村田裕之の団塊・シニアビジネス・シニア市場・高齢社会の未来が学べるブログ

団塊・シニアビジネスのパイオニアで高齢社会問題の国際的オピニオンリーダー、村田裕之が注目の商品・サービス、シニア市場トレンド、海外シニアマーケット動向を独自の切り口で解説。ビジネスの視点、教訓・学び、生活のヒントをお伝えします。

「ビジネス視点」の記事一覧

なぜ、後半生に他人の役に立ちたくなるのか?

高齢期になると多くの人は、誰かの役に立つことをしたくなる。その理由は金銭的報酬より、人から感謝されることで自分が幸福を感じるといった心理的報酬が好ましくなってくるからだ。ボランティア活動等の利他的活動をしている人は、していない人よりも健康状態が良く、幸福感が高いという研究結果もある。心理学者のフライによれば、幸福と感じている人は不幸と感じている人よりも約14%長生きすると推定されている。
NHK NEWS おはよう日本

「エイジテック」の解説でNHKおはよう日本に出演します

11月8日の7時台NHKおはよう日本に「エイジテック」の解説で出演します。エイジテック(Age Tech)とは直訳すれば「高齢者向け技術」です。高齢者の生活や健康をサポートする技術、超高齢社会の課題を解決する技術などの説明もよく見られます。今回の番組では、なぜいま、エイジテックが注目されているのか、エイジテック市場の広がりは国内外でどうなっているか、今後エイジテックはどのような方向に向かうのか、その社会的背景についてコメントしました。

高齢でも健康維持の秘訣

スマート・エイジング実現のためには「運動」「認知」「栄養」「社会性」の4条件が満たされる必要がある。だが現代社会はこれらを満たしにくい環境のため「4条件を意図的に満たす」生活スタイルが必要だ。課題は高齢になるにつれ自分の行動を変えることへの心理的障壁が高くなることだ。行動変容を促すためのいくつかの秘訣をお話しする。

オンライン対話で疲れにくくする秘訣は?

現時点でWeb会議を快適にする秘訣は2つ。第一に対話する人どうしの画像情報量を増やすこと。具体的にはディスプレイサイズを大きくする、4K・8Kなどの高画質なカメラを使う、ネット速度環境を高速にすることだ。第二に大型ディスプレイを使って適度な距離を置くこと。ディスプレイサイズが大きければ互いに常に正視しなくて対話感はある程度維持できるし、ブルーライトの浴び方も弱くなる。

今後金融機関にとってシニアへのアプローチチャネルはどうなるか?

金融機関にとってシニアへのアプローチチャネルは今後どうなっていくか?答えは「対象者の条件で変わる」です。パソコンやスマホを問題なく使える人はリモートを好みます。ITリテラシーが低い人のうち、健康で時間に余裕のある人は来店を好みます。ITリテラシーが高い人でも、取引の重要度が高い場合は対面面談を好みます。シニアへのアプローチにこれ、という定番はないのです。
連結連鎖消費が起きやすい温浴施設

時間消費ビジネスの勘所とは

「連結連鎖型」のビジネスモデルでは、1つの消費が次の消費を促し、連鎖的に消費が発生するため時間消費がモノ消費に直結する。これが起きやすい理由は時間消費のプロセスのなかに身体の新陳代謝が起きやすいプロセスが存在すること。汗をかいてエネルギーを消費すると、水や食料を補給したくなり、自然とお金が落ちるモデルだ。時間消費ビジネスの勘所は連結連鎖と新陳代謝にある。
年齢別SNS利用状況

シニアのICT利用の敷居を下げるには?

シニアのICT利用を促す勘所:供給側では使い方が徹底的に簡単なインターフェイス。例えばパソコンではなくシニアが使い慣れているテレビを核とするやり方がある。需要側では「毎日の生活に不可欠」なアプリの存在。例えば健康保険証や自動車免許証、パスポートをスマホ化すれば、導入は飛躍的に進むと思われる。新型コロナウイルスのワクチンパスポート、接種証明も紙ではなく電子化すべきだ。
フィンランド夏風景

コロナ後の経済再生の牽引役「シニア市場」の勘所がわかるセミナー

ここ1年半、新型コロナウイルス感染症絡みの話題が続き、当初は基礎疾患を持つ割合の高いシニア層は、あたかも社会的弱者のように扱われてきました。 一方、そのおかげでワクチン接種を他の年齢層より早く受けられ、相対的に重症化リスクが低くなったため、政府による行動規制がなければ、実は積極的な消費行動を取る人が多くなっています。そもそも60歳以上の人の市場は106兆円程度あり、実はこの数値は2021年度一般会計予算107兆円とほぼ同じ規模なのです。コロナ禍に伴う行動規制が緩和されれば、シニア層がリベンジ消費も含めて経済再生のドライブになるのは間違いありません。
コロナ渦で増えた趣味

スマート・エイジングでウィズコロナ時代を生き抜く方法

筆者らが提唱しているスマート・エイジング実現のためには「運動」「認知」「栄養」「社会性」の4つが必要条件。ところが、新型コロナウイルス感染症の流行で生活スタイルが変わり、これらの条件を満足しにくい要因が増えてきた。特に巣ごもり生活の長期化でテレビやビデオ視聴時間が増えていることが気になる。テレビ視聴時に大脳の前頭前野(ぜんとうぜんや)に「抑制現象」が生じることが分かっており毎日長時間続くと脳機能の低下につながる。

シニアがICTに慣れ親しむ方策とは

ネットの普及が進み70代以上の利用率が急増している。一方で通販ではまだ紙のカタログが好まれ、ワクチン接種予約もネットより電話が圧倒的に多い。なぜ高齢者はICTが苦手なのか。認知機能の低下で作動記憶量が減るため「新しいこと=ICT」の学習がおっくうになり「昔からなじんだ安心なもの=電話など」を好むようになる。このため「徹底的に使いやすい」インターフェイスが重要となり、「使うと得」なことも重要となる
フードノスタルジア

「ノスタルジー消費」が経済動かす

ノスタルジー消費とは主に40代以降に現れる消費形態で、特定の世代の「世代原体験」が影響を及ぼす消費行動。世代原体験とは特定の世代が20歳頃までに共通に体験する文化。05年に大ヒットした映画「ALWAYS 三丁目の夕日」は「団塊の世代以降」、91年に大ヒットしたドラマ「東京ラブストーリー」の25年後に出た続編漫画は「しらけ世代の後半」、ディスコ、なめねこが登場するY mobile のコマーシャルは、「バブル世代」のノスタルジー消費を促している例
中目黒スターバックス・リザーブ・ロースタリー

エクスペリエンス・ビジネスとは

顧客にとってのエクスペリエンス(経験や体験)が経済価値になるという観点で経済活動を捉える考え方を「エクスペリエンス・エコノミー」という。この考え方では、コモディティ、製品、サービス、エクスペリエンスの順に価値が上がる。例えばコーヒー豆をバラで売るとコモディティとなり1杯分1円にしかならない。パッケージにして売ると1杯分10円に、コーヒーにして売ると1杯300円になる。それを高級ホテルのラウンジで提供すると1000円になる。