNS利用状況

シニアのICT利用の敷居を下げるには?

シニアのICT利用を促す勘所:供給側では使い方が徹底的に簡単なインターフェイス。例えばパソコンではなくシニアが使い慣れているテレビを核とするやり方がある。需要側では「毎日の生活に不可欠」なアプリの存在。例えば健康保険証や自動車免許証、パスポートをスマホ化すれば、導入は飛躍的に進むと思われる。新型コロナウイルスのワクチンパスポート、接種証明も紙ではなく電子化すべきだ。
フィンランド夏風景

コロナ後の経済再生の牽引役「シニア市場」の勘所がわかるセミナー

ここ1年半、新型コロナウイルス感染症絡みの話題が続き、当初は基礎疾患を持つ割合の高いシニア層は、あたかも社会的弱者のように扱われてきました。 一方、そのおかげでワクチン接種を他の年齢層より早く受けられ、相対的に重症化リスクが低くなったため、政府による行動規制がなければ、実は積極的な消費行動を取る人が多くなっています。そもそも60歳以上の人の市場は106兆円程度あり、実はこの数値は2021年度一般会計予算107兆円とほぼ同じ規模なのです。コロナ禍に伴う行動規制が緩和されれば、シニア層がリベンジ消費も含めて経済再生のドライブになるのは間違いありません。
コロナ渦で増えた趣味

スマート・エイジングでウィズコロナ時代を生き抜く方法

筆者らが提唱しているスマート・エイジング実現のためには「運動」「認知」「栄養」「社会性」の4つが必要条件。ところが、新型コロナウイルス感染症の流行で生活スタイルが変わり、これらの条件を満足しにくい要因が増えてきた。特に巣ごもり生活の長期化でテレビやビデオ視聴時間が増えていることが気になる。テレビ視聴時に大脳の前頭前野(ぜんとうぜんや)に「抑制現象」が生じることが分かっており毎日長時間続くと脳機能の低下につながる。

シニアがICTに慣れ親しむ方策とは

ネットの普及が進み70代以上の利用率が急増している。一方で通販ではまだ紙のカタログが好まれ、ワクチン接種予約もネットより電話が圧倒的に多い。なぜ高齢者はICTが苦手なのか。認知機能の低下で作動記憶量が減るため「新しいこと=ICT」の学習がおっくうになり「昔からなじんだ安心なもの=電話など」を好むようになる。このため「徹底的に使いやすい」インターフェイスが重要となり、「使うと得」なことも重要となる
フードノスタルジア

「ノスタルジー消費」が経済動かす

ノスタルジー消費とは主に40代以降に現れる消費形態で、特定の世代の「世代原体験」が影響を及ぼす消費行動。世代原体験とは特定の世代が20歳頃までに共通に体験する文化。05年に大ヒットした映画「ALWAYS 三丁目の夕日」は「団塊の世代以降」、91年に大ヒットしたドラマ「東京ラブストーリー」の25年後に出た続編漫画は「しらけ世代の後半」、ディスコ、なめねこが登場するY mobile のコマーシャルは、「バブル世代」のノスタルジー消費を促している例
バイタリティとポケモンGOコラボ

ポケモンGOで保険料割引は効果的?

ポケモンGOが保険会社とコラボする初の事例。コラボの理由その1は歩くことが保険料割引につながるVitality会員にポケモンGOを利用してもらうことが健康増進メニュー継続のインセンティブになりうること。その2は歩くことが基本のポケモンGOの主な利用者層は50代、60代の中高年層であり、実はVitalityに加入してほしいターゲット層であること。一方、課題もいくつかある。
シニアビジネスマーケット

withコロナでスマート・エイジングを支援する商品ニーズが高まる

重症化リスクの高いのは実は「高齢の人」ではなく「基礎疾患を持っている人」だ。高齢の人でも基礎疾患のない健康な人は存在する。過剰な自粛で運動不足やコミュニケーション不足になって健康二次被害を拡大するより、感染予防策をしっかり講じている場所で適度に運動を行い、他人と交流することが重要だ。
サーキット運動群と対照群の介入による変化量

有酸素運動と筋トレでイライラ解消と前向き気分を

中高年女性が30分のプログラムを一回行うだけで、認知力の一種である「抑制能力」(がまんする力)と「活力」(ポジティブな気分)が即時的に向上すること(即時効果)を初めて学術的に明らかにしています。重症化リスクの高いのは「高齢の人」ではなく「基礎疾患を持っている人」です。過剰な自粛で運動不足になって精神的ストレスを溜めるより、感染予防策をしっかり講じている場所で科学的に効果検証された運動を行うのが有用です。そうした運動により前向きな気持ちで基礎疾患を改善・予防できれば、感染症による重症化リスクも下げることができます。
昭和の雰囲気が残る日本橋界隈

ノスタルジー消費の心地よさ

世代特有の嗜好性の多くが世代原体験により形成される。それが齢をとってからの消費行動に影響を与えることがあり、その一つを私は「ノスタルジー消費」と呼んでいる。ノスタルジー消費は当該世代が40代になるとよく見られ、そこには心理行動学的背景がある。昭和世代の主婦が朝ドラを観ると元気になるのは、こうした背景がある。
ニューノーマルにふさわしい保険外サービス

ニューノーマルにふさわしい保険外サービスとは?

「保険外サービス」という言葉は「公的介護保険サービス」、つまり「公的介護保険制度に収入を依存しているサービス」に対するものです。実はこうしたサービスは、介護業界以外の人にとっては、普通のサービスのことです。この当たり前のサービスを「保険外サービス」と呼んで、あたかも新規事業の如く扱うところに日本の介護業界の特殊性があります。こうした話はこれまで講演や著作で何度もお話ししてきました。